今年の記述対策をどうするか。
ここは正直な事を書きますが、記述式は毎年、採点基準が変わると思います。過去の受験者の証言によれば、おそらく間違いないでしょう。その理由は推測に過ぎませんが、2つ、考えられます。
一つ目は採点者が固定されていないからです。おそらく何人かいて、ローテーションしているか、年度によって、担当者が変わるんだと思います。そして、明確な採点基準がない。だから、年度によって、合格しやすかったり、そうではなかったりするのだと思います。
もう一つの理由は、行政書士試験が他の法律系国家試験と違って、絶対評価だからです。180点以上だと、合格します。そうなると、年度によってはやたらと合格者が多かったり、逆に少なすぎる場合が出てきます。択一だと、後から調整することは不可能なので、記述式の採点基準を、択一の合格ラインの者の数を出してから決めている可能性があります。そうすることで、毎年、概ね、1割前後の合格者数に出来るという仕組みです。
もちろん、こんなの憶測にすぎません。ただ、これだけは確実に言えます。
間違いなく、年度によって、採点基準は変わります。
それでは、どのように対策をすればよいのでしょうか?ここが問題になってきます。令和5年度は採点基準が甘い年でした。去年、受けた人は概ね、ラッキーだと思います(その分、択一の憲法などは難易度が高かったのですが)。
対策は大きく分けて、2つあると思います。一つは記述を除いた、択一と多肢選択問題で180点を超えてしまうことです。ここで、某肢別本だけ何度も繰り返すなどの方法をやってしまっている人は厳しいです。あれは論点駄々洩れ本なので、過去問をちゃんと解いた方がよっぽどマシです。それでも、肢別本を既に購入して、複数回、こなしている人がいれば、論点を補うために、他社の肢別本や過去問集を購入して、被っていない部分をすることです。そうすれば、それなりに補えます。それでも、年度によっては、当たりはずれが出ますから、記述抜きで180点超え出来ない可能性もあります。
そこで、2つ目の方法です。それは、部分点狙いです。近年の記述式問題は、一つの問題に問いが複数、用意されていることが多いです。
例えば、令和5年度の問題を見てみると、行政法の問題44では、
誰に対してどのような手段を取ることが有効適切か
という問いです。
誰に?
どのような手段を取るのか?
この2つの質問です。部分点を狙うなら、当然、誰にを答えるわけです。これなら、択一知識だけで十分、回答できます。最低でも5点ほど、もらえるはずです。
5点だけ?
そうです。これで合否を分けるくらい、択一でも点数を取らないと、話にはなりません。本当は、記述抜きで180点超えが理想で、記述の採点基準が厳しい時は、自分ではかなり書けたなと思っていても、
点数がつかない
こともあることが、受験者の証言でわかっています。
あとは、一応、記述式のセオリーがあるので、それは押さえておくことです。まず、自分では書けたと思っている人は、法律上の文章どころか、普段からあまり、論理的な文章を書いた経験がない人が多いと思います。論理的な文章とは何か?というと、
問いにストレートに答える
ということにつきます。余計なことは書かなくてよいから、問われていることをきちんと書かないと点にはならないわけです。これは採点基準が辛いと言われている年度の方が本当は
きちんと採点されているだけ
だと感じます。甘い年度の方が
それでこれだけ点数をつけるのか
という感じです。私も、その甘い年度で救われた一人なのですが、これは、本当にそう、思います。去年甘かったので、2年連続、甘い採点が続くかというと、ちょっと考えにくいのですが、もし、採点基準が変わる理由というのが、上記の憶測の後者であれば、
択一成績上位者の数次第
になります。つまり、本試験後しかわからない。だから、択一学習に力を入れた上で、部分点確実狙いをする。何より、
問いにストレートに答える
ことをオススメします。