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【読書連想文】ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。(2009)
私は人生で最も輝かしいはずであった青春時代を完全なうつ状態で送ったため、友達がほとんどいなくて、大学には行ったが合コンに行ったことは一度もなく、この小説で描かれているような女同士の妬みや虚栄の張り合いみたいなものとはあまり縁がありませんでした
文庫の帯に「この小説で救われた、という声をもらうたびに」とありますが、私にはこの小説に出てくる女性すべてに嫌気が差して、最後にはいい展開を読ませてもらえるんだろうなと期待しながらも、その最後のいいところに来るまでが長かったです😂
アマゾンのレビューで、出てくるのが女ばっかりだというのがありましたが、私もそれを思いました
主人公の神宮司みずほも含めて、私には接点のない世界だと。私も女なんですが😂
そして、当時は自分は社会不適合者なのでダメ人間だと思っていましたが、本作品を読んで気がつきました。私は社会不適合者であったからこそ、女同士のくっだらない噂話や見栄の張り合いやお世辞の言い合いや無意味な競争からも外されてきた結果、そういうイヤ〜なものから隔離されてここまで生きてこられたのだと😂
登場人物たちはなんでウソとかそれに近いことをいちいち言うのでしょう。私は自分のホラ話をいつまでも覚えていて後で辻褄を合わせられるほどアタマがいいと思っていないのでウソをつくのはめんどくさくて無理と思ってしまうのですが、この人たちは自分はどうにかなるって思っているのでしょうか(わからん)
あと、どうでもいいと言えばどうでもいいのですが、男女が共同生活をしていて、女性の方がたった数日留守にしただけでコンビニから買ってきて食べた残骸を片付けない、脱いだ服とかが家のあちこちに散らかっているって、男だと許されるんですか?女はしょうがないな〜とか言いながらこういうの全部片付けてあげるのがフツーなんでしょうか
私は絶対に嫌です😂百年の恋もそこで冷めると思います😂
ゴミが出たらゴミ箱へ、洗濯物は洗濯カゴへって、どうせ狭い家に住んでいるくせに(←私の妄想、でも絶対に当たってる😂)そんなに大変なことでしょうか
トイレに行って💩が出たらトイレットペーパーで自分で自分の尻を拭くくらい当然なことです
みずほの母親が毒親ならもうひとりの主人公チエミの母親も(無自覚の)毒親です
そして共通の「友達」である政美の母親も毒親らしく、これは言い得て妙
よくうちのお母さんとケンカすると、あの人『素直じゃない』って言葉を使うんだけれど、私はそれを言われるたびに『素直』って何だよムカつく。私は私の心にきちんと『素直』なのに、お母さんの言う『素直』はあの人にとって都合のいい『素直』なの。思い通りにならないってことを、こっちの責任にして怒るんだよ
これと全く同じことを私も父に小学校高学年くらいから感じてムカついてました😂
子を自分の都合のいいようにコントロールできないと、子を悪者にして自分は癇癪を起こすというのが毒親の習性です😂
でも、本作品中ではなぜか父親の影が薄いのです🤔現実では母親だけが毒親で父親はマトモということはほぼあり得ないと思いますがね🤔
アマゾンの例のレビューのとおりに女のウダウダがメインの話だと思って464ページ読んできて、チエミの母親が「〇〇でも、いいから」と言ったときに、私は突然息が苦しくなりました
こんな毒親でも、チエミのことを守りたいという気持ちには偽りがなかったのだろうなと
最後に解説で作家の島本理生が「男同士の友情を、真の友情と呼ぶならば、女同士のそれは、とうてい友情とは呼べないかもしれない」と書いていますが、私は男って基本的に孤独だと感じています。某国のある層では男同士で連れ立ってパブに行って飲んだくれる文化があって、一見腹を割った関係に見えるかもしれませんが、どんなに社会的地位が高くても低くても、みんな自分が一番かわいくて、いつも自分が社会的ランキングのどこにいるのかを気にして、人にバカにされたくない気持ちは基本的にだれでも同じくらい強くあると思います
女性の友情はめんどくさそうだけれど、男性の友情ってめんどくさい以前にそもそもあるの?と私は思ってます