ご無沙汰しています。
最近、秀逸な本が出版されました。京都大学の中西先生の「ミャンマー現代史」です。
いまのミャンマー情勢を理解するために、一番優れた本です。
そういえば、私が敬愛する白石隆先生も、インドネシアの地域研究からスタートしているので、中西先生もあと10年もすれば、国際政治学者として名を馳せると予想しています。
古巣のアジ研での評判も高く、学術成果も素晴らしいです。
ちなみに、中西先生が所属する京大東南アジア研究所は、コーネル大学の東南アジア研究所と並んで、世界の2大巨頭です。日本企業が、東南アジアで活躍するためにも、引き続き、知の拠点になっていくことを(勝手ながら)願っています。
さて、本の概要は、10月1日の日経新聞に書評が掲載されていたので、引用します。書評の通り、沢山の質問に答えてくれる1冊です。
間違いなく、ミャンマーの今を知るためのはじめの1冊になります♪
ミャンマー史のこれまでと今後の見通し
こちらの本によれば、ミャンマー史のこれまでと今後の見通しは以下です。
●1988年から2011年まで23年間トップの座に君臨したタンシュエから、2011年3月に“Power Sharing”がなされた。
●ここで、国軍のトップは、55歳のミン・アウン・フライン国軍最高司令官(「ミ」司令官)、行政のトップはテイン・セイン大統領になります。
●その後、2016年3月にアウンサン・スーチが大統領の地位を上回る大統領顧問として君臨しますが、2021年2月のクーデターをもって、「ミ」司令官が暫定政府首相になります。
●ここから、一番可能性の高いストーリーは、2023年8月までに実施される選挙で、67歳で「ミ」大統領になるというものです。大統領の任期は、5年間ですので、2028年8月までの期間になります。
これを大前提とすると、終章の「忘れられた紛争国になるのか」の箇所に散りばめられた鋭い指摘の数々が参考になるため、引用します。
援助の見直しと過去の検証
しかし、このような状況下でも、できることが人材関係であると示唆しています。
人道支援は日本でもできる
ミャンマーの現状が気になる方のあらゆる疑問に答えてくれるお勧めの1冊です。是非とも、読んでみて下さい。