㊱ミャンマー情勢(Part2:ミャンマー人の強制徴兵!)
今回は、ミャンマー人の徴兵制について、40日前の前回記事からのアップデート情報をお伝えします。徴兵制の詳細は、前回記事をご覧ください。
2月10日(土)の徴兵制の発表から、約1ヶ月以上が経過する現在、既にヤンゴン市内でも、全国的にも実質的な徴兵が開始されています。
経緯
なぜ、4月22日(軍が元々言っていた徴兵時期)を待たずに、国軍による住民の連行やくじ引きが行われているのでしょうか?
国軍のインセンティブ
結果として、現場の国軍兵士が、拉致→身代金要求→解放→場合によってはもう一度拉致して身代金を要求する、という形で半グレのチンピラ(国軍)が、人民を抑圧しています。
2月10日頃の国軍の説明は、今回の徴兵制度では、人口の1%しか召集しないというものでした。
しかし、現在、地区によって異なりますが、20〜30%の高い確率でくじが当たってしまう例があります。
そのため、一般のミャンマー人は、国軍の説明を一切信じていません。
2月13日に女性は徴兵の対象外になりましたが、いつ軍の気が変わって、対象になるかわからないため、女性も戦々恐々としています。
ミャンマー国軍の統治範囲
徴兵制の開始の経緯は、2023年10月27日(1027作戦)に、ミャンマー国軍が大敗北を期したことが関係している、と前回お伝えしました。
さて、現状、ミャンマー国内は、ザガイン州、チン州、ラカイン州、マグウェイ州、カヤー州、カイン州は、大半が反国軍(PDFや少数民族)に支配されています。
今後、シャン州は既に北半分が反国軍に支配されて、この動きはカチン州にも広がっていますし、カイン州の動きはモン州にも広がっていきます。
現状、国軍の完全な支配下にあるのは、マグウェイ、バゴー、エーヤワディー、ヤンゴンのみです。
国軍の弱体化が続く限り、徴兵の動きは止まりません。
故に、大量の若者が、この国の内戦に巻き込まれないように、国外流出する状況が、2月10日(土)以降、永遠に続くと思われます。
ミャンマーの日本企業も、過去10年かけて育成したミャンマー人従業員を、いとも簡単に徴兵制で召し上げられてしまうため、何とも言いがたい状況です。
人や国を作るのは、非常に長い時間がかかりますが、人や国を破壊するのは一瞬!ということをミャンマーから学びます。
私は、日本人と似ている点が多いためミャンマー人が好きですが、今回の徴兵制は、ミャンマーの崩壊、ミャンマー人の分断を決定づけるものです。
非常に残念です。
日本大使館の前に、長蛇の列ができているのを見ました。ずっと奥まで道なりに列ができています。
もともと、4月1日にかけて多くのミャンマー人が日本に渡航しますが、2月10日の徴兵制の発表後は、数が増えているようです(1日500〜600人のビザ申請があるようです)!
次回の記事は以下です。
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