飢餓・孤独のすすめ
「私の名は喪黒福造、人呼んで笑ゥせぇるすまん。ただのセールスマンじゃございません。私の取り扱う品物は心、人間の心でございます。ホーホッホッ…」
「この世は老いも若きも男も女も、心のさみしい人ばかり、そんな皆さんの心のスキマをお埋め致します。いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたらそれが何よりの報酬でございます。さて、今日のお客様は…」
俺には心のスキマなんて存在しないし、寂しくもないよって人はおりますか?僕はどちらかと言うと寂しくない人間ですが、スマホを取り上げられると思うと流石に嫌ですね。
現代人って常に周りが何かに満たされていないと死んでしまう病気にでもかかっているみたいです。常に刺激を欲している人達、常に何かを頬張ってお腹一杯を保つ人達、と言えるでしょう。もっと悪く言うと麻薬中毒患者です。現代人には飢餓への耐性が必要なんだろうと思うのですがいかがですか?人生の初期段階つまり子供を田舎で育てた方が良いと思います。と言っても、田舎だって田んぼや畑があるから正しくは何にもない訳ではありません。でも子供の小さい胃袋には丁度良いと思います。子供の頃たまに遠くの街へ連れて行かれると建物が沢山あるのに感動したのを覚えています。感動と言ったら聞こえは良いですが、一種の面食らいであって消化不良です。都会の建物は人間英知の結晶ですから当然でしょう。
「どうやってこんな物を作ったのだろう」
田んぼのあぜ道程度であれば子供の頭でも泥を積み上げたのだろうと分かりますが、都会の建物はまるで想像が追い付かないし、目移りが凄いです。子供は落ち着いて理解が出来ないから、外は豊富だけど内は空っぽの状態に至り、さらには外の世界と自分は別物と認識するようになるのではないでしょうか?「人は人、自分は自分」みたいな切り離しを覚えるきっかけの様な気がします。外の世界で起きた重大事項を他人事として受け流す現代人の特徴が育まれている…そんな事を考えました。
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