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「愛しのマン・レイ」東京富士美術館 dokug(ur)a論的美術論
「愛しのマン・レイ」展に行ってきたので感想を書きます。
今回行った展示と概要
「愛しのマン・レイ」
東京富士美術館
開催期間 2025年1月11日(土)~2025年3月23日(日)
https://www.fujibi.or.jp/exhibitions/3202501111/
マン・レイ(1890-1976)は、画家、写真家、オブジェ作家、映像作家という多様な顔を持ち合わせた才能豊かなマルチアーティストでした。
「東京富士美術館コレクション マン・レイ」はじめに から抜粋
今まで見た展示の中で触れた印象から、マン・レイというとマルセル・デュシャンの友だちの写真家というイメージが強かったのですが、
「愛しのマン・レイ」展では、彼の写真はもちろんのこと、絵画作品、オブジェ、映像作品、彼がデザインしたチェスなど多岐に渡る作品が展示されており、
マルチな才能と実力を持つ芸術家なのだと知ることができました
愛する人をテーマにする
展示された作品の中で、特に私の目を引いたものはマン・レイが愛する人をテーマにした作品でした
当時の恋人のモンパルナスのキキを被写体とした「アングルのヴァイオリン」からは、彼女への愛着のようなものが伝わってきて写真の表現力を感じました
また、金持ちと結婚して自分を捨てた元恋人への感情で作られたという「天文台の時刻にー恋人たち」と「破壊されざるオブジェ」は、そのユニークさでマン・レイの代表作と言える気がしました
前者は空に元恋人のでかい唇が浮かび、後者はメトロノームの針の先端に元恋人の目の写真が貼り付けられており、未練と情が作品から滲み出していて面白かったです
感情は作品を生み出すエナジーですね
時代の人
彼の撮影した人物写真も興味深いものでした
マン・レイはデュシャン、マティス、ピカソ、ダリ等々、現代的な観点から見れば美術史に名を刻んだ錚々たる人々の写真を撮影しています
(「接吻」などで有名なブランクーシの写真もあったのですがなんとなく想像していた通りの見た目だったのでなんだかほっこりとした気持ちになりました)
ヴォーグでファッションの写真を撮って活躍してたり、TIMESの表紙に写真が使われたことがあったりと、
マン・レイは各方面でその時代の西洋美術の中心にいた人だったということが伝わってきました
まとめと補足
今回の展示は、芸術家マン・レイの多彩な側面を知ることのできるものでした
他にも、彼に関連する芸術家の作品なども展示されており、
マン・レイの生きた時代も知ることができる展示となっていたかと思います
ご興味のある方は是非訪れてみてはいかがでしょうか