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02 彼女が天使でなくなる日/寺地はるな
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(作中の言葉)
いろんな世界を見て、いろんなものに触れろ、そのうえで島を選ぶならいつでも戻っておいで
『みんな』がどうしてきたかは、わたしには関係ないです。『みんな』とか『ふつうは』ということを大事に守っていく側に三崎塔子たちがいるというなら、自分はそれを壊していく側に立つ
自分に都合の良い素敵な人生の物語の展開を夢見るのは自由ですけど、感情も事情もある他人に都合の良い役柄を押し付ける人は、僕は大嫌いだな
麦くんがただ千尋ちゃんを大好きなだけの、すこやかで阿呆な男でよかった。麦生は千尋の背景ではなく、千尋自身を見ている
人にはそれぞれその人だけの善悪の基準というものが存在する
願うだけでは、なにも果たされないけれども。大切なのは願いを自覚した人間がどのように行動するかということだ
なにかの経験をした人が、その経験がない人に『あなたにわたしの気持ちはわからない』と言う行為、わたしは嫌いです。だって同じ経験をしても、見えるもの感じるものは違うはずですから。どんな経験があろうとなかろうと、そもそも自分以外の人間の気持ちなんかわかりません
どのような言葉をかけるのが正解だったか、あとになって他人があれこれ言うのは簡単だ。まつりを置いていった亜由美さんを責めることだって、誰にもできる。でも千尋やまつりが今日まで生きてきたのは、亜由美さんを責める正しい人びとのおかげではない
間違うことはある。後悔もする
はじめの一歩を踏み出せた人は、次の一歩も踏み出せるよ