㊲ミャンマー情勢(日本のミャンマー人)
【2024年8月6日:図表を最新のものに差替え済みです】
さて、前回㉞で「ミャンマー人の国外流出!」を取り上げました。
今回は、ミャンマー人の流入先である日本の外国人の最新データをお示しします。
私の知り合いで、ミャンマーに縁のあるため、ミャンマー人のために何か役立ちたいと思っている人が多数います!!!
そういった人は、ミャンマーから逃れてきて、日本に暮らしているミャンマー人に対して、何かしらの支援ができます♪
かくいう私も、日本でミャンマー人に何かしら情報面で貢献をしたいと思い、2023年に行政書士の試験に合格しました。
日本の在留外国人数(2023年12月末時点)
さて、日本にはどのぐらいの外国人が住んでいたり、働いているでしょうか?
答えは、23年12月末時点で、約341万人です。
以下の円グラフが在留資格別の構成比になります。
永住者が、約89万人と1番多いです。
日本人と結婚した日本国籍取得者が一例です。
341万人のなかで、ミャンマー人はどのぐらい多いでしょうか?
1番多いのは中国人になります。
約322万人のなかで、約82万人を占めます。
ミャンマー人は、8位の8万6,000人です。
旧移民(中国人、ベトナム人、韓国人、フィリピン人、ブラジル人)
中国人、韓国人は、在日中国人、在日韓国人という言葉も言葉もあるように、第二次世界大戦後から多いのが特徴です。フィリピン人、ブラジル人も多いことに違和感はないでしょう!
近年、ベトナム人も、非常に多くなっており、私が読んだ安田氏の書籍でも、ベトナム人技能実習生の実態が取り上げられています。
さて、本日は最近人数の伸びが著しい、ネパール、インドネシアとの比較でミャンマーを取り上げたいと思います。
増大する新移民(ネパール人、インドネシア人、ミャンマー人)
増大する新移民の出身国の人口は、以下です。
圧倒的に、インドネシアの人口が多いです。
こちらの3ヶ国の在留外国人数の経年変化は、以下です。
3ヶ国とも大きく伸びているのがわかります。
人口3,000万人のネパール人の伸びに驚きます。
インドネシア人は2.74億人いるので、まだまだ、伸びる余地があります。
ミャンマー人は、21年約3万7,000人から23年には約8万6,000人と2倍以上増えています。
さて、これまで日本の在留者数(=入国管理庁のデータ)を見てきました。
これから、日本の労働者数(=厚労省のデータ)を見たいと思います。
日本の外国人労働者
在留外国人数(労働者+居住者)は約322万人でしたが、外国人労働数は、約200万人になります。
その内訳は、以下です。
日本の労働者は、ミャンマー人と韓国人が同じぐらいの人数です。
労働者がどういう在留資格で働いているのか?
が以下です。
1番多いのが、身分に基づく在外資格で働いている人です。
これは、永住者や、日本人の配偶者などです。
2番目に、専門的・技術的な分野の在留資格です。これは、技術・人文・国際(ギジンコク:大学卒業程度の専門的な労働資格)や特定技能です。
3番目に、技能実習生になります。
4番目が、資格外活動になります。これは名前がわかりにくいのですが、留学生です。留学生は、勉強が本分ですが、1週間に28時間までアルバイト等の労働が認められています。
さて、上の図4は、全労働者(約200万人)がどういった資格に基づいて日本で労働しているのか?という図ですが、これをミャンマー人で見てみると以下になります(桐島作成)。
圧倒的に技能実習生の割合が多いことがわかります。これは、ミャンマーが途上国である証拠です。
そして、特定活動が多いのも特徴です。
先ほどの図4(全体)と図5(ミャンマー人)を見比べると、技能実習生と特定活動の多さが目につきます。
特定活動とは
ミャンマー人の特定活動の割合が、多いのには理由があります。
そもそも、特定活動とは、入管庁が2021年5月28日に、ミャンマー人のために緊急避難措置として認めた就労が可能な資格であるためです。
(最近アフガニスタン人、スーダン人にも認められています)
そして、2022年4月15日から、期間が長くなりました(6ヶ月→1年)。
例えば、日本で勉強や労働をしていたが、帰る家が戦闘で焼かれてしまい帰る場所がない、帰ったら殺される危険性がある場合などに、取得可能です!
(これらの例は、残念ながら現在のミャンマーでは珍しくありません)
詳細は、こちらをご覧下さい。
ネパール人、インドネシア人、ミャンマー人労働者の特徴
厚労省のデータを見ると、働く分野に特徴があることがわかります。
ミャンマー人は、医療・福祉(=介護)の割合が高いです。しかし、建設業は不人気です。
ネパール人は、宿泊・飲食・サービスの割合が高いです。しかし、介護は不人気です。
コンビニで働いているネパール人が増えていますが、実感と乖離していないでしょう!!!
こうして、新移民だけ細かく見てみると、ミャンマー人も重要な存在であることがわかります。
特に、介護人材が他の国に比べて多いことがわかります。
最近では、東京都を中心として、介護人材不足が深刻です。
3月15日に日経新聞には、以下の記事が出ていました。
介護人材をはじめあらゆる人材が不足している日本にとって、ミャンマー人が来てくれることは有り難いです。
もちろん、どんなミャンマー人でも良いのではなく、ある程度良質な労働力としてのミャンマー人が、Welcomeということになります。
ここから余談になりますが、
私、桐島は、行政書士の試験合格後は、在留資格関連の入管業務に興味を持っています。
行政書士と入管業務って、どんな繋がりがあるの?という疑問にお答えします。
行政書士と入管業務
外国人が日本に滞在するためには、その活動や身分に応じた在留資格(COE:Certificate of Eligibility)を取得する必要があります。
原則は、外国人本人が入管に出向いて手続きをします。
しかし、①外国人を雇用している企業や教育機関の職員や公益財団の職員で、入国管理業務についての知識を有すると認められることで地方入管局長が承認した人や、②法律の知識を有している弁護士や行政書士で、地方入管局長に届け出た人、に対して申請人(外国人本人)の代理で申請の取次ぎを認めるという制度が申請取次制度です。
行政書士は、平成元年から申請取次が出来るようになりました。
申請取次行政書士になるには、出入国管理に関する研修(3万円)を受けて、効果測定(卒業試験)に合格し、申請取次申出書を所属行政書士会へ提出する(全部で3ヶ月要する)ことで、ピンクカードという資格が貰えます。
証明書のカードがピンク色なので、ピンクカードと呼ぶようです。
私も、引き続き、(迫害される)ミャンマー人の気持ちになって、できることを探していこうと思います。
次回は、以下です!
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