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⑱ミャンマー人のための日本の大学への進路戦略Part3.5(Strategy for advancing into University in Japan, Part3.5)
今回は、前回までの背景情報と、これから私(桐島)が取り組みたい事を簡単に説明します。
日本語を必死で勉強するミャンマー人 Young Myanmar people who are desperate to study Japanese
2023年1月現在、ミャンマーで、若いミャンマー人が日本語を必死で勉強しています。
ヤンゴンの多くの日本語学校の日本語学習者のボリュームゾーンは、18~23歳で、彼らは日本語能力試験(JLPT)の少しでも高い級を目指しています。
日本語能力試験 JLPT(Japanese Language Proficiency Test)
日本語能力試験(Japanese Language Proficiency Test(JLPT))は、日本語を母語としない人の日本語能力を測定し、認定する最大規模の試験として1984年から実施され、20年以上の歴史があります。
毎年、7月と12月の2回に実施され、1年に2回しかチャンスがありません。
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レベルとしては、N5からN1にかけて難しくなります。英検に例えると、
N5=英検4級
N4=英検3級
N3=英検2級
N2=英検準1級
N1=英検1級、です。
私は、2018年7月に英検1級を取得しましたが、日本人にとっては、英検1級は相当困難なハードルだと思います。
しかし、ミャンマー人のなかで、現在、N5からN3までを1年間で取得する人が増えています。
ちなみに、N2からは難易度が一気に上がります(英検と一緒)。
そのぐらい、日本に行きたいという切実な思いがあります。
桐島の問題意識 Kirishima's awareness of the issues
さて、私も問題意識としては、
多くの若いミャンマー人の日本語学習者は、必死で勉強しています。
これは、このミャンマーという国を一刻も早く出たいという、プッシュ要因(push factor)によるものです。
しかし、これでは学習のモチベーション(learning motivation)を維持するのは難しいです。
それは、学習というのは、「関係志向=他人につられて」で進めると、学習内容の重要性が低く、学習の功利性も低い状態のために、日本語がうまく身につかず、モチベーションも長続きしないためです。
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多くのミャンマー人学習者に、質問を投げかけてみます。
●日本に行ったら、何がしたいのか?
●どの大学、専門学校に行きたいのか?
●将来の夢は何か?
と、、、
すると、大半のミャンマー人は、答えを持ち合わせていません。
こんな状態で、日本語の学習を開始して、続けること自体が、私からするとあり得ません。
ヤンゴンのレーダンの日本語学校を何校か回っていて、現場に潜む問題に気づきました。
解決策 Solution
そこで、解決策です。
日本語学校で、生徒が日本語の学習に入る前、または、入った間もない段階で(N5をクリアした段階あたり)、以下で実施した講義と同様の講義をして、今後の10年間の夢や目標を描いて貰います。
この考えは、稲盛和夫さんの「生き方 人間として一番大切なこと」に発想を得ています。
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稲盛和夫 「生き方 人間として一番大切なこと」
日本経済は、決して順調とは言えません。
日本は課題先進国として、課題が山積みです。
そのようななかで、日本語を学んで、日本のことを理解して貰うためには、2004年に出版され、中国、台湾、韓国、ロシア、リトアニア、スペイン、ポストガルという世界各国で翻訳出版されている、日本で一番尊敬される経営者、稲盛和夫さんの「生き方」の考えを理解することは、非常に意味のあることだと思います。
私は、大学院修士課程でボストンに留学していた際も、なぜか自主的に、稲盛和夫さんの同書の英語版を5冊購入して、4冊を仲の良い友人にプレゼントして、読んで貰いました。
ミャンマーでも、日本語版を既に10冊、関係者にプレゼントしました♪
ちなみに、2023年の週刊ダイヤモンド1月7日/14日号の特集によれば、社長や会長100人が選ぶ名経営者で、稲盛和夫さんが25票を獲得して、圧倒的に1位になっています。
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その際の紹介文として、以下の記載があります。
1959年に京都セラミック(現京セラ)を創業した稲盛氏は72年に東京証券取引所に上場を果たす。84年には第二電電(現KDDI)を創業して通信事業に参入した。
政治とは距離を置く大企業の経営者とは対照的に、稲盛氏は自由民主党に代わる野党の必要性を訴え、08年の民主党政権自立に大きな役割を果たした。10年には経営破綻した日本航空(JAL)に単身乗り込み、短期間で奇跡といえる業績のV字回復を果たしている。
稲盛氏が経営の神様と評される理由は、そのユニークな経営哲学にある。代表的なものが「フィロソフィ」だ。「人間として何が正しいのか」という原理原則を経営の指針に据えた稲盛氏は、組織が大きくなるにつれ、自分と同様に全身全霊で経営に参画してくれる”分身”の必要性を感じた。
そこで、自分の考え方、判断基準、価値観をまとめたものがフィロソフィである。これによって全社員が稲盛氏と同じ価値観を共有できるのだ。
また「アメーバ経営」も有名である。組織をアメーバ(細胞)に見立て5~10人の小集団に細分化し、それぞれにリーダーを置いて独立採算制で管理。社員全員の経営参加を目指す仕組みだ。創業者としての大きな業績に加え、独自の経営思想や手法が稲盛氏を名経営者たらしめている。
人間としての正しい考え方
「生き方」には、大切な考え方が目白押しです。
しかし、なかでも私が、重要だと思うのが、以下の方程式です。
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これは、足し算ではなく、掛け算であることがポイントです。
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人生や仕事の結果は、考え方と熱意と能力の3つの要素の掛け算で決まります。
このうち能力と熱意は、それぞれ0点から100点まであり、これが積で掛かるので、能力を鼻にかけ努力を怠った人よりは、自分には普通の能力しかないと思って誰よりも努力した人の方が、はるかにすばらしい結果を残すことができます。これに考え方が掛かります。
考え方とは生きる姿勢でありマイナス100点からプラス100点まであります。考え方次第で人生や仕事の結果は180度変わってくるのです。
そこで能力や熱意とともに、人間としての正しい考え方をもつことが何よりも大切になるのです。
行動を起こす Take an action
18~23歳の若いミャンマー人で、日本語の学習をやる気になっている人は、スポンジのように新しい考え方を吸収できると思います。
しかし、日本語学校側で、学習者の将来を見据えるという考え方(attitude)が無ければ、問題は解決しません。
そのため、私としては、以下のような手順で、汗をかきながら進めていこうと思います。
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See you soon.