【書評】『諦める力 〜勝てないのは努力が足りないからじゃない〜』
私の父はスーパーマン。仕事では慕われていて、日曜大工から料理まで、家にまつわることも何でもできるし、何でも知ってる。小さい頃は、「この世の中で父に知らないこと・できないことはない」と思っていた。
弟もまた、勉強もスポーツもでき、優しい性格の上に外見もよく、すごくモテた。
そして、母は趣味を生かして働いていたが、家事もきちんとこなす「良いお母さん」だった。
だから、私がいろいろできないのは「努力」が足りないからだと、本気で思っていた。いつも何かが不足している感じがして、生きることはなんてしんどいことなんだろうと思っていた。
この本を手に取ったきっかけ
30代に差し掛かった頃、会社の同期との間でも職責の差が出てきていた。私は遅れている方。強い焦りと不安感。このままじゃいけない(今となっては、なぜ「いけない」のか不明)、でもどうしたらいいか分からない、と悶々としていた。
そのような時に見つけた本。どのようにして見つけたのかは忘れてしまった。
トップアスリートが「諦める」と言っていることに強い興味を覚えた。
為末さんの、優しく諭すような語り口。「はじめに」を読んだだけで救われた気持ちになり、即購入。
「やめる」ことは「選ぶ」こと
今の僕にとって、何かを「やめる」ことは「選ぶ」こと、「決める」ことに近い。もっと若いころは「やめる」ことは「諦める」こと、「逃げる」ことだった。
多くの人は、手段を諦めることが諦めだと思っている。だが、目的さえ諦めなければ、手段は変えてもいいのではないだろうか。
やっぱり、何かを成し遂げるはじめの一歩は「やめる」ことなのか!
私の直感がそうさせているのか、最近手に取る本、ことごとく「やめる」ことについて書いてある。
言語化し自分に問い続ける
「100メートルを諦めたのは、勝ちたかったからだ」 ー中略ー 「勝つことを諦めたくないから、勝てる見込みのない100メートルを諦めて、400メートルハードルという勝てるフィールドに変えた」つまりは、自分の腹にある本心を言語化することができたのである。「勝つことを諦めたくない」 そう、僕は「AがやりたいからBを諦めるという選択」をしたに過ぎない。
自分の思いの原点にあるものを深く掘り下げていくと、目的に向かう蜜が無数に見えてくる。道は1つではないが、一つしか選べない。 ー中略ー 何一つ諦めないということは、立ち止まっていることに等しい。
「やーめた」と一瞬でやめるのではない。なぜ「やめたい」のか。「やめたほうがいいのでは」と思っているのか。自分の気持ちを一つ一つ言語化し、掘り下げていく。原点にたどり着くまで。
為末さんはコーチをつけずに自分で自身のコーチをされていたこともあるそう。
ライター兼編集者のような感じかしら。常に2つの視点で見ているからか、為末さんの言葉は論理的ですっと頭に入ってくる。
全力で挑む
人間は本気で挑んだときに、自分の範囲を知る。手加減して飛べば本当はどのくらい飛べたのかがわからない。
全力で試してみた経験が少ない人は、「自分ができる範囲」について体感値がない。 ありえない目標を掲げて自信を失ったり、低すぎる目標を立てて成長できなかったりしがちである。転ぶことや失敗を恐れて全力で挑むことを避けてきた人は、この自分の範囲に対してのセンスを欠きがちで、 ー以下略ー
私がはじめて「本気」になったのは、高校生の時。行事に本気で取り組む学校で、先輩から「己の限界を超えろ」と言われ続けてきた。
先輩は、一度も「なんであんたはできんの?」とは言わなかった。ただいつも「それがお前の限界か?」「昨日の自分と比較しろ」と問われ続けた。何度も「限界」を感じ、もう無理と思った瞬間、世界が広がるのを何回も体験した。
それまでは、失敗が怖くていつも手に届く範囲で生きてきた私。多感な時期に、自分を受け止めて、「本気」の私を受け止めて、笑わず、励ましてくれる環境に出会い、自分の「限界」ギリギリを知る体験ができたことで、私の人生は大きく好転した。
「魅力ラボ」に入ったきっかけもそう。自分を全力で受け止めてくれる環境で、自分を試したかったから。
まとめ
「諦める」とはそこで「終わる」とか「逃げる」ということではない。「やめる」ことは「未来」に向かって人生を「選択」すること。達成したい「目的」のために、手段を「選択」する。そのために、常に自分の人生の「目的」は何かを考え・気持ちを言語化する。目の前に事に全力で取り組む。 ーーー自ずと、自分の行く道が明らかになってくる。
諦める力 〈勝てないのは努力が足りないからじゃない〉
為末 大
執筆:Midori
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