書評 雪の女王~あなたの中の鏡のかけら~
ある日のこと、悪魔はひどくご機嫌になっていました。というのは、この悪魔は全く不思議な力を持つ1つの鏡をつくったからでした。その鏡には、よいものや美しいものがうつると、たちまちそれが、まるっきりつまらないものになってしまうのです。ところがその反対に、やくにたたないものとかみにくいものなどは、はっきりと大きくうつって、なおさらひどく見えるのでした。
そこで悪魔はこの鏡で天使や神さまをからかってやろうと思い、天界に持っていきます。しかし悪魔は鏡を落としてしまい、鏡は小さなかけらとなり世界中に撒き散らされてしまいました。
人によっては、小さい鏡のかけらを、心臓に受けてしまった人さえありました。そうなると、本当に恐ろしいことでした。その人の心が、氷のかたまりのようになってしまうのです。
このかけらが心臓に入り雪の女王に魅せられ街からいなくなった男の子カイとカイを探す旅に出た友達の女の子ゲルダのお話です。旅の途中で出会ったのは…
ゲルダと一緒にいたい為にカイを忘れる魔法を使った老婆。
美しいお伽噺や歌を歌うが自分の知っている事しか話さない美しい花。
自由よりも老後のために宮中カラスという地位を希望したカラス。
地位や持ち物ではなく己を見てほしい女王。
そんな女王に惹かれた王子。
友達のトナカイを首輪で縛り付け、毎晩ナイフで脅すどこか悲しげな目をする山賊の娘。
ゲルダに雪の女王を倒す力を与えて欲しいとおばさんに頼むトナカイ。
美しい凍った湖をこの世にただひとつしかない優れた知恵の鏡と呼び真ん中に一人で座り続ける雪の女王。
この物語ではカイ以外の登場人物に鏡のはへんが入ったとは書かれていません。
人はみんな、自分の事ばかりを見てしまうものです。
自分が一番可愛い。
自分が一番可哀想。
自分が一番・・・。
この鏡にそんな自分はどのようにうつるのでしょうか?
そして、トナカイにゲルダへの力を求められたおばさんは何と答えたのでしょうか?
まだまだ、この小さなガラスのかけらは、空中を舞っているのです。
あなたの心にも鏡のかけらはありますか?
そんなことを考えさせてくれる作品です。
執筆 Asami
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