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夫婦W育休のススメ。

3月に第二子となる息子を出産して早4か月が過ぎた。
この間、育休取得中の夫と二人三脚で家事育児をしてきたわけだが、夫に育休を取ってもらって心からよかったと思っている。

大げさでなく、「こんなに幸せで穏やかな時間が私の人生に訪れるとは・・・!」と日々震えているのだ。

向き不向きがあると思うので全員にとは言わないが、できれば世の中の夫たちにも出来る限り育休を取ってほしい・・・!そして少しでも多くのカップルに、ゆとりある幸せの中で赤ちゃんというスーパーかわいい生き物を味わってほしい・・・!

そんな思いから、我が家の場合のW育休生活を紹介したいと思う。

1 基本情報

家族構成は会社員の夫(40代)、同じ会社で育休中の私(30代)、娘(2歳)、そして3月に生まれた息子(0歳)の4人。

夫は4月から本格的に育休を取得し、8月末までの5か月間お休みをいただいている。予定日より2週間以上早く生まれたため、3月中は育休ではなく有給休暇等を使いつつ、残務整理に数日間出勤して臨機応変に対応してくれた。

娘はこの4月から保育園に入園したが、新型コロナの影響で登園自粛が続き、まだ一度も登園していない。絶賛イヤイヤ期、トイトレ完全拒否のまま元気に自宅保育中。

ちなみに私は娘の育休中に妊娠し、そのまま第二子の産休及び育休に突入して今に至っている。

2 生活と役割分担

家事については明確に役割分担を決めていて、夫が食事作りと後片付けを担当し、私が掃除と洗濯を担当している。

そんな私たちの一日を簡単な図にしてみたのが下図である。

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図に書いたのはルーティーンな家事育児であって、実際はこれと並行して「娘と遊ぶ」のが朝から晩まで必須だし、「息子の授乳や泣きの対応」も定期的にある。だから白い部分イコール暇な時間とは全っ然ならないのは声を大にして言っておきたいところである。

それでも。

この白い部分の多さがそのまま精神的なゆとりになっているのは間違いない。詳しくは後述するが、大人が二人いることで家事育児に束縛されている感じがほとんどしないのだ。

家事の役割分担については、ありがたいことに夫から申し出てくれたものである。私は当初、一番大変だから料理は半々かな、掃除や洗濯は手が空いてる方がやって・・・くらいの曖昧な線引きを考えていたのだが、結果として明確に決めておいてよかったと思う。
仕事でもそうだが、担当が明確な方が責任感がわくし、効率もいい。夫婦といっても他人なので、毎日発生する面倒な家事を阿吽の呼吸で均等に分配するのは不可能だ。相手に必要以上に期待したり、勝手に失望したりしなくて済む。精神的に楽なのだ。

どう分担するかはそれぞれのカップルの適性で決めればいいと思うけれど、我が家がやってみて思ったのは、食事の準備は夫側が担当した方がうまくいくのではないかということだ。

というのも、料理・掃除・洗濯という三大家事のうち、いちばん時間を取られ、かつ融通がきかないのが料理なのだ。

赤ちゃんって、本当にいつ泣くかわからない。笑っているな、ご機嫌だなと思った直後にふぇぇぇぇぇ~~と泣き出す生き物である。
その対応を主にするのはオレだ!という覚悟があるのならいいけれど、少しでも自信がないのなら、ママがなるべく時間に縛られない家事を担当した方がいい。掃除や洗濯なら多少遅れても、なんならできない日があっても大丈夫だけれど、食事の準備は、特に上の子がいる場合は待ったなしである。赤ちゃんの相手をしながら食事の準備をするストレスはとっても大きい。そのうえ、生後2か月くらいからは授乳の時間もだんだん大人の食事の時間とかぶりがちになってくる。

それに、もし夫側が料理経験があまりないのであれば、育休は料理スキルを磨く絶好のチャンスでもある。
育休を取るのは子育て生活のスタートに過ぎない。約20年の子育てをこれからしていく中で、料理という生活していく上での最重要スキルを持たないのは、戦力としてゼロに等しい。仕事で言えば、事務職なのにパソコン一切使えません!というようなものだ。共働きの場合は絶対だけど、そうでなくても今後家族で協力して生活していくためには不可欠なスキルだから、ぜひここで習得しておいた方がいいと思う。

3 W育休の良いところ

次に、もう少し具体的にW育休でよかった!と思う点について言及していきたい。

(1)自分の時間ができる。

娘を生んだ後、育児で一番つらいことは何かと言ったら、私は迷わず「自分の時間がない」ことだった。
娘が寝ている間だけ自由になれるけれど、これはとても不安定な自由で、30分の自由なのか3時間の自由なのか、わからないのが曲者だ。
今日は3時間寝てくれたから1時間は趣味に回せたな・・・というのは結果論でしかなくて、実際にはいつ起きるかわからないので、家事が終わって時間が余っても、いつでも手を止められるような雑事をやってしまう。そうしてすぐに時間は過ぎていく。

それが、大人がもう一人いるだけでがらりと変わる。
ちゃんと「自由時間」を手に入れられるのだ。

なんといっても、昼寝ができる!
夫も私も、疲れているときは遠慮なく仮眠を取っている。互いに相手の様子(家事の進み具合や疲れ具合など)を見ながら、今自分が寝てもOKだなと思ったら横になる。夫が寝たときは娘の遊び相手は私が積極的に引き受けるし、私が寝ているときは夫もそうしてくれる。
一般的に週末に家で寝ている夫は嫌われがちだけど(笑)、ほぼ一日中2歳児の相手をし、毎日のように散歩に連れて行き、その上三度の食事も作る夫の疲れたるや相当なものだろうと思っているので、夫がぐうぐう寝ていても当然ながらまったく腹が立たない。
私も夜中に授乳した翌日は眠くなることが多いので、いつでも昼寝できるというのはとても助かっている。

それから、外出
ちょっとした買い物や銀行に行くのはもちろん、美容院、歯医者などにいつでも一人で行けるのが、本当にありがたい。
大事なことだからもう一度いうと、いつでも一人で行けるのが、いい。
いつでも、というのは夫が休みの週末だけとかではないということ。
一人で、というのは赤ちゃんなしでということ。
妊娠中は何かと行動が制限されがちなので、産後に歯医者や整体やエステにささっと行けたのは本当に助かった。
あいにくコロナ禍で必要最低限しか外出しなかったけれど、もしコロナがなかったら、気晴らしに数時間カフェでまったりしたり、一人カラオケに行ったりもできただろうなぁと思っている。

ありがたいことに、趣味の時間も確保できている。
私の趣味はスクラップアルバム作りなのだが、写真やら色紙やらシールやらの材料はすべて娘のおもちゃになってしまうので、娘がいるときはまったくできないのだ。
だから、夫が娘を散歩に連れ出してくれている間やお風呂に入れている間にせっせと進めている。
大好きなことに集中できる時間を持つことで、ストレス発散になっている気がする。

趣味とは少し違うけれど、こうしてnoteを書くことができるも自分の時間があるからこそだ。

(2)家族の時間が持てる。

これこそが醍醐味だと思う。
私の場合、しみじみと、あぁ幸せだなぁ、幸せな生活だなぁと思う瞬間は、家族で何かをしているとき。

朝、昼、晩、食事を一緒にできたり。
みんなでコーヒータイムを楽しめたり。
家族そろってお散歩に行ったり。
毎日決まった時間にみんなでラジオ体操をしたり。

週末だけしかできないはずのことが、毎日できるという贅沢。

どんなに年をとっても、痴呆が入ったとしても、
きっと私は今のこの生活を自分の人生の宝物として思い出すだろうし、それだけで「あぁいい人生だった」と満足して目を閉じられるな、と思う。

(3)育児を楽しめる!

育児は楽しいけれど、辛いときもある。ツンデレもいいとこだ。

辛さの原因の一つが、目の前の小さな命の全責任が自分にかかっていること。育児本はたくさんあるけれど、ゲームの攻略本と違って「これをやれば絶対OK!」というものは何ひとつない。
それでいて、絶対にゲームオーバーにしてはいけないのだ。子育てってなんて過酷なんだろう、と時々思ったりする。

全責任というのをなめてはいけない。子が自分で判断できるようになるまでは、すべてを親が判断することになる。

例えば、今日の服はどうするか。
例えば、息子の向き癖対策をどうするか。

服なんてなんでもいいと思うかもしれないが、娘はアトピーの気があり汗疹もできやすいので、なるべく涼しいようにしつつ、今日はお天気がもちそうだからあとで散歩に行けるように長ズボンにしておこうかな、など色々考えるし、
向き癖は誰にでもあることだけれど放っておくと斜頭(いわゆる絶壁)になり、ひどくなると将来噛み合わせに影響が出たり、斜視や片頭痛の原因になったりする。

一つ一つは些末なことだけど、そのたびに最良の選択肢を検討し、判断していくわけで、この積み重ねが育児を重労働にしている一つなのは間違いない。

この部分を夫婦で共有するのは実は難しくて、どんなに育児に積極的でも、仕事後の限られた時間や週末だけ育児するのでは、判断に必要な子どもに関する前提情報が少なすぎて、責任が持てないのだ。夫に悪気はなくても、日ごろから子どもと触れ合う時間が長い妻がいちいち判断しがちになる。

以前、「夫はいいな、育児の楽しい部分しかやってない。」と私がたまに卑屈になっていたのは、ここのところに原因があると思っている。

ところがこの育休中は、夫も子どもたちとずっと一緒にいる。
夫自身が考え、判断して積極的に動いてくれる。私がどうしたらいいか悩んでいることは大抵夫も問題に気付いているし、相談するときも頼りになる。
また、私が子を持て余しているときには、手の差し伸べ方を心得ている。
一人で考えなくていい。
一人で悩まなくていい。
私一人が親じゃないんだ、というこの感覚がとても有難くて、夫の存在に改めて感謝するようになったし、肩の荷がおりたおかげか育児が数倍楽しくなった。

(4)上の子のメンタルの支えになる。

実は、我が家の場合はこれが一番の心配であり、夫に育休を取ってほしいとお願いした理由だった。
下の子が生まれると上の子がママを取られたと感じて寂しがる、というのはよく聞く話だが、我が家の場合、息子の出産と娘の保育園入園の時期が重なり、娘にとって環境があまりにも大きく変わるので、余計に心配だったのだ。
赤ちゃんが生まれたから私は保育園に預けられるんだ、私は邪魔者なんだ・・・だなんて、少しでも感じさせることは避けたいと思っていた。できれば今まで以上にたっぷり時間と愛情を注いであげたいけれど、赤ちゃんがいる中で私一人でどこまで娘を甘えさせてあげられるのか、心もとなかったのだ。

私の入院中も夫がずっと娘と一緒にいて、さらに育休をとって娘に惜しみなく時間と愛を注いだ結果、娘が寂しがっている様子は(少なくとも私の目から見て)一度もなかったし、赤ちゃん返りすることもまったくなかった。

息子よりも娘を優先するように心がけていたのもあるけれど、大人が2人いるので常にどちらかが娘の遊び相手をしてあげることができたこと、特に夫が朝から晩まで娘第一で相手をしたことが大きいと思う。

予想外のことながら新型コロナの影響で保育園に行けずにずっと家にいたこともあり、今や娘と夫は大親友みたいなノリで遊んでいて、いつの間にかごっこ遊びもツーカーで遊んでいる。いつか娘の記憶からは消えてしまう時間だとしても、5か月の間ほぼ父親を独り占めして遊んだことは彼女の心の中に大きな安心感と愛されている自信のようなものになって残るんじゃないかなぁと思っている。

(5)夫がすっごく好きになる!

この濃密な育休期間で、この人と結婚して本当に良かったと私は何度思ったことだろう。ときどき、「好きーーーー!!」って叫びたくなるくらい、本当に好き。(笑)

よく産前産後の恨みは一生忘れられないというけれど、たぶん逆もそうだと思う。娘の産後、少しだけ長めに入院していた私に毎日面会に来てくれたときの幸せな時間は、ずっと私の中で温かい思い出として残っていて、この先も消えそうにないな、と思っている。

だからこの育休中に感じた感謝の気持ちと、好き好き大好き!って気持ちもずっと残るんだろうなぁと予感している。

子どもたちが独立した後も、ずっと一緒にいたいなぁ。

(6)家庭に対する夫の意識が変わる。

つい先日、夫が「育休に入るまで、俺は全然家のことも娘のこともしていなかったね。ごめんね。」と言った。

夫は育休前も頼りになる夫だったので、まさかそんなことを言い出すとは思っておらずびっくりした。

どうやら、平日は「会社との往復+帰ってきて娘が起きていれば遊ぶ」くらいだったことを反省しているらしい。

うぅーん、私としても平日は疲れているだろうから夫にはあまり期待していなかったのだけど、もっと家事育児に関わりたいと思ってくれるのは素直に嬉しい。

復職後も保育園に連れて行くのは俺がするよ!と言い出してくれたり、どういうシフトならいちばん家庭に時間をかけられるかを検討してくれたり、本当に頼もしい。

そういえば、夫が残業しがちマンなのを不満に感じていたことを数か月ぶりに思い出したのだけど、夫は残業もできる限りしたくないと呟いている。

その気持ちが復職しても継続してくれますようにーーー!

(7)育休に対する価値観が変わる。

正直に言って、私たち夫婦もここまでW育休が充実したものになるとは考えていなかった。

実をいうと、私たちの会社で数年前に約1年の育休を取った男性がいて、そのときに「男性で1年だって。同じ係の人とかけっこう大変らしいよ。」なんてことを当時恋人だった夫と話していた記憶がある。
どちらかというと、なんで男性が1年も休む必要があるの?周りも迷惑だよね・・・というスタンスで話していたと思う。

そのときの自分に走り寄って襟首つかんで何言ってんじゃおりゃあ!!どういう事情があるかも想像すらしてないくせに!!とどついてやりたいけど、それはできない。

できることは、この先育休を希望する男性にあったときに、背中を押してあげること、そして近くにそのような人がいたら思いっきりサポートすることだ。

育休を取っていることで、周囲の同僚に迷惑を掛けていることは間違いなく、私たち夫婦がこの先会社に恩返しできるとしたら、「先駆けとしていい見本になること」と「今度は自分たちがサポートすること」だね、と夫婦で話している。

これから若い部下が増えていく年齢にある私たちにとって、この価値観を変えることができたのは、大きな収穫だったと思う。

4 W育休のデメリットはあるのか?

これについては各家庭で大きく異なると思うけど、我が家の場合もないわけではないので一応書いておく。

(1)生活リズムが遅くなりがち。

娘に夜更かしさせたくなかったので、以前は18時半頃に夕飯を食べ、20時までにはお風呂を終える生活をしていた。

でも今は、何をするにものんびりな夫が食事の準備担当なので、育休初期はなんとか19時頃だった夕飯が、今では20時半頃にまでずれこむことが多い。

口うるさく言って家庭の平穏を壊すよりは、一時的なことなので我慢することにしているが、私が2年半かけて築いてきた生活リズムが・・・!とたまに泣きたくなるような気持ちになるのは否めない。

(2)部屋が散らかりがち。

整理整頓が苦手な夫が一日家にいるので、なかなか片付かない。
夫が仕事で日中不在にしている間に、散らかっているものをまとめたり、出しっぱなしにしているものを片付けたりしていたけれど、夫がいつも家にいると「まだそれ使うから」と言われてしまう。

あと、いつもより多く家にいる分、単純に床に落ちてる髪の毛とかのゴミが増えた(笑)

(3)夫の復帰後が不安すぎる。

2人目が生まれて以降、「大変でしょう」と心配されること数度、そのたびに「夫が育休中でいてくれるので、大丈夫」と答えていた私。
そう、私にとって本格的な2人育児は夫の復職後にやってくる・・・!

2人お風呂に入れるってどうやって?
子の相手しながらご飯作るとかどうしたら?
同時に泣いたらどうするんだよ・・・!

ただただ、恐怖。

いちばん怖いのが、娘のパパロス。
24時間いつでも溺愛してくれていた父親が日中いなくなってしまうのだから、しょんぼりする・・・というか、怒るのは目に見えている。

いつもパパにやってもらっていたこと(お風呂とかお散歩とか)は私がやるといやがりそうだなー。そこ頑張って戦わなきゃだなー。と、今からめっちゃめちゃ不安。。。

5 まとめ

最後にデメリットも書いてみたものの、こんなものはメリットに比べたら全然屁でもないことで、私は本当に心から、心から育休を取ってくれた夫に感謝している。

この記事を書いている間に時間は進み、あっという間に夫の復職まであと一週間ほどになってしまった。今、寂しさと不安でいっぱいだが、夫は私以上に寂しいだろうし、気持ちの切り替えが難しいだろうと思う。

この先の生活で幾度となく壁にぶつかることはあるだろうけど、この濃密な5か月間で、夫と私はチームとしてすごく力をつけたような気がしている。
だから、きっと大丈夫。

夫と、そして子供たち、幸せな時間を本当に本当にありがとう。

そして、夫にたっぷり5か月もの育休を取らせてくれた会社と同僚たちにも大いなる感謝を。

この記事をみて一組でもW育休取得につながるカップルがいたら、心から嬉しいです。


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