18回目の外務省の紹介のPart5の続編で、Part5-2になります。
省庁批判本(外務省、財務省、経産省)
時たま、官僚OBによる省庁批判本が出版されます。
これらの共通点は、官僚として30年近く勤務した人が、組織内で先が見えてきたタイミングで、役所を去って、徹底的に所属していた省庁を批判しまくる点です。また、全て、講談社から出版されたという共通点があります。
省庁提言本(経産省、厚労省)
他方、省庁を10~20年で辞めた方が、永田町や霞ヶ関や省庁に対して、政治主導や働き方改善を提案している提言本もあります。
外務省のトンデモ本(パワハラで事実上更迭された元外交官が恨み節を実名で出版。跡を濁す)
今回紹介するのは、2024年5月に出版された、外務省のトンデモ本です。
私、桐島は役人ですが、私から見ただけでも、かなり書籍の構成がいびつで、同じ内容の繰り返しが多く、まとまりに欠いていて、役人の「文書力の劣化」が明らかな本です。
私は、常に、●●氏という継承を付けますが、著者は敢えて呼び捨てにしようと思います。そのぐらい、気持ち悪いパワハラ人間です。
ネット上の評価で、
「パワハラで事実上更迭された元外交官が恨み節を実名で出版。跡を濁す」とありますが、言い得て妙だと思います。
内容からも、パワハラ野郎(恐竜、化石)ぶりが伝わってきます。
さすが、文春!です。
荒稼ぎのための手段を許さず、内容軽視で、バズりそうな外務省批判本を持ってきたというよくぞ持ってきました、という所です。
書籍を読んでいると、これは事実と異なるのではないか?と思われる記述が多く、山上は、外務省内に友人も味方してくれる先輩も後輩もいないため、孤立無援になって、それでも、強がっていたため、きちんとした省内の情報が入ってこなかったのだろうと思われます。
また、彼を現在、受け入れているTMI総合法律事務所も、Reputation Riskの観点から、大丈夫かな?!と甚だ疑問です。TMIが、人権やパワハラに関して、感度が低いと思われても仕方ないでしょう。
自信過剰
山上は自分を表現する際に、自信過剰過ぎると思われます。そんな箇所をいくつか抜粋します。
日本国際問題研究所(国問研:こくもんけん)
→「国内最大のシンクタンク」という表現は、嘘(フェイク)です。国問研は、単なる外務省の天下り先です。以下の幹部は、戸崎 洋史氏以外は、全員外務省からの天下りです。佐々木理事長は、外務事務次官、米国大使まで務めた後天下り。吉田所長は、中南米局長、大臣官房外務報道官を務めた後天下り。首藤事務局長は、入省32年目で外務省から天下りです。
三菱総研や野村総研の足下にも及ばないレベルの、官製弱小天下り機関ですので、天下り先に出向していたからといえ、シンクタンカーとは言えません。
むしろ、外務省員達の間では、国問研に出向する人は、メンタルに問題のある人や、人間関係に難がある人などの問題児、という認識になっています。
国際情報統括官
→国際統括官は、局長ポストではなく、あくまでも局長級ポストです。
2004年に領事移住部が、領事局に格上げになり、局を1つ潰す必要があったので、国際情報局を、格下げしました。
外務省での違和感
→記述に一貫性がないのがポイントです。外務省は、山上自身が、40年のうち何度も、「何かが違う」と思った組織ですので、いまの若手が辞めるのは当然です。外務省の魅力が下がり、魅力的な転職先が増えただけの話です。外務省が組織改革を怠ってきて、昔から魅力的ではなかったのに、周りの就職先の魅力度が高まったため、相対的により魅力的ではなくなった、というだけの話だと思われます。
山上が、たまたま辞めずに、40年間勤め上げてしまったというだけの結果論であって、その偶然を前提に、現在の若者に意見するのは、甚だ筋違いな気がします。
最近の外務省の特徴
→これらの点は、外務省から直接聞く話でもあり、正確な記述と言えます。業務の増大が、安倍政権以降の政治主導にある面もありますが、外務省は特に、地域専門性と語学力を重視しません。
山上の提言
→全くもって指摘の通りです。アフリカの小規模公館は、大使+館員が2~3名の所もあるので、そういった小規模公館の大使ポストを能力のないシニアに割り当てるのではなく、能力とやる気のある若手に割り当てて、能力のないシニアは、どんどん国際問題研究所などに送れば良いと思います。
以上、久々にトンデモ本を読んだので、内容をまとめて見ました。「天上天下唯我独尊」という言葉がピッタリな本です。
外務省出身者でも、佐藤優氏や、藪中三十二氏の文章とは、雲泥の差があり、よくぞ、文藝春秋、出版したな!、という感じだと思いました。
省庁や外務省批判が好きな一部の層に対しては、バカ売れすること間違いないですが、基本的には立ち読みで十分です!!!
以上
外務省を志望する方は、外務省のコスパの良い活用の仕方について、以下をご覧下さい。