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モザンビークで車を買うことになった。
買うことになったと言っても、誰かに買わされたわけでもなく、車がないと生活できないわけでもない。ただ、車があった方が行動範囲が広がるし、自分の力で生きている気がしたから買うことにした。
ほぼペーパードライバーだけど。

田舎で育った僕は、大人になると車を運転するのが当たり前で、車を運転することが大人の第一歩のような気がしていた。
しかし、高校卒業と同時に地元を離れると、電車という新たな移動手段を手に入れて、遠出をするときは電車に乗るようになり、車を運転することはおろか車に乗る機会が極端に減った。車がなくても全く不便ではない日々を過ごす僕とは対照的に、地元に残った同級生は自分の車を手に入れて自分の運転で大学に通っていたり、職場に通勤していた。同級生の方が先に大人になっていった気がした。僕も大学卒業前に免許は取ったけれど、年に数回運転する程度で、自分の乗り物として運転できている感覚はなかった。
もうモザンビークで何度か運転したけれど、もちろん日本のような行儀の良い交通マナーは存在しないので、まだまだ運転は不安である。というよりも既に1度接触事故を起こしている(怪我なし)。
一人前ドライバーになるまでの道のりは長く、険しそう(未舗装部分あり)だ。


ちなみに車は日本から中古車を輸入した。輸入手続はかなり面倒だったが、同僚の多大なるサポートのおかげで無事に完了した。ただ車を受け取ってからも色々と車の登録やら保険に関する手続きがあった。日本でもどういった手続きがあるか理解していない僕は同僚から言われたとおりに、何が書いてあるかよくわからないポルトガル語の書類にサインをし、それなりの金額を払った。
その手続きの一つとして、ローカルショップで車にナンバープレートを取り付ける工程があった。モザンビーク人の同僚に任せると一通りやってくれるということだったが、どんなものか興味があったので自分もついて行った。
まずはショップに向かったのだが、そのショップは本当に小さな町工場のようなところで、本当に合法なのか疑いたくなるほど工具やゴミやらが散乱しているローカルショップだった。
一抹の不安を抱きつつも、そのショップではナンバプレートを付けるだけでなく、車体の各パーツにナンバプレートと同じ番号を刻印する作業もしてもらった。
これは盗難防止が目的でモザンビークでは必須の作業らしい。フロントガラスからサイドミラー、ライトカバーまで、取り外しができるほぼ全てのパーツにナンバーを刻印してもらった。さらに盗難防止のために各パーツをビス留めすることも通常のようで、それもなされるがままに。
手に入れた車が次々とドリルで穴を開けられているのを見て、車好きだったら発狂しそうだなと思った。

次々と車に穴が開けられていく。やられちゃった日産。
こうしたエンブレムもよく盗まれるらしい。別に盗られてもいいけど・・
ビス留めされてしまった。ダサい。


ナンバーをそれぞれのパーツに刻印していく様子。この子が貼り付けているシールの上から謎の液体と粉を混ぜたものをスプレーで吹き付けていた。


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