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彩旅#2 「コレ、やりたい!」は、なくてもいい~でも、じゃあ、どうしよう?~イベントレポート

変化が激しく「みんなの正解」がなくなった時代に、「コレ、やりたい!」はなくてもいい、と背中を押してくれる大人との出逢い。

今回は「はじまる学び場。」に竹井さんをお招きして、お話を伺いました。

プロフィール

竹井 規道(たけい のりみち)

1975年大阪府生まれ。中高5年間をオランダで過ごし、イギリスの大学と大学院に進学。1999年に帰国し、インテル株式会社に入社。その後、2007年にGoogleに転職。YouTubeパートナーマネージャーとして6年間務める。2016年よりNetflixにてコンテンツマネージャー、2019年よりTwitter Japanにて上級執行役員・コンテンツパートナーシップ本部長を務める。2020年に中国系動画サービス・爱奇艺(iQIYI International Japan Co. Ltd.)に移りSenior Director (専務取締役)を務める。

Q&A

Q.人生の転機は何ですか?
やはり父親のオランダ転勤ですね。あれがなければ今の自分は絶対にないですから。ヨーロッパって、基本あんまやることないんですよね。天気悪いし、娯楽少ないし、交通の便も悪いし、物価高いし、正直差別もあるし、彼女なかかできないし(笑)でもその分、インドアで一人、考える時間だけはたっぷりありました。「何したらいいんだっけ?」「とりあえず勉強だろ」みたいな。勉強がまじで辛い時に父親が司馬遼太郎の「竜馬が如く」を日本から送ってくれて、勉強の合間に読んだのを覚えています。「志は高く持たんといかんな」と思いました。あと、モハメド・アリってボクシングの世界チャンピオンであったと同時にアメリカの人種差別とすごく戦った人なんですよね。一時期本を読んだりドキュメンタリーを見たり、結構影響受けたと思います。

Q.どうやって、名だたる大企業で働くに至ったんですか?
そもそも、元々外資系企業に務めた時点で終身雇用されるという概念が私の中にはなかったので、転職はふつーにするものいう位置付け。また、私の場合は、部署異動はあるにしても20年も30年も同じ会社で働くって、それを考えるだけで気が重くなります。転職は基本的には自分なりに「この部署や会社である程度やったかな」と感じているタイミングでいい話があれば移るという感じです。なんとなく3年周期な感じがします。

転職にはpushとpullファクターがあると思っていて、「そろそろ出ようかな」「もうこの会社にはいたくない」という押し出される力と、次の会社に引っ張られる力があって、それが合ったタイミングが私の転職タイミングです。

能力で評価されるのが外資系企業ですから、新卒でいきなりGoogleとかで働くのはハードルが高いかもしれないですけど、どこかしらの外資に入ることで可能性は広がると思います。

Q.いまはどんなお仕事をされているのですか?
最初はIntelという会社で東南アジアでの製造オペレーションなどを経験しましたが、GoogleやNetflix、Twitterではいずれもコンテンツマーケティングの仕事をしていました。現在は、日本のアニメを東南アジアに輸出する仕事をしています。素晴らしい日本文化を海外の人にも知ってもらえるので、とてもやりがいを感じています。

Q.やりたい事の見つけ方を教えて下さい。
「やりたい!」がなくても、「やりたくない!」はあるはず。とにかく経験してみることで、それが自分にとってやりたいことなのか、やりたくないことなのかは見えてくると思います。そして、「やりたくないこと」をやらないためには、他の環境で生きていくためのスキルや経験は必要です。そのために、努力することが大事なのかもしれません。


Q.「やりたいというほどではないけど興味があること」があるとき、やり遂げられる自信がなかったり、一歩を踏み出す勇気が出なかったりと結局何にも挑戦せずに過ごしてしまうのですが・・・。
竹井さん:別に、やりきらなくても、いいんじゃないでしょうか。「違うな」と思ったら辞めて、別のことを始めても良い。やりたいと思えるものと出会えたら、自然に続くはず。まずは、とりあえずやってみることではないでしょうか。


Q.企業が違っても共通して使える技術や心がけはありますか?
竹井さん:外資で求められるのも、意外と当たり前なことだったりします。もちろん、クリエイティブなことが求められる部署もありますが、それがすべてではない。たとえば、ちゃんと納期を守るとか、ミスなく業務を遂行するとか、そういう「当たり前」だと思われることを、当たり前にやれることも十分に武器になります。あとは、英語を話せる日本人だったことも大きかったかと思います。それに加えて、ちゃんと人に意見を言える性格だというのも良い面でも悪い面でも(笑)作用していたと思います。

会場には「仕切り」がないため、後ろで勉強中の高校生も話を聴いている

Q.今,大学を決めなきゃいけないといけない時期にいるのですが、未来を見据えた決断をするためにはどうすればいいか聞きたいです
竹井さん:やりたいことがあれば、突き進めばいい。やりたいことがなくても、いま興味を持っていることから考えて、ガチガチでなくても、ある程度逆算して考えてみてはどうでしょうか。大切なのは、自分の人生をストーリーにしていくことではないかと思っています。


Q.海外に行って英語を習得したいのですが、コロナ禍でなかなか難しいです。大学生のうちに海外経験がない人がグローバル企業に働くのは難しいでしょうか。
竹井さん:そんなことは全然ないです。企業側も、いまコロナで留学に生きづらいというのは分かっていますから。むしろ、留学経験をしないで英語スキルをとことん上げた人であれば、その「努力」が評価されると思いますよ。

Q.最後に、学生たちに向けてコメントをお願いします。
竹井さん:大人になって、学生時代を振り返った時に「ああ、楽しかったな」「あん時にあれやっていてよかったな」と思えるようなことをできるといいですね。サークルでも恋愛でもバイトでも、卒論めっちゃ頑張ってみるとか。資格取ってみるとか。英語は本当にコスパのいいツールなので、学生時代にできれば取り組んでおくことをお勧めします。もっとそれ以前の話としては規則正しい生活!早寝早起きを徹底する!みたいな。学生時代にクセつけておくと、その後の人生が楽ですよ。

ある程度の方向性は決めつつ、それには縛られないで生きる。やりたいことも大事だけど、それ以上に、やりたくないことをやらないで済むように、目の前のことをコツコツがんばる。竹井さんのお話から、参加者一同勇気をいただきました!


参加者の声

「私はやりたいことがないとダメだと思っていたので、考え方が広がってとても良かったです。企業のリアルなお話はなかなか聞ける機会が無いので、とてもためになりました。ありがとうございました。」

「様々な業界にも通用する能力や、マインドの持ち方、業界のリアルを知ることができて、とても学びになりました。個人の悩みであった、キャリア形成についても、道を開くことができました。」

「やり切らなくてもいいという発言から、自分の固定観念を一つ壊すことができました。ありがとうございました。」

担当:はじまる学び場。関口彰& 齋藤亮次


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