NetApp 2025年度第1四半期 Earnings Call Transcriptまとめ

NetApp 2025年度第1四半期 Earnings Call Transcriptまとめ

NetApp, Inc.(NASDAQ: NTAP)は、データ管理およびストレージソリューションを提供する世界的なテクノロジー企業です。同社は、オンプレミスおよびクラウド環境向けの包括的なデータ管理サービスを提供しており、特にハイブリッドクラウドインフラストラクチャ市場で強力な地位を築いています。NetAppのソリューションは、企業がデータを効率的に管理し、インサイトを引き出すのを支援し、デジタルトランスформーションを促進しています。同社の主要製品ラインには、オールフラッシュストレージシステム、ハイブリッドクラウドサービス、データ管理ソフトウェアなどがあります。2024年度の総収益は約61億ドルで、ハイブリッドクラウドセグメントが収益の大部分を占めています。

目次:

  • 業績概要と財務ハイライト

  • ハイブリッドクラウド部門の成長

  • パブリッククラウド事業の進展

  • AI関連の取り組みと市場機会

  • 製品イノベーションと競争力

  • 質疑応答

  • 今後の見通しと成長戦略

業績概要と財務ハイライト

NetAppは2025年度第1四半期に力強い業績を達成し、前年同期比で8%の収益成長を記録するとともに、第1四半期としては過去最高の営業利益率とEPSを達成しました。

◆FY25 Q1決算

売上高: $15.4億 ($14.24億)【YoY +8%】
製品売上高: $6.69億 ($5.92億)【YoY +13%】
サポート収益: $6.31億 ($6.13億)【YoY +3%】
パブリッククラウド収益: $1.59億 ($1.54億)【YoY +3%】

非GAAP営業利益: $4億 ($3.22億)【YoY +24.2%】
非GAAP営業利益率: 26%
非GAAP EPS: $1.56 ($1.20)【YoY +30%】

営業キャッシュフロー: $3.41億 ($4.55億)【YoY -25%】
フリーキャッシュフロー: $3億 ($4.17億)【YoY -28%】

◆次期(FY25 Q2)ガイダンス

売上高: $15.65億-$17.15億 ($15.97億)【YoY +5%(中央値)】
非GAAP営業利益率: 約28%
非GAAP EPS: $1.73-$1.83

この業績は、不確実な経済環境の中での堅調な実行力と、NetAppの差別化されたインテリジェントデータインフラストラクチャプラットフォームに対する顧客の信頼を反映しています。

ハイブリッドクラウド部門の成長

ハイブリッドクラウドセグメントは前年同期比8%の収益成長を達成し、製品収益は13%増加しました。この成長は主にオールフラッシュストレージの強さに牽引されています。オールフラッシュアレイの年間換算収益は$34億に達し、前年同期比21%の成長を記録しました。

新しく導入されたAFF A-seriesファミリーは、顧客から好評を得ており、予想を上回る成果を上げています。容量フラッシュとブロック最適化オールフラッシュアレイファミリーも前年同期比で大きく成長し、拡大したTAMに対応し、シェア獲得を推進しています。

Keystoneストレージ・アズ・ア・サービス提供も引き続き好調で、前年同期比60%以上の収益成長を達成しました。

パブリッククラウド事業の進展

パブリッククラウドセグメントの収益は1億5,900万ドルで、前年同期比3%増加しました。ハイパースケーラーのファーストパーティおよびマーケットプレイスストレージサービスは約40%成長し、予想を上回る成果を上げています。サブスクリプションサービスからの逆風は、2025年度を通じて軽減されると予想されています。

AI関連の取り組みと市場機会

AIは多くの顧客との対話の中心となっており、NetAppはAIライフサイクルのあらゆる段階でパートナーとして選ばれています。第1四半期には50以上のAIおよびデータレイク近代化案件を獲得しました。

AIビジネスは予想を大きく上回る成果を上げており、エンタープライズAIの大きな機会はまだ先にあると考えられています。NetAppは、レノボとのパートナーシップによるGenAI向け最適化されたフルスタックOVXシステムの発表や、Microsoft Azure NetApp FilesとのGenAI統合など、AIソリューションの開発を進めています。

製品イノベーションと競争力

NetAppは、フラッシュ、ブロック、クラウドストレージ、AIの分野で差別化されたソリューションに焦点を当てています。これらの分野は、セキュラーおよび企業固有の追い風に支えられており、収益成長と市場シェア拡大の最大の機会を代表しています。

オールフラッシュ製品ポートフォリオ全体で堅調な需要が見られ、新規顧客の獲得と既存顧客のアップグレードの両方で成功を収めています。競合他社からの置き換えも多数発生しており、特にC-seriesとASA製品が顧客のレガシーインフラストラクチャの近代化とAIなどの新しいアプリケーションの展開に貢献しています。

質疑応答

Q: オールフラッシュアレイの成長持続性について
A: George Kurian氏は、製品ポートフォリオの拡大、データセキュリティでのリーダーシップ、純粋なストレージプレーヤーの統合システムベンダーに対する優位性などを挙げ、成長の持続性に自信を示しました。また、マクロ環境が安定化すれば、さらなる支出増加の可能性も示唆しました。

Q: エンタープライズのAI製品需要について
A: AIの採用はまだ初期段階にあり、現在は主にデータの準備段階にあるとの見解が示されました。NetAppは、非構造化データの大部分を保持しており、GenAIのユースケースに自然に組み込まれる立場にあります。推論は企業AIランドスケープの80-90%を占めると予想され、RAGは入力データの約8倍のデータを生成する可能性があるとしています。

Q: 製品総利益率の見通しについて
A: Mike Berry氏は、2025年度を通じて製品総利益率は50%後半から60%の範囲を維持すると予想しています。戦略的なNAND購入により、2025年度の予測需要の大部分をカバーしており、この見通しに自信を示しました。

Q: パブリッククラウド収益の成長加速について
A: ファーストパーティおよびマーケットプレイスクラウドストレージビジネスが40%成長し、予想を上回る成果を上げています。サブスクリプションサービスの逆風が緩和されるにつれ、クラウド収益の成長は年間を通じて加速すると予想されています。

Q: AIワークロードの採用状況と競争環境について
A: エンタープライズAIの採用はまだ初期段階にあり、現在はデータの準備が主な焦点となっています。NetAppは、スケールアウトファイルシステムと統合オブジェクト機能を持つONTAPの強みを活かし、トレーニング、データレイク、ファインチューニング、推論など幅広い分野で競争力を持っています。ハイブリッドクラウドパイプラインの独自性も強調されました。

今後の見通しと成長戦略

NetAppは2025年度の見通しを上方修正し、収益を64.8億ドルから66.8億ドルの範囲(中央値で前年比5%増)と予想しています。非GAAP営業利益率は27%から28%を維持し、非GAAP EPSは7.00ドルから7.20ドル(中央値で前年比10%増)を見込んでいます。

主な成長戦略と見通しは以下の通りです:

  1. フラッシュ、ブロック、クラウドストレージ、AIの重点分野での継続的なイノベーション

  2. オールフラッシュポートフォリオの拡大と市場シェアの獲得

  3. パブリッククラウドサービスの成長加速、特にファーストパーティおよびマーケットプレイスサービスの強化

  4. AIインフラストラクチャ市場での地位強化、特に推論とRAGの分野でのリーダーシップ確立

  5. Keystoneストレージ・アズ・ア・サービス提供の拡大

  6. 戦略的なNAND購入による製品総利益率の維持

  7. 運用効率の向上による利益率の改善

NetAppは、差別化されたインテリジェントデータインフラストラクチャプラットフォームと顧客ニーズへの強い適合性により、不確実な経済環境下でも持続的な成長を実現できる強力な立場にあります。AIの台頭とデータ管理の重要性の増大は、同社の長期的な成長見通しをさらに強化しています。

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