桐島です。今回は、日本・ミャンマー外交について概説します。
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さて、外交の要諦は人です。人と人との信頼関係が外交の基礎です。
例えば2月1日のクーデター後、5日の日経新聞記事を以下に引用します。
外交に携わったことがない方でも、海外ビジネスをしている人は、危機時には、現場で相手国のキーパーソンと接触して、正確な情報収集をできる人が圧倒的に強いことが肌感覚とし分かると思います。
欧米は制裁を課して、敵対視していたため、ミャンマー国軍とのパイプがありません。しかし、日本は独自のパイプがあるというのが記事の内容です。
1.国際社会とミャンマーの橋渡し役
それでは、国際社会とミャンマーとの橋渡し役となる2人の日本人を紹介します。以下、ロヒンギャ問題解決の文脈の記載ですが、引用します。
2人のキーパーソンが出てきますね♪2人を順番に解説します。
2.日本外交の宝(丸山市郎大使)
ミャンマーの日本人は誰もが知る、言わずとしれた日本外交の宝です。経歴は以下です。
ミャンマーでの在外勤務は、5回目となるミャンマー通で、民主化代表のアウンサンスー・チーとも、軍代表のミン・アウン・フライン上級大将とも、コンタクトができる関係と言われています。
日本外交を支えるレジェンドですので、2021年4月から大使に就任して4年目に入りますが、丸山氏は代替の利かない存在ですので、日本政府(官邸)としてもこの非常事態のなかでは、丸山氏に頼らざるを得ません。
上記の日経新聞の記載にあった、「外務省幹部によると、4日までに現地大使館を通じて国軍側と接触した。1日のクーデター後、米欧で国軍と意思疎通している国は少ない」とは、丸山大使のことです。現地の大使館とは書いていますが、by nameで、Ambassador Maruyamaを通じて、というのがより正確な記載です♪
3.笹川陽平・日本財団会長(ミャンマー国軍和解担当日本政府代表)
2人目は、笹川日本財団会長(Chairman of the Nippon-Foundation)ですが、ミャンマー国軍和解担当日本政府代表(Special Envoy of the Government of Japan)という政府の肩書も持っています。民間人トップ+政府要人の位置づけです。
強い発言力があるため、色々な噂もありますが、ミャンマーに関して言えば、笹川氏の貢献は非常に大きいです。そのため、丸山氏同様に、民主化代表のアウンサンスー・チーとも、軍代表のミン・アウン・フライン上級大将にもコンタクト可能です。
それでは、
笹川氏は、どうミャンマー社会と深いかかわりを築いたのでしょうか?
私(桐島)も気になったために、いくつかの書籍を購入しましたが、この本の記述が一番網羅的で分かりやすかったため、こちらを引用します。
以下が署名式の様子です。笹川氏の長年のミャンマーでの地道な活動により、少数民族とミャンマー政府の双方から信頼を獲得したのが分かります。
続けて気になる点は、
笹川氏は、ミャンマーの少数民族地域にどう入り込んで行ったのか?
笹川氏の「信頼醸成には回数しかない」という言葉は、心に刺さります。
以前、JICAの山田審議役(現在は副理事長)に「インフラの海外展開の際に、日本が受注に成功した時のポイントは何だったのか?」と伺った所、「現地での信頼関係を築くことです。インフラの価格や質というのは、もちろん問題にはなりますが、実はどのぐらい信頼関係を築いているかで、入札が決まり受注に繋がるかが左右されます」という回答をいただきました。
やはり、日本人が海外の現地で信頼を築くためには、回数しかない。
そのため、丸山氏や笹川氏の長い滞在経験と、相手の懐に飛び込む回数が、こういう緊急事態の際に、生きてくるということが分かりました。
まとめ(日本・ミャンマー関係2人のキーパーソン)
まとめをすると、以下図の通り、日本は唯一国軍との関係も、民主勢力との関係もある稀有な国です。その根本には、長い間積み上げた人と人との信頼関係があります。普段は見えにくいですが、こういった危機の時こそ、不断の取り組みが成果を発揮することがわかりました♪
See you soon.