見出し画像

野球塾の存在はありがたい!でも監督として1つお願いしたい!


1.野球塾の台頭はとてもありがたい

最近、野球塾に通う子も増えてきたと聞く。我々、ボランティア指導者の週末指導だけではどうしても教えきれない部分があるので、非常にありがたいなと思っている。
チームによっては「野球塾に行くのは禁止!」と言っているチームもあるそうだが、それは大人のエゴじゃないかなと思っている。
子どもの成長、という目線で見たときに、野球塾に行くことで間違いなくインプットは増えるし、練習量も確保できるのだから、やみくもに否定するものではなく、当然ありがたいものである。

2.野球塾との付き合い方

私は、少年野球チームと野球塾の関係性は、集団塾と個別指導塾みたいなイメージだと捉えている。
私自身、少年野球チームの監督をしていて、課題として感じるのがどうしても全体に均一の指導になる時間が多いことである。なんとか工夫をして、いわゆる「シートノック」のような「待ち時間が長い」練習は最低限にして、出来るだけボールに触れる機会を、と思っているが、それでも個々人の近くに行って手取り足取り細かいところを、というのは出来ないときもある。

これは、学校や集団塾と同じで、人数がある程度いる組織の中で、最大効率を出そうと思うとどうしても避けられない事態ではないだろうか。

一方で、野球塾だが、(もちろん色んな形態があるのは理解した上で)少年野球チームよりも少人数で、求められるものもスキルアップと明確なので、その子の課題に合わせた練習・トレーニングが積みやすい環境にあると考えている。コストは掛かるだろうが、成長につながる可能性の高い練習に触れられるメリットがあるだろう。

3.野球塾の方!ぜひもっと一緒にコミュニケーション取りましょう!

そんな良い環境である野球塾の方に要望したいのが、
「是非、チームともっとコミュニケーション取りましょうよ!」ということだ。
せっかく、子どものためを思って教えているのに、話を聞いていると
「少年野球の指導を否定」するような方がいらっしゃったり、
「塾での教えを貫け!」とおっしゃっている方がいたりと、
そこは不安だなあと感じる。
どちらが正しいか、間違っているか、ではなく、子ども目線で見たときに
「A監督と、塾のBコーチで言っていることが違う」が一番困惑させるからだ。
※これはチーム内でもよく起こることですよね。気を付けないといかん。

もちろん、我々指導者側もどんどん勉強していかないといけないし、技術的には塾での教えが正しいこともたくさんあると思う。
だからこそ、ぜひ「今〇〇くんには××という風に指導しています」というのを、我々少年野球の指導者から塾のコーチへ、塾のコーチから我々指導者へ、相互のコミュニケーションを取るべきだと思う。

お互いの役割を補完しあいながら、平日の塾での活動・休日のチームでの活動をそれぞれ最大化していく、それが大人が真にやるべきことなんじゃないの?と。

4.耳にした実例を少し考えてみる

小学校6年生の子で非常に小柄なA君は野球塾で「将来のためにとにかく大きく振ること」を教わっている。
A君はチームでは2番打者を担っているが、フルスイングの姿勢を貫いている。
少年野球の指導者は「もう少しケースに応じたスイングを心掛けてほしい」とA君に伝えるが、A君は「野球塾でこう教わっているから」とその姿勢を曲げない。
そんな中、チームの目標とする県大会出場がかかる大一番、終盤の同点・逆転のチャンスにA君が打席に立った。
その日A君はフライアウトが2つ。ここで名誉挽回、一気にヒーローへ、という状況だ。
監督から出たサインはヒットエンドラン。
A君はいつもと変わらずフルスイングをし、結果は内野フライで最悪のダブルプレー。県大会出場はならなかった。

これは私が知人から聞いた話である。どう感じるだろうか?

監督として子どもたちを見ていると、子どもたちは良くも悪くもとても純粋だ。
後日談は知らないが、6年生ともなるとその試合の重要性は分かっている子も多いから、A君に対して「何を考えているんだ」と怒る「チームメイト」がいてもおかしくない。
それでバツが悪くなったA君が野球やそのチームを嫌いになる可能性も否定できない。

これは指導者と野球塾のコーチの責任だ。
お互いの指導方針の違いに対して、すれ違いがあることに気づきながらもその問題を解決しなかった。
もちろん、我々指導者もコミュニケーションを取るべきだろうが、個人的にはやはり塾で「プロ」として教えている「責任」をもって、ぜひ野球塾の方から積極的にコミュニケーションを取ってほしいなと思う。

念のためだが、0-100の話ではない。
新しい仕組みがどんどん動いているからこそ、お互いにしっかりコミュニケーションを取って、成果を最大化すれば、これから先もっといい指導・いい成長が子どもたちを待っていると思うからだ。
※それができないなら、私自身が野球塾を作ってみるしかないか…。

いいなと思ったら応援しよう!