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恋人が盗撮で捕まったらどうする?-『恋とか愛とかやさしさなら』読了


はじめに

一穂ミチさんの『恋とか愛とかやさしさなら』を読みました。

主人公の新夏はカメラマンの仕事をしている。ある日、友人の結婚式の撮影が終わった後、恋人に呼び出されプロポーズを受ける。
幸せな気持ちで家に着き、眠りに落ちる。朝電話の音で目が覚めると、婚約者が盗撮で捕まったと言う電話だった。

主人公はなぜ婚約者がそんなことをしたのか全く理解できなかった。しかもこの事実を知って、主人公は自分がどんな気持ちになっているかも、わからなかった。

わからないから理解をしようとする話、です!

読み始める前、このタイトルに続く言葉はよかったなのかなと思った。
読み終わった後、結局どの言葉が続くのかはわからなかった。

みなさんはどんな言葉が続くと思いますか?

①みどころ:登場人物の考え方

それぞれが"知人・恋人・家族が盗撮で捕まったら"ということに関してバラバラな意見がありました。
・旦那が不倫を繰り返している友人からは盗撮ごときで別れるなんてもったいない。愛情は、総合的な判断と言う。
・恋人の母親からは示談で済んでよかったと言われる。
・家庭持ちの恋人の姉はありえないと絶縁状態。別れたほうが良いと主張。

いろんな意見の中でも主人公・新夏の上司のカメラマンの考え方がよかったです。この人にしか思いつかない考え方なんだろうなあと思ったし、表現の仕方が印象に残ってます。
みどころなので是非買って読んでほしい↑

②みどころ:主人公のきもち

主人公・新夏は自分の気持ちがわからないところからスタートして、薄れた愛情を情で支えてるのかもとか、なんでわたしのために盗撮を否定してくれなかったんだろうとか、盗撮に成果があれば正当化できるよなとか、葛藤の描写が多いのが見どころ。この葛藤の表現すごいなあ…って思ったのがたくさんありました、一穂先生すごすぎます

さいごに

婚約者の気持ちを知るために、理解するために、とある行動を主人公はするんですけど、ちょっとびっくりでした。
前半は女性目線で、後半は盗撮をしてしまった婚約者目線で物語が進みます。前半のラストが読む人によってはいろんな感情になる気がする!

ぜひ手に取って読んでみてください!装丁もキラキラですごく好きでした


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