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【読書連想文】コンビニ人間(2016)

今回から読書感想文を改めて読書連想文とします

私は本の解説とか書評とかマトモな感想文を書く気はさらさらなく、本を読んだことによって自分が連想したことを自分勝手に書くくらいしか脳がないからです😂客観的な観点というのは相当ないと思いますし、それでいいと心の底から思っています😂

(「読書感想文」のタグをつけたら、自動的になんかのキャンペーンに参加している体裁になったのも心地悪かった😬)

今回も前回と同じお友達から借りた本です。私より9歳下の村田沙耶香という作家が芥川賞を取った作品だそうから読んでみてもいいくらい(上から目線失礼🙇)の消極的な気持ちで読み始めました

比較的短めのなのでほぼ一気読み

主人公の古倉恵子という30代女性も、しばらくして登場する白羽という男性も、私が言うのもアレですが、まあ、二人ともアタマがフツーでない方向にイっているのは間違いありません(それが悪いとは言っていない)

しかし私がより違和感を感じたのはその他のいわゆるフツーの人たちです

思いがけず古倉恵子と白羽の間で婚活のようなものが始まるのですが、そうなっているらしいとフツーの人たちが気づくと彼らが突然干渉してきます。それまでは自分たちの世界から変人もしくは異物として排除してきたのに、急にあたかも仲間であるかのように近づいてきます

他人の婚活話に興じるために

誰からも頼まれていないのに他人のプライベートやその人のあり方に口を出すために

結婚とか恋愛経験とか性体験とか、そんなのはとても個人的なことだから人にいう必要も、訊かれたからといって答える義務もないことなのに

白羽曰く

誰にも迷惑をかけていないのに、ただ、少数派だというだけで、みんなが僕の人生を簡単に強姦する

文春文庫 p90

大袈裟でしょうか?いや、私は白羽のこの主張(だけ)には全面的に賛成できます

自分の最もプライベートな場所に触ってきたり何かを突っ込んできたりされたら襲われたと思うのが普通でしょう?

次に気になったのが「正社員」へのこだわりです

4年前に日本に行ったときのこと。私は便宜上の理由で某国に帰化したペーパー外国人なので、入国許可のフォームに身の上のことを書かなければいけませんでした。そのときの「職業」という欄

やけに狭い欄である上に、自分の職業って日本語でどう言うの?と思い始めたらすごくめんどくさく感じて、自分の職業名に含まれる短めの単語をひとつだけ某国語のまま書いて済ませたのですが

数日経って、悟りを得たかのように、急に理解できて全てが繋がりました

某国で職業と言えば、食べていくために何して生きてますか、ということをきいています。正社員であろうが、契約社員であろうが、事情があって今は仕事をしていなくても、コンビニ店員で食べている・食べてきたのなら、職業はコンビニ店員です

ところが、日本で職業は?ときかれたら、医者とか弁護士といったエリート職種以外の場合は会社員ですとか、アルバイトですとか、無職ですとか、つまり職業ではなくて就業形態のことをきいてるんだったの、忘れてたことに気づいたのです😂

そして会社員なら正社員が一番エライというヒエラルキーがあるのですよね⁉️

でも古倉恵子はかなりクオリティの高いコンビニ店員ですよ?

私は若い頃にスーパーの店員のアルバイトをしたことがあって、コンビニ店員と同じではないけれど、けっこう似た仕事だと思って、わかったような口を利いています😂

某国に住んでいると、スーパーでは商品の顔出しという概念すらなく、セルフチェックアウトのレジで買い物かごが何個も重なって置いたままになっていても、店員はな〜んにもしないで暇そうにしている、もしくは他の店員や知り合いの客といつまでも私語してるというのが普通。自分も経験したことだから言いたくなりますよ、何もしないで突っ立ってるより、店内がいつも片づいているようにちまちま体を動かしていたほうが時間がはやく過ぎる上にありがたがられるってわかりきったことなのに、それをしないって、私って無能ですって自ら宣言しているようなもんじゃ?(←普段はあまりこういうことは思わないようにしてます😂)

某国に四半世紀以上住んでいて、古倉恵子のようなデキる店員に会ったことは一度だけです(明らかに某国人ではなくて中近東方面からの移民の方😂某国人には無理なレベルで優秀だった😂)

プロのコンビニ店員で、表面的に他人に合わせるという社会人としての技も習得し、贅沢な暮らしからはほど遠くても自分はさほど不自由を感じることなく、自立して生活できている古倉恵子さん、全く問題ありません。むしろ優秀です

一方で、古倉恵子のさほど親しいというわけでもない「友人」の夫が結婚しないのはおかしいとか、この歳でアルバイトなんてとか、これから先困るよとか、これほどまでに薄い関係でしかない分際なのに平然と他人のことにケチをつけてくる人のほうがよっぽど身の程知らずで、アタマも絶望的におかしいです

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