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【徹底解説】不動産鑑定士試験の行政法規 おすすめ参考書と勉強法

不動産鑑定士試験の短答式試験において要となる「行政法規」を突破するための参考書と勉強法について、この記事ではご紹介します。
特に不動産鑑定士試験の短答式試験を独学で合格したいと思っている人にとっておすすめです。

短答式試験についは以下の記事をご参照ください。

不動産鑑定士試験における行政法規とは?

不動産鑑定士試験における行政法規とは、不動産の鑑定評価を行う際に必要な法律に関する知識を問う科目です。
実務における鑑定評価では、役所調査などで必要となってくる知識です。

※「行政法規」とは、「不動産に関する行政法規」を指します。

行政法規の試験時間・問題形式

行政法規は、5月中旬の日曜日に行われる短答式試験の1科目目(2科目目は鑑定理論)の試験であり、10:00〜12:00に行われます。

行政法規の出題範囲

不動産鑑定士試験の行政法規の出題範囲は、国土交通省より以下のように公表されています。

法律に応じて、重要度が違い、出題される分量も異なります。
例えば、令和5年の問題を例に取ると、建築基準法は40問中5問出題されますが、農地法は1問しか出題されていません。

次の①に掲げる法律を中心に、②に掲げる法律を含みます(関係する施行令、施行規則等を含む。)。
①:土地基本法、不動産の鑑定評価に関する法律、地価公示法、国土利用計画法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、建築基準法、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(建物の区分所有等に関する法律の引用条項を含む。)、不動産登記法、土地収用法、土壌汚染対策法、文化財保護法、農地法、所得税法(第1編から第2編第2章第3節までに限る。)、法人税法(第1編から第2編第1章第1節までに限る。)、租税特別措置法(第1章、第2章並びに第3章第5節の2及び第6節に限る。)、地方税法
②:都市緑地法、住宅の品質確保の促進等に関する法律、宅地造成及び特定盛土等規制法、宅地建物取引業法、自然公園法、自然環境保全法、森林法、道路法、河川法、海岸法、公有水面埋立法、国有財産法、相続税法、景観法、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、不動産特定共同事業法(第1章に限る。)、資産の流動化に関する法律(第1編及び第2編第1章に限る。)、投資信託及び投資法人に関する法律(第1編、第2編第1章及び第3編第2章第2節に限る。)、金融商品取引法(第1章に限る。)

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行政法規の問題の例

行政法規の問題は、主に、
①「正しいもの・誤っているもの」を選べという問題
②穴埋めの問題
の形式で出題されます。

①「正しいもの・誤っているもの」を選べという問題は、1つ選べや、組み合わせを選べという問題などがあります。
②穴埋めの問題は、主に法律の内容が問われます。

②穴埋めの問題正しいもの・誤っているものを選択する問題
穴埋めの問題

行政法規の勉強時間はどれくらい時間がかかるか

1つの目安として、ざっくりと最低300時間を見込みましょう。1日2時間勉強できるならざっくり5ヶ月は少なくともかかります。

行政法規は法律を暗記、暗記した内容やその解釈について問われます。
暗記が得意であれば比較的容易ですが、膨大な分量を覚えなければならず、1回覚えたとしても継続して復習をし、思い出す作業が必要となります。

自分の勉強の得意具合や確保できる時間から逆算し、できる限り早くから勉強をスタートしましょう。
※繰り返しになりますが、行政法規は短答式試験の要となる大事な科目です。

行政法規の参考書や勉強法

①教科書:不動産に関する行政法規 最短合格テキスト

まず、独学で不動産鑑定士試験の勉強をするうえで、必ず必要となるのが「教科書」です。

TACさんが出版されている「最短合格テキスト」が教科書としてはおすすめです。きちんと改訂されており、最新の法律に基づいて学習ができます。
また、不動産鑑定士試験のテキストにしてはかなり薄く、必要な情報がぎゅっと詰まっていることが魅力です。

この教科書をベースに、法律ごとに学習を進めていきます。
「最短合格テキスト」は、法律の項目ごとに重要度が設定されていることが特徴で、使いやすいポイントの1つです。

【最短合格テキスト の使い方】
①法律ごとに、赤字と太字に注意しながら全体をざっくり読み、さらっと理解をし、全体像を掴む。
②重要度がAAやAの部分を徹底的に読み、理解・暗記をする。
※問題演習に突入したら、必要に応じてテキストへ戻り、暗記すべき事項を確認する。

行政法規を勉強する際には、法律ごとの「目的」を押さえるように注意して勉強しましょう。やみくもに覚えていくのではなく、この法律は何のための法律なのかを理解し、その目的のために定められている事項として覚えていきましょう。
すると、必然的に覚えやすくなると思います。

②一問一答:行政法規(一問一答)

テキストで勉強したら、一問一答で演習します。行政法規はアウトプットがインプットと同じくらい大切です。
覚えた法律の内容をもとに、各選択肢が正しいのか誤っているのかを判断する必要があります。そのため、テキストを眺めるよりとにかく一問一答で徹底的に演習を繰り返すことが非常に重要です。

アプリ「行政法規(一問一答)」で、「法律をテキストで勉強→法律ごとに一問一答で勉強」を繰り返しましょう。
注意したいのは、テキスト全体を1周してから一問一答を解くのではなく、1つの法律を勉強したらその範囲の一問一答を解きましょう。

初めて勉強する法律は,細かい内容は置いておいて、S問題やA問題などの重要な問題を中心に演習します。(B問題以下は2周目以降に取り組みましょう!)

【初めて勉強する際のテキストと一問一答の使い方】
テキストで法律αを学習
→ 一問一答で法律αのS問題を解いて大枠を学習
→ 一問一答で法律αのA問題を解いて基本を学習

テキストで法律βを学習
→ 一問一答で法律αのS問題を解いて大枠を学習
→ 一問一答で法律αのA問題を解いて基本を学習

......

というように学習していきます。
全体を学習したら、AL演習を使って満遍なく復習するとともに、苦手な法律を適宜克服しましょう。

この学習の際に、特におすすめなのが、有料版の一問一答アプリです。
法律×難易度で、解く問題を絞ることができるので、先ほど紹介をした、難易度を絞るという勉強が簡単です。
また、到達度も一目見て分かるヒートマップ機能も搭載しているので、一周した後に何を勉強しないといけないのかも一目瞭然です。

※無料版アプリと有料版アプリの違いは、以下の有料版アプリ紹介記事をご覧ください。

iPhoneをお持ちでない方へ

Androidのスマートフォンやパソコンでお使いいただけるWEB版を公開しております。
詳細については以下の記事よりご確認くださいませ。

③過去問:行政法規(短答式過去問)[有料版]

一問一答である程度慣れてきたら過去問演習に入ります。どんなに余裕がなくても2月中、できれば年明けから過去問演習を始めたいです。
行政法規は過去問演習のやりこみ度合いが出来を左右します。自信があっても7年分を3周、目指せ5周くらいやり込みたいです。

行政法規の過去問は、行政法規(短答式過去問)[有料版]がおすすめです。iPhoneでいつでもどこでも演習ができます。
法律と難易度を絞って、「建築基準法のA問題だけ解く」などの絞り込み演習が可能です。また、機能「AL演習」を使えば自動で問題が出題されるので効率的に復習が可能です。

アプリについて詳細は以下からご確認いただけます。

※書籍で学習したい場合は、TACさんの出版されている「過去問題集 (上)」「過去問題集 (下)」が王道でおすすめです。

まとめ

とにかく行政法規はアウトプットです!
法律ごとに勉強をしてアウトプットを繰り返しましょう。同じ問題を何度も解いて、徹底的に正しい内容を頭に入れていきましょう!

行政法規を勉強するコツ

問題を解くときのコツ

各選択肢について、それぞれ、◯、△、✗を付けながら解くなどするのがおすすめです。
問題(過去問)を解く際は、必ず全ての選択肢を吟味してから解答を選ぶようにしましょう。

メジャー法令とマイナー法令

行政法規は、メジャー法令(出題範囲の①)かマイナー法令(出題範囲の②)かで、出題傾向がかなり違います。
メジャー法令は内容の深い理解が問われます。そのため、何度も一問一答や過去問を解いて、問題を解く慣れが必要です。(=アウトプットが重要)
一方で、マイナー法令は毎回同じことが問われる傾向があります。そのため、教科書を読み込むことが大切です。(=インプットが重要)

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