LoLにおける「思いやり」とは何か
久々にXを開いたらlol関連のポストでストリーマーの「しゃるる」氏のものが流れてきた。直近のメタに関して核心を突いた文章だと感じたので以下に引用しながら考察してみる。
結構ピックなんて何でも良い、インゲームちゃんとやってくれればみたいな話してる人達いるけど インゲーム真面目にやるなんて大前提の話だし俺はもっとバンピックフェーズで思いやりの心持って頑張った方がいいと思うよ
「思いやり」とはチームゲームのためのピックである
結論から述べると、「思いやり」とは少数・集団戦および想定されるゲーム進行に必要なピックである。
現在のメタ(2025 S1.3)では以前と比較して試合に勝利するためにチームとしての動きが要求される傾向が強いと感じる。少なくともその方がソロキャリーを目指すよりも実現可能性が高く効率的である。
原因は概ねヴォイドグラブとアタカンで、特にアタカンは得られる2種のバフ効果と経験値が非常に大きいため、試合の勝敗に寄与している。
サポートのピック順について
▷思いやりその1 サポートのピック順を下にしてカウンターを出させてレーンを楽にしてあげる
理由:主導権を取り相手のサポートより先に動ける(ワード置きに行ったりロームしたり)状態を作り出す為
サポートは現在最も重要なロールの一つである。
botレーンの主導権を争い、ソロレーンにロームし、ヴォイドグラブ(特に2回目)のファイトに参加し、オブジェクトサイドを中心に視界を確保し、集団戦のエンゲージおよびディスエンゲージ、バフやピール(チャンピオンによる)を担当する、etc.
明らかに他ロールと比べて要求される内容が多すぎる。人気ないのに。二回目のグラブと二体目までのドラゴンの取得可否はSUPにかかっているといっても全く過言ではないように思う。
そしてこの重要なロールはレーン段階においてTOPの次ぐらいにマッチアップに依存している。SUPのピック順は後ろに回してあげよう。
どこオプでサポートが回ってきやすいのも結構な問題だと感じる。マッチアップや勝つために有効な動き(視界確保や適切なロームタイミング)を知らないプレイヤーがオフメタや先出しノーチなんてやったら隣のADCとオブジェクトが欲しいJGが泡吹いて4ぬことになるだろう。
思いやり2,3,4について
▷思いやりその2 JGとBOTはピック順上に行って1か2番目にピックする
理由1:JGはカウンターを出されてもMIDTOPと比べると回り方次第で戦闘を避けれる為、因みにJGで後出ししようとするやつは弱いチャンピオンを使おうとしてる確率高めです 理由2:BOTは先出しをしてもサポートが後出しでカウンターピックや必要なピックをする事によってレーニングを成立させれる為
▷思いやりその3 JGがADをピックしたらMIDはAPを、JGがAPをピックしたらMIDはADをピックする
理由:オブジェクトファイトなどMIDJGラインでの序盤の戦闘がかなり重要でダメージバランスを分散させて特定の防具で対策されないようにする 例:MIDJGが2人ともAPの場合はMR靴を先に積まれるとダメージの通りが悪くなる
▷思いやりその4 BOTがピックしたチャンピオンと相性の良いサポートをピックする もしサポートが先にピックをした場合は相性の良いチャンピオンをピックする 大体の場合サポートが後から合わせるパターンになるが、サポートのチャンピオンプールが狭い場合(特定の系統しか出来ない)は上でピックしてBOTに合わせてもらう
理由:BOTレーンは基本的に2人で1つのレーン、相性が悪いと主導権を取れずに相手のサポートが動き回ったりレーンから破壊されてゲームにならない可能性が高くなる為
仰る通りでございます、王
思いやり5について
▷思いやりその5 4番目と5番目のピックに行った人はチームに必要な要素をピックする 例えばADが過多の場合はAPチャンピオンをピック、その逆も然り チームにエンゲージがない場合はエンゲージが出来るチャンピオンをピックする
現在ゲーム中後半にスポーンするオブジェクト(3体目以降のドラゴン、バアタカン、バロン)が非常に強力である。
バロンとアタカンは取得に必要なリソースが大きいため、大抵の試合で集団戦に大勝したチームが入手することが多いと感じる。
ドラゴンも災禍アタカンの影響で災禍バフを持つチームにとっても持たないチームにとっても相対的な価値が上昇している。
そのため現在のSoloQは大規模な集団戦を行って勝利したチームが強力なオブジェクトを入手し、その効果で次のファイトでの勝利やオブジェクトを得るというメタになっているのではないだろうか。
いくつか前のシーズンでは変更前のハルブレイカー(当時は単独行動時のみ有効な強力な増加ARMRがあった)を持ったイラオイやヨネがスプリットして5V5の集団戦を拒否してゲームを進行できたメタがあった。現在のメタではそういった試合は少なくなったように感じる。バロンの反対側にアタカンがスポーンしたり、各オブジェクトの効果が強力でギブするデメリットが大きくなったためだと思われる。
ゲームとしてチームファイト(少数戦を含む)の比重が大きくなり、エンゲージなどの集団戦を構成する要素の価値が上昇したように思う。
例えばTOPファイターでタンク相手にレーン有利を築いてもチームにエンゲージが無く、オブジェクト前の集団戦を有利なタイミング始められなかったり、逆に相手の強力なエンゲージで逆転されるような経験が今シーズンでは増えたのではないだろうか。現在エンチャンター+キャリーADCがbotメタの中心を占めていることで、エンゲージが他ロールに依存しているのもその傾向に拍車をかけているように見える。
これは個人的な経験だが、割と最近コグルル+キャリーMIDJG(なんだか忘れた)の構成で自分はオーンをピックし、味方JGもBOT中心にゲームをした結果、TOP以外全てが崩壊してFFしたゲームがあった。控えめに言って最悪なゲーム体験であった。ファイター相手のタンクは基本的につまらないレーンを過ごすことになる。致命的なトレードを避けてcsを諦め、タワーハグファームして相手に有利を渡しすぎないようにする。特に先出しTOPでは悲しみを背負ったロールである。こういった構成の時は他ロールはキャリーの自覚を持って丁寧にプレイしてもらいたい。
思いやり6について
▷思いやりその6 上記のような柔軟な対応が出来るピックプールが無いプレイヤーは1番目か2番目でピックする どうせ後ろで待っても決まったチャンピオンしか使えないんだから、あわよくばカウンター出されないようにしようとかいう浅ましい考えを捨ててください あなたのその考えでピック段階からチームは不利を背負います
あまり直接的な関係はないが、最近始めた知人とクイックプレイするためにアカウントを作って驚いたことがある。
現在新規プレイヤーのチャンピオン入手は以前と比べて大きく制限されている。レベルアップごとのチャンピオンカプセル入手は削除され、有料バトルパス報酬からもチャンピオンのかけらを入手する手段が失われている。Xboxゲームパスの継続的なサブスクリプションを除けば170のチャンピオン(現在)をアンロックする現実的な方法はほぼ無いと言って良い。知人はゲームパスを所有していたので問題なかった。しかし、新規プレイヤーやまだチャンピオンをアンロックしきっていないプレイヤーがランクをプレイした際、現在の状況ではマッチアップや構成を考えたピックができないのではないだろうか。(逆に言えばサブアカウントによるスマーフ行為の制限になっている?)
最後に
なぜこのポストが注目を集めたのか色々と考えてみた。一つは多くのプレイヤーがSoloQの比重がチームゲームに移っていることに気が付いているためだろう。JGオブジェクトやファーストタワーの獲得による力の偉業システムの導入からもそれは明らかだ。もう一つは「思いやり」という言葉がLoLで使われるのがなんだかシュールだからだ。内容はただ勝つために必要なことなのだが、それをわかりやすく伝わるようしゃるる氏が表現した結果だろう。私が始めた頃から既にさんざん(しばしば過大に)「闇のゲーム」と揶揄されてきた本作において「思いやり」という言葉が流行しているのは面白く感じるのだろう。
文章を振り返ってみて気が付いたことは現在SUP・JGのインゲームでの役割が異常に大きいことだ。もちろんJGはMIDの主導権がないとアクションを起こしにくいため3ロールは以前から重要だったが、現在のメタでは特にこの2つによってオブジェクトコントロール、ひいては勝敗が決しているように思えてしまう。
noteで文章を公開するのは初めてなので引用している部分など何かおかしい点や誤字があったら教えていただけると幸いです