前回の14回目の続きになります。
今回は、いま現在のキャリア官僚が立たされた位置付けを解説します。
現在の岸田政権と霞が関の距離感
まずは、以下の書籍を参考に、現在の岸田政権の霞が関の距離感を解説します。
安倍政権の時は、経産省出身の今井総理秘書官が、重要政策を自ら主導して権力を独占していました。
さて、現在の経産省出身の嶋田秘書官は、どうなのか見ていきたいと思います。
ちなみに、総理には2人の政務秘書官(霞が関の官僚出身ではない人と経産省出身の嶋田秘書官)と6人の事務秘書官がいます。6人の出身省庁は、財務省×2、外務省、経産省、防衛省、警察庁です。
以下に、現在の官邸の雰囲気、霞が関との関係を示している箇所を引用します!
霞が関の役所の雰囲気は、官邸の方針に左右されます。
現在では、ある程度、役所側に政策立案をできる余地があります。しかし、安倍政権時の忖度文化が残ってる、自由に政策立案する文化に翳りが見られる、という指摘もあります。
一方、小さな現場レベルでの政策立案の余地はまだまだ大きいと言えます。
例えば、最近では、スタートアップの促進、規制撤廃などの政策が粛々と動いていますね。
こういう点では、いま、中途で霞が関で働くことのやりがいは、あると言えます♪
官僚たちの夏
次に、官僚を主人公にした小説を紹介します。
霞ヶ関での1年のスケジュールや、組織のダイナミズム、ツールを押さえるためにお薦めです。
官僚たちの夏は、1980年出版の昔の作品ですが、政策立案、打ち上げのタイミングや、省内での説得方法や、政治家への根回し等、まだまだ学べることは多い作品です。
例えば、以下の記載があります。
この記述は、いまにも当てはまります。
2022年に、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本工場を筆頭に、キオクシアホールディングスの四日市工場、米マイクロン・テクノロジーの広島工場の3カ所を対象に総額6170億円の補助金が投入されました。
まさに、多額の予算を伴う新規事業です。
これを見ると、官僚たちの夏に描かれている内容は、現在でも当てはまることが多いと言えます。
ちなみに、官僚たちの夏の舞台は、通商産業省ですが、2021年に、官僚たちの夏をコピーし、舞台を厚生労働省にした作品も、同じ新潮社から発売されています。
時間がある人は読んでもいいと思いますが、官僚たちの夏を超える作品を期待したのですが、ストーリー展開もオチもイマイチだと感じました。
(このレベルでよく出版社が出版許可したなー)
それでは、続きは、次回Part3の以下を参照ください!!!