「痴愚神礼讃」(エラスムス)の完成度が高すぎた件
概要
15世紀の古典・聖書(ギリシア・ローマ)に精通した知識人※(おそらく…)が
ギャクみたいなノリで書いたら情報の濃縮度が高すぎる文章になった的な本。
人間心理、特にモチベーションの功罪を俯瞰的に捉えている。
ジョブスの "stay hungry, stay foolish" の真意が具体的に理解できるかも。
所感
着地点は「他人の愚かさをどこまで愛せるか?」という人類愛といったところか。
【愚かさ】を讃えるようでいて皮肉るというバランス感覚が心地良い。
琴線に触れた内容
・頭でっかちな学者や法皇のような立派な聖職者でも愚かしいSEX(快楽)の虜になるし、また、そこ(その行為)から生まれてきている。
・結婚後の苦労を事前に知っていたら、結婚なんてできない。
・いつの時代でも成功するのは有徳の士ではなく、居候、盗人、殺人者、詐欺師、ソープ嬢など肝の据わった奴らだ。
・死に際になっても、バカなことすることが気を紛らわせてくれる。
・独り苦虫を噛んでいるよりも、バカみたいにお追従を振り撒くことが周囲の人達を楽しくさせる。
以上