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言語学習と金曜日

ポルトガル語がなかなか上達しない。
モザンビークの公用語はポルトガル語なのだが、仕事では英語を使う場面の方が多い。日常生活に必要となる最低限のポルトガル語は誤魔化しながらなんとなく使っているのだが、会話をするのはまだまだ厳しい。

言語学習をするとき、僕は「Anki」というアプリを使っている。わりと有名なアプリだと思うが、簡単に説明すると自分で自由にカスタマイズできる単語カードアプリである。英語学習をしていたときに感触が良かったので数年前から使っている。

例えば "Frutos do mar"という単語が問題だった場合、まずは単語だけが画面に出てくる。

それをタップすると"Seafood"という答えが出てくる。これに対して、自分の中で簡単だったか難しかったかを4段階で回答して、その自己評価によって次の復習のタイミングが決まる、という仕組みである。

これはポル語→英語の単語帳

Ankiは自分で単語帳(Ankiではこれをデッキと呼んでいる)を作成することもできるのだが、誰でもネット上でデッキを公開することもでき、それをダウンロードすることもできる。自分でも単語帳を作っているのだが、イチから作成するのも時間がかかるので、いくつか使ってみようと思い公開されているデッキを調べた。
幸い英語話者用のポルトガル語学習のデッキは豊富にあった。

最初に目についたデッキは、タップして回答を出すと、文字ではなく画像が出てくるものである。発音記号が書いてあるのもいい。

(m.noun)は(男性名詞)の意味で、下に書いてあるのが発音記号である。


タップすると犬の画像がでてくる。

言語がイメージと結びついていることは重要で、「Cachorro=犬」と字面で覚えるというよりは、Cachorroという文字をみたり、音を聞くと犬のイメージが浮かぶことがポイント。これはいいかも、と思い使ってみることにした。

しかし、学習を始めてすぐにこの問題がでてきた。

”sexta-feira” は金曜日である。英語でいうとFridayだ。割と頻繁に使う単語なので、これは覚えている。

ただ、これをどうイメージする・・・?

金曜日は物質ではなく概念みたいなものなので、イメージ画像はないよなあ。強いてイメージにするとカレンダーか。カレンダーの金曜日のところに丸がついているようなやつか?「金」という文字が頭に浮かんでくるが、これ文字なしで説明できないのではないだろうか。Fridayと書いてある画像がでてくるのか。
とにかく答えとなる画像を見てみよう。










は?

どこが金曜日だよ。
せめて華金ハッピー、みたいな表情なら納得できるけど、そうも見えない。特に右側の男の表情。超新塾のアイクぬわらにしか見えない。

じゃあ他の曜日はどうなっているのか気になって調べたが、金曜日以外の曜日は登録されていなかった。
このデッキ作ったの誰だよ。


他にもこんなものがあった。

これは「イメージ」である。英語にすると"image”。
つまりイメージのイメージをしなければならない。

正解はこれ。

理解に苦しむ。




続いてこちら。

これは日本語だと「心地いい」英語だと"pleasant”とかそういう意味である。
正解はこちら。

もう文字に逃げてしまっている。
逃げ方も中途半端で意味も違くないか?


これらの他にも言葉と結びつかない画像が数多くあったので、このデッキは削除した。
他のデッキで良さそうなものがあったので、今はそれを使っている。
そのデッキには画像は使われていない。

ただ金曜日のことを考えると、今でもあの男の顔がうっすらと浮かびあがってくる。



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