【番外編】中学生セレクト「最近読んだ本」#2
第二回となった今回は、あの有名な小説を紹介します!
最近、時間の理由から小説をより読めるようになったので、結構幅が広がってきています。
空飛ぶタイヤ(池井戸 潤, 講談社, 2009年)
この小説はドラマ・映画化されており、人気の一冊(二冊?)となります。
物語は運送会社の事故から始まります。
事故の原因は・・・何かおかしいようです。
運送車両に疑問を持ち、真相を調べようとする。が、その前には冷ややかな大企業が立ちはだかる。周りからも冷たい目を向けられ、徐々に孤立していく中で、主人公、赤松は本当の「原因」に辿り着けるのか?
一方、大企業の中では、内部の権力争いの中で事故に目をつける。点はやがて繋がり、企業への脅威となっていく・・・
といったストーリーです。
この物語はなんといっても「現実性」と、一運送会社が超大企業に刃向かう「不可能性」が混じり合って「不可能を可能にした」ような面白さが味わえます。
-----ネタバレ-----
赤松が困り果てる一方、社内で出世や他部の打倒を目標とする者たちが上層部などの秘密会議があることを知る。
大企業は、過去にリコール隠しを行っており、その可能性を再浮上させるが、上層部に無視される。
赤松は事故関係で早急な資金調達を必要としているが、赤松の会社が融資を受けていた銀行は事故車両生産のグループで、融資を受けることができず、危機的状況になる。
彼は事故の原因である「ハブ」というパーツを取り返そうとするが、苦戦する。
そんな赤松に週刊誌の記者が訪れる。彼が話したのは──「リコール隠し疑惑」だった。
大企業が提案したのはハブと1億円の交換だった。赤松はそれを突っぱね、やがて裁判となってゆくことになる。
赤松の唯一の希望は、週刊誌でリコール隠しのスクープ記事が出ることだったが、出版社は圧力に屈し、記事の公開を取り消す。
グループ銀行では大企業から融資を求められたが、決定に陰りが見える。
記者から得られた数少ない情報で同型トラックの事故について調べる。するとガバガバな修理の資料を得られた。
だんだんと周りからの支援を得られてきた赤松は、決定打として資料を警察に突き出す。
そして・・・ついに企業に強制捜査がされる。
警察は有力な情報に欠ける中・・・左遷された一人が証拠の塊を警察に突き出した。
そうして、企業は過失致死によって上層部が逮捕され、企業は救済合併され、赤松は信頼を取り戻した。
やっぱり、この本は最後のスカッと感がすごいです。
元々これは「三菱リコール事件」という事件が元になっており、現実では運送会社は廃業になってしまったそうです。
読破後にWikipediaを見てみると、面白いですよ!
感想
読んでみた感想は、「世の中は辛辣」ということと、「でも希望はある」ということです。
まずは「組織的・企業的な態度」というものの冷ややかさ、「コンプライアンス」、「逃げ道」など、冷たい怖さというものがよくわかりました。
でも、全てが敵ということではなく、どうにか希望はあると感じました。