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【エッセイ】素晴らしい一日を共に
あっという間に9時を過ぎた。午後二時くらいまでは、まだまだ一日は長いと感じるのに、夕暮れを過ぎるとあっという間に感じるのは何故だろう。
今日は朝からフル稼働だ。去年くらいからヤクルトを注文しているのだが、ヤクルトさんに挨拶をしている間に、やっと鍵屋さんを呼ぶことができたのだ。パートナーは防犯対策に割と真面目だ。鍵屋になりたいのかと思うほど、メーカーや取り付け方法に詳しい。彼たっての希望で簡単には複製のできない鍵に変えた。
ピカピカの金色のシリンダーのお陰で古びたドアが誇らしげに見えた。思ったよりも金額も抑えることができて、大満足だった。
午後にベットが届くがそれまでに時間がある。駅前の沖縄料理屋に久しぶりにランチをしに行った。安いのにボリュームもあって、夜は居酒屋をやっている素敵なお店だ。玉どじソーキ定食を食べていると、パートナーに着信があった。ベッドを運ぶ業者からで、スムーズにスケジュールが進んだ為、早く届けることができるという。
昼食を食べていることを伝え、戻りの時間を伝えた。家に帰ると建物の前にトラックが止まっている。エントランス内に荷物も置いてある。絶対にこのトラックだなと目安をつけて部屋まで上がるやいなやインターフォンが待ってましたとばかりに鳴った。
ベットが出来上がる様をパートナーと覗き見ていた。ベットが出来上がり、次の予定へと移る。買い出しだ。ニトリ、ドンキ、ダイソー、セリア、各店を渡り歩きいろんなものを買った。
ずっと手をつけたかったキッチン周りの掃除道具や、収納などの類。それぞれの部屋へ取り付ける棚の下調べや、ちょっとだけゲームセンターに立ち寄り、クレーンゲームに興じたり。一度家に帰って荷物を置いて家を出て、自室の細々としたものなど。
パートナーと二人で今日はなんていい日だろうと、言葉を交わした。
私たちは喧嘩をしない。喧嘩のしないことの良し悪しは置いておくが、かわりに私たちはたくさん話し合う。基本私のテンションがジェットコースターなのだが、それをうまくかわす術を、彼は熟知している。だから、少し私が空気を悪くしても、結果その日のうちにはしっかりと話し合うことができる。本当に感謝しかない。
昨日も就寝間際に長く長く話をした。今日の予定のために早く寝なければいけないが、私たちにとってはとても大事な事なのだ。「はなしができる」ということは、コミュニケーションの中で最も重要な事で、実は一番難しいものだと私は思っている。どんなに付き合いが長くなっても、どんなに愛し合っていても、「対話」ができなければいずれ大きな歪みが出ると思う。
思考し言葉にする事。それが出来る、もしくはしようと努力することを辞めてしまわなければ、最終的にはどんな関係でも続いていくのではないかと思う。
シングルベッドひとつにぎゅうぎゅう寄せ合って眠っていた日々は終わった。広くなったベットでも身体を寄せ合い眠りたいし、たまには距離をとって眠っても、手を繋いで深い眠りにたどり着けたなら、なんて幸せだろうと、思う。