イラスト化すれば暗記力アップ!は本当か?
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ほとんどの分野、業界で、イラストで憶えるとか、イラストで理解するといった類の入門書があります。で、手に取ってみると、
それほど、わかりやすいとは思えない
場合が少なくありません。その理由は、
イラストを使用して、有効なのは、その制度や条文の仕組みをイメージ出来るときだけ
だからです。ひどいのになると、全く本文の内容と関係ない、
かわいい動物のイラスト
とかが無意味に載っているものなどもあり、少なくとも、暗記や理解とは何の関係もなく、残念な仕上がりになっているものもあります。
それでは、自分で条文などを見てイラスト化すればいいじゃないかという発想はどうでしょうか?
その前に、そもそも、なぜ、イラストだと理解しやすいとか、記憶に残りやすいのでしょうか?そこを知っておかないと、無駄に時間と労力をかけるだけに終わってしまいかねません。
それは、イラストの持っている情報量の多さと、脳の処理の性質に理由があるんです。
百聞は一見にしかず
ということわざがありますけど、要するにこれのことなんです。例えば、ひったくりの現場に遭遇して、犯人の顔を間近で見たとします。警察官にその特徴を言葉だけで説明するとすれば、
大変な情報量だという事に改めて、気づくと思います。
絵にすれば、たった1枚の情報量です。でも、言葉だけで絵と同じ情報量を相手に伝えようと思えば、ビックリするほど大変なんです。コンピュータに詳しい人なら、全てのデジタルデータは最終的には数字として表現されていることを知っていると思います。そして、文字(テキスト)の情報に比べて、画像データが膨大な情報量だということも知っていると思います。しかし、人間の脳は
文字や数字だと、そんなに多くの情報を一度に処理できない
んです。左脳が右脳がというと、ややこしくなるので、その辺は置いておいて、大事なことは
イラストだと、膨大な情報量を一気に処理できる
というメリットがあるんです。だから、イラスト化すると、場合によっては、大きなメリットになるんです。そして、人間の記憶が強化されるのは、
感情を伴ったとき
なんです。特になるほど!という感情でインプットされやすいんです。だから、
百聞は一見にしかず効果
をイラストを使って、うまく引き出せば、暗記にも効果があるということです。ここまでがイラスト化のメリットです。当然、デメリットもあります。
イラストを描く時間と労力が、ヘタしたら、文字だけで憶えるよりもかかる
場合があるということです。さらに、
イラスト化して、特に理解しやすさも、暗記しやすさもない情報だってある
んです。それは
イラスト化して、初めて、イメージ化出来るかどうか
が分かれ目です。あそこのスーパーで大根が1本、100円だったよと、近所の人に聞いて、
「え?大根?何それ?」
と言う人はあまり、いないと思います。そんな情報を覚えるのに、せっせと、大根のイラストを描いている時間があれば、
さっさと買いに行く
わけです。つまり、頭の中でイメージできないことだけ、イラスト化を試みる意味があるということです。そうしないと、受験勉強の大半は
時間との戦いになる
ので、この視点は必須です。そのため、イラストは出来るだけ、理解の助けになって記憶に残りやすくするために必要であれば、描きますが、あまり時間をかけずに描かないと、むしろマイナスになってしまいます。ちなみに、大掃除の時に整理していたら、
過去に自分で描いた、理解するための汚いイラストが出てきて、
何のこっちゃ、わからなかった
ので、イラスト=わかりやすいとは限らないのだと、つくづく思いました。イラストがわかりやすいのではなくて、
わかりやすいイラストだと、わかりやすい
だけなんですね。
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