Affirm FY2024 Q4 Earnings Call Transcriptまとめ

Affirm FY2024 Q4 Earnings Call Transcriptまとめ

Affirm Holdings, Inc. (NASDAQ: AFRM)は、革新的な決済・融資プラットフォームを提供する金融テクノロジー企業です。同社の主力製品は「Buy Now, Pay Later」(BNPL)サービスで、消費者が商品やサービスを購入する際に分割払いや後払いを可能にします。Affirmは、オンラインおよび実店舗の小売業者と提携し、消費者に柔軟な支払いオプションを提供しています。2024年度の総取引高(GMV)は約230億ドルで、活発ユーザー数は1600万人を超えています。同社は、テクノロジーと金融の融合により、従来の信用カードに代わる透明性の高い代替手段を提供することを目指しています。

目次:

  • 業績概要と財務ハイライト

  • 成長戦略と新規イニシアチブ

  • クレジットパフォーマンスと資金調達

  • Apple Payパートナーシップの展望

  • 経営陣の変更

  • 質疑応答

  • 今後の見通しと長期戦略

業績概要と財務ハイライト

Affirmは2024年度第4四半期および通年で力強い業績を達成し、成長と収益性の両面で大きな進展を示しました。

◆FY24 Q4決算

GMV: $56億ドル【YoY +25%】
収益: $5億ドル【YoY +22%】
取引収益: $4.11億ドル【YoY +20%】
GAAP営業利益: $2,400万ドル(初の黒字化)
調整後営業利益: $5,600万ドル
GAAP純利益: $1,800万ドル(初の黒字化)
調整後EBITDA: $6,800万ドル

活発ユーザー: 1,670万人【YoY +18%】
取引件数: 1,410万件【YoY +25%】

◆FY24通期実績

GMV: $231億ドル【YoY +13%】
収益: $19.7億ドル【YoY +17%】
取引収益: $15.9億ドル【YoY +22%】
調整後営業損失: $9,700万ドル(前年比$3.82億ドル改善)
調整後EBITDA: $1,100万ドル(初の通年黒字化)

活発ユーザー: 1,670万人【YoY +18%】
取引件数: 5,660万件【YoY +14%】

◆FY25 Q1ガイダンス

GMV: $55億-$56億ドル【YoY +17-19%】
収益: $4.3億-$4.45億ドル【YoY +20-24%】
取引収益: $3.9億-$4億ドル【YoY +20-23%】
調整後営業収益: $15百万-$25百万ドル

◆FY25通期ガイダンス

GMV: $245億-$255億ドル【YoY +6-10%】
収益: $20.15億-$20.75億ドル【YoY +2-5%】
取引収益: $16.6億-$17.1億ドル【YoY +4-8%】
調整後営業利益率: 18-20%

この業績は、活発ユーザー数の増加、リピート利用の拡大、大手小売パートナーとの取引拡大などによって支えられています。特筆すべきは、第4四半期でGAAP営業利益とGAAP純利益の黒字化を達成したことです。

成長戦略と新規イニシアチブ

  1. Affirm Card: 年間利用額$3,000から$7,500への引き上げと、2,000万枚の発行を目指しています。

  2. セグメント別アプローチ: 異なる消費者セグメントに対して、0%金利オファーや長期支払いオプションなど、ニーズに合わせた多様な商品を提供していく方針です。

  3. パートナーシップの拡大: Apple Payとの提携をはじめ、大手プラットフォームやウォレットとの統合を進めています。

  4. 国際展開: 具体的な計画は明らかにされていませんが、長期的な成長機会として検討されています。

  5. B2Bソリューション: 新たな成長分野として、企業間取引向けの金融ソリューションの開発を進めています。

クレジットパフォーマンスと資金調達

Affirmは短期的な信用エクスポージャーと個別取引の審査により、クレジットパフォーマンスを厳格に管理しています。2024年度を通じて、目標とする信用パフォーマンスを達成しました。

資金調達面では、ABS(資産担保証券)取引やフォワードフローディールなど、多様な資金源へのアクセスを拡大しています。これにより、資金調達コストの最適化と収益性の向上を実現しています。

Apple Payパートナーシップの展望

Apple PayへのAffirmの統合は、BNPLサービスの普及拡大に向けた重要な機会と位置付けられています。具体的なユーザー体験や経済効果については明らかにされていませんが、Affirmの技術力と審査能力が評価された結果とみられています。

同社は、Apple Payを含む様々なプラットフォームやウォレットを通じて、3-4%のGMV比収益率を維持することを目指しています。

経営陣の変更

CFOのMichael Linford氏が新たにCOO(最高執行責任者)の役割を兼務することが発表されました。また、Rob O'Hare氏が2025年度末までにCFOに就任する予定です。この人事変更は、同社の長期的な成長戦略を支援するためのものとされています。

質疑応答

Q: 2025年度のクレジット環境の見通しについて
A: Affirmは短期的な信用エクスポージャーと個別取引の審査により、クレジットパフォーマンスを厳格に管理しています。経済環境の変化に応じて、迅速に審査基準を調整する能力を持っています。

Q: 金利低下環境下でのビジネスへの影響について
A: 金利低下は承認率の向上につながる可能性があります。ただし、経済全体の状況(特に雇用市場)を考慮する必要があります。Affirmの価格決定は柔軟で、市場環境の変化に迅速に対応できます。

Q: 大企業顧客の獲得と国際展開について
A: グローバル2000企業の40%以上がすでにAffirmの顧客となっており、さらなる拡大の余地があります。パートナー経由の取引は直接取引の3倍以上の規模になっています。国際展開については具体的な計画は明らかにされていませんが、長期的な成長機会として検討されています。

Q: GAAP利益の黒字化と銀行免許取得の可能性について
A: GAAP利益の黒字化は自然な事業の成長の結果であり、特別な努力や会計上の操作なしに達成されました。銀行免許の取得は現時点で必要とされておらず、具体的な計画もありません。

今後の見通しと長期戦略

  1. 持続的な成長: 2025年度はGMVで6-10%、収益で2-5%の成長を見込んでいます。

  2. 収益性の向上: 調整後営業利益率を18-20%まで引き上げることを目指しています。

  3. ユーザーエンゲージメントの強化: コホート分析によると、新規ユーザーの利用頻度が着実に増加しています。この傾向を継続・加速させることが重要な戦略となっています。

  4. プラットフォームの拡大: Apple Pay統合をはじめとする新たなパートナーシップにより、ユーザーベースと取引量の拡大を目指しています。

  5. 商品イノベーション: セグメント別のニーズに応じた新商品の開発と、Affirm Cardの機能拡充を進めています。

  6. オペレーショナル・エクセレンス: COO職の新設により、さらなる業務効率化と収益性向上を目指しています。

Affirmは、BNPLサービスのリーダーとしての地位を強化しつつ、より広範な金融サービスプラットフォームへの進化を目指しています。短期的には経済環境の不確実性に注意を払いつつ、長期的な成長機会に投資を続ける方針を示しています。

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