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いじめられっ子からプチスターに

あれは忘れもしない中2の秋の催し物。
自作の1発芸とギターでユニコーンがカバーしたverの東京ブギウギを下手なギターで一生懸命カバーしたこと。

大勢の前でギターを弾き、歌うのはかなり緊張した。
にわかに人気が出た影響かイジメの頻度は3割減り、1発芸を求められることもあった。

人生で1番人にチヤホヤされた時期だったかもしれない。
ラブレターは貰えなかったけれど、バレンタインチョコを2つもらうことはできた。

チョコをくれた3年の女子の先輩を家に誘ったら約5分で帰られてしまったのがトラウマだけど。
襲われるとでも思ったのだろうか?

チョコまで渡しておいてそりゃツレないよ。
と思ってしまった。
そしてその1件から先輩は声をかけてくれなかった。
フラれるのだけは異様に上手い自分はどうしたらいいかわからない。
この悩みは今も継続中だ。

2人きりの部屋で何を話せばいいか、とても緊張しすぎて頭が真っ白になってしまったのだ。
今なら質問攻め気味になるだろうけど、いくらでも話せることは話せるトークスキルを少しは身につけたのに。

一緒にいてほしい時に限って誰もいない。
毒親育ちで三兄弟の末っ子だと女性への免疫が全く皆無だ。
いきなり家に呼び出すのではなく、図書館か公園にでも呼べばよかったのにと今なら判断できる。

後悔先に立たず。 
これを実感した中2のある日のことだった。
先輩はとても優しくて、かわいい女の子だった。

歳を取れば取るほど学校生活に未練を感じてしまう。
青春は思春期に味わうからこそ極上の味がするのだ。

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