この記事は、
~日本で働くこと、日本に住むことに嫌気がさしている人~
~日本を出て海外移住を検討している人~
~オーストラリアで寿司を握る職人になろうとしている人~
向けです。
流出する日本人 By 大石奈々
海外在住を目指す人にとって、こんなにまとまりの良い本は、他にはありません。
群を抜いて秀逸な書籍です。
筆者(大石奈々さん)は、オーストラリアのメルボルン大学アジア研究所の准教授です。
過去23年間を海外4ヶ国で過ごした、人の国際移動の専門家です。
まず、驚いたのは、オーストラリアにおける日本人の扱いです。
オーストラリア
私は、オーストラリアに行ったことがありません。元々は囚人(犯罪者)の島、1973年に「白豪主義」を廃止し、「多文化主義」を採用した国というイメージしかありませんでした。
それ故、最近、多くの日本人が暮らしていて、良いイメージを持っていました(在留日本人数では、米国(約40万人)>中国(約10万人)に次いで3位の約10万人)
近年は円安の影響もあり、2022年10月のテレビ報道では、オーストラリアで寿司職人として働くと、日本の2倍以上の賃金が貰えると耳にしました!
世の中そんなに甘くない@オーストラリア(豪州)
しかし、「流出する日本人」を読むと、そんなに現実は甘くないことがわかります。
甘くない現実をまとめます。
大石奈々先生が、オーストラリアに住んで聞く現地情報を知ると、オーストラリアでワーホリをすることは、グローバルな経験を得ることや語学力を身につけることに繋がらない気がします。
ベトナムから来る技能実習生に対して、日本にいるあなたは、グローバルな経験をして欲しい、語学力を身につけて欲しいと思いますか?
答えが「NO!」であれば、ワーホリでオーストラリアに行って、グローバルな経験や語学力を得られるという発想がヤバイ(病的)ことがわかります。アジア系住民に対する差別も根強いようです(P163)
大石先生は、そのような当たり前のことを、実態に基づいて示して下さいます。
そして、「日本の未来が暗いと断定することには慎重であるべきだろう」と言っています。
私は、「オーストラリアは、好い国なのかな~」と思っていたので、その実態を知って意外でした。
やはり、1冊の本で世界の見え方が変わるものです。
この本は、海外で働くことに興味がある日本人にとって、コスパが良すぎます!!!
日本のシン富裕層 By 大森健史
2冊目は、「日本のシン富裕層」です。
野村総研の定義によれば、資産1億円以上が富裕層で、この人数が増えているようです。
「日本のシン富裕層」では、「シン富裕層」を10億~20億円の資産を持った人と定義した上で、どのように巨万の富を築いたのか、その行動様式を解説しています。
色々な類型が紹介されています。
そのなかで、海外移住するタイプは、暗号資産で、数億円から数百億円の巨額の資産を手にした人々のようです。
特徴としては、以下になります。
この暗号資産タイプは、実は海外への移住願望があるわけではないのですが、彼らが海外に移住するのはなぜでしょうか???
海外に移住する暗号資産タイプ
移住先としては、ドバイが人気のようですが、その理由は以下です。
ドバイ以外にも、シン富裕層の主な海外移住先として、13ヶ国についての一言解説があります。
私は、国家公務員ですので、億り人や富裕層というのは、夢のまた夢ですが、このような世界があることが勉強になりました!!!
最近、円安のため海外でのワーキングホリデーを目指す人が増えています。
同時に2013年以降の円安や株高や暗号通貨高に乗って、資産家(シン富裕層)になった方も税金対策で海外を目指します。
2極化する海外志向に驚きました( ・∇・)
【8月18日:追記】
以下のように、円の価値が安くなるにつれて、オーストラリアでの日本人のワーホリビザの取得数が伸びている傾向が見えます。
2024年は、この日本人の大幅流入により、日本人が仕事や住まいを見つけるのは、非常に困難なようです。