50歳で転職してパワハラ受けて3ヶ月で退職した話
50歳で子どもが3人いて一番下の子はまだ3歳だし嫁さんは学生なのに仕事を辞めて転職してみた。
それだけでもリスキーなのに転職してたった3ヶ月でまーた仕事を辞めてしまった。
やべえ。やばすぎる。
転職で選んだ仕事はまったくの未経験業種で実に楽しかったのだが、残念なことに上司によるパワハラが我慢ならず退職を決意。
我ながらパワハラごときに屈するとは情けないと思うがパワハラはムカつく。
これから書くことは個人的な問題で単なるムシャクシャなので、あまり読んでも面白くないかと思うがせっかく貴重な体験をしたのだから書いておきますよ。
【登場人物】
私:51歳射手座AB型スポーツ経験ゼロソフトデブのハードハゲ
上司A:55歳業界経験長い。かつてはスポーツ選手としてチヤホヤされた過去があるらしい。独身一人暮らし。基本的に昔話しかしない
(上司B:40代?今回この人については書かないが、職人気質で技術至上主義の上司で、入社したばかりでまだ技術も知識もない私に対してかなりハードな対応をしてきた。苦痛ではあったがこのタイプはこちらが技術と知識を身につけると当たりが柔らかくなるので時間の問題だと認識して放置)
「お前はなにも考えないで仕事をしているから手が遅くなるんだよ。職場の全員がお前の仕事の遅さにウンザリしてるんだよ。それをちゃんと自分で認めて仕事をしろよ。申し訳ないと思えよ」
退職を決意するトリガーとなった上司Aの言葉。
ちょーウケる。
相手に対するリスペクトがなさすぎてちょーウケるんですけどー!
この3ヶ月はこんな言葉ばかりを浴びる日々であった。
初めのうちは面白がっていたが、それが3ヶ月続くともう面白くは感じなくなっていた。
この上司Aはともかくよく喋る人。
入社した当初からよく話しかけてきて、始めのうちは私が早く馴染めるように気を使ってくれているのかと思い好印象だったが、一週間もしないうちに
「このおっさん、ちょっとズレてるな」
と思うようになった。
とんでもなく上からの目線で私に対応するのだ。
50歳過ぎのおっさんがまったくの未経験で入ってきて、ひたすらに頭(こうべ)を垂れてなにを言われても「はい!」「はい!承知しました!」「申し訳ございません!」と反応し汗だくになって作業している姿を見て、「哀れな中年男性」という像が浮かんだのだと思う。
「考え方を教えてやる」
「生き方を教えてやる」
「遊び方を教えてやる」
モードで私に対応してくるようになった。
(いやいや、半人前なのは仕事の場面だけで、人生は50年以上やってるので考え方とか生き方とかはそれなりの論を持っていますし、生き方についていきなり職場で出会ったおっさんの意見を参考にすることはありません。
そして遊びは自分独りでやってください。私は群れて遊ぶのが嫌いなのでこちらを巻き込まないでください)
と心で念じてみたが通じることはなかった(笑)
週末が近づくと「飲みにいく?」と誘ってくるがこちとら絶賛子育て中なので飲みにいく時間などあるはずもない。
何度断っても今度は「週末に釣りに連れてってやるよ」と懲りずに誘ってくる。
子育てで毎日忙しくしていることは話しているのだが、それを考慮するのはむずかしいのだろうか。
というか、上記のような罵詈雑言に近い言葉を吐く人間と遊んだり飲みに行きたいわけないだろうが。
実に興味深いというか人間の奥深さを感じてしまったのは、この上司Aの脳内にはまったくの悪意はなく、キラキラとした「善意」しかない、ということ。
まあ「正義」とも言えるだろうな。
自分が完全なる正義で、キラキラとした善意をもって哀れな中年男性を正しい道へ導いてやろう、というスタンス。
なのでスーパー上から目線で薄い人生論を語ってくるし、仕事中は罵詈雑言のような言葉を吐きながらも昼休憩には飲みの誘いをしてきたりする。
「この人は微塵も自分に非があるとは思っていないんだな」
そう考えるとほんとに面白い。いやパワハラは腹が立つけど面白い。
パワハラをする人は今までの人生で何人か出会ってきたけど、この人は突き抜けてレベルが高くパワハラのされ甲斐がある。
結果3ヶ月もこの人のパワハラに付き合ってきたのは、この人が「完全なる悪人」ではなかったから。ただなんというか、本人のアンテナのようなものが壊れていて、相手がどんな気持ちになるのか、どんな気分になるのかが感知できなかっただけ。
昼の休憩の時に同僚の男性が「(上司A)は家に帰っても誰も話す相手がいないから、職場で異常にコミュニケーションを取ろうとするんだよなー」
と話していて、なるほどなあと納得してしまった。
ある種の「寂しさ」のようなものがこの上司Aにはまとわりついているのだと思った。
寂しさを解消するために部下に対して過干渉をしてしまう。
そう考えると悲哀のようなものを感じてしいまい、一度はこの上司Aを許したのだが、上記のような罵詈雑言を受けて自分が切れてしまい、結局は退職することとなった。
この話には意外なオチがある。
この上司Aは、つい数ヶ月前に部下男性からパワハラで訴えられて降格していた。
さらに私が勤務を始めた後からこの上司Aのチームに入った女性は、勤務中に過呼吸になり倒れ、その後退職した。
この女性になにが起こったのかは聞いていないが、想像するのは容易い。
私と同じように毎日罵詈雑言を浴びせ続けられて精神的にまいってしまったのだろう。
パワハラで訴えられて降格したにも関わらず私に対するパワハラがおさえられなかった。というか自分がやっていることが何なのか理解できないのだろう。
一昔前なら上記のような罵詈雑言も「愛のムチ」とか言われみんなで笑っていたのだろうが、時代は流れ変わっていく。
その変化をしっかり自分のアンテナでキャッチしないと晩年を汚すことになる。
常に自分の切り口を新しく新鮮に保つことの重要さを学んだ。
まあそんなことがあってせっかく新しい仕事に就いたのに退職してしまった。
また新しい旅が始まる。
早いとこ次の就職先探さないと!