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昨日ゲームをやりながら…
先日、仲間モンスターシステム込みでdq6をリメイクして欲しかったと書いた。と、泣き言を言ったところで仕方がないので、仲間モンスターシステムメインのdq5に逃げ込んだ。スマホ版dq5を久し振りにプレイしたのだ。唯一所持している最新鋭ゲームである。僕は色々語ってきたが、結局トータルで言えばdq5が一番好きなんだろう。
主人公幼少期をサクッとクリアし、青年期へと差し掛かる。ここからはモンスターが仲間になってくれる。オラクルベリーの街が青年期の出発地点なのだが、ここにはカジノが設置されている。そして、景品にはモンスターペンダントなるものが準備されている。これを装備するとモンスターハントの難易度が比較的に下がるのだ。道草はあんまり好みでないが、他はともかくこれは絶対に欲しいので嫌々スロットを回す。
脳死状態でひたすら賭けて負けたらリセットを繰り返すだけの完全な作業モードに入ったので、もう一台のスマホでYouTubeでも聴こうかなと思った。何がいいかな、最近お留守気味の「チャンネル桜」でいこうと思った訳だが、これには我ながらまずまず満足した。片手にはスロット、片手には水島社長の御高説。どれか一つだと時間を持て余している感が否めないが、どっちも掌握しようなんて、なんと効率がいいんだろう。
「ゲゼルシャフトとゲマインシャフト」といった単語が出てきた。読んだけどなんだかよく分からなかったやつだ。しかし興味がある。「ゲームの根本は物語でなく、システム」と言ってのける部分はゲマインシャフトには基づかず、ゲゼルシャフトを基盤にしているくらいの事は分かるのだが…。
「奇跡が無くなった」とも語った様な気がする。あぁ、これはニーチェを言ってるなと思った。
「宗教心が消えた為に信じる事が出来なくなった」「これは唯物論」「唯物論者に国を想う事は出来ない」「芸術分野には信仰心が残っている」
なんかの言及もあったように思う。片耳ではあったがあまりに鋭いと感心した。頭ではなく肌感覚で理解していないと上記の言葉は恐らく出てこない。
スロットしながら申し訳ありませんと思っていたら、今度は怒り始めた。
「週刊文春は完全にCIAの手先」
近頃における文春の行き過ぎた皇室批判を言っているのだろう。自分は結構な視聴者であると自負しているが、それでもここまで怒るかと正直思った。演説で盛り上がった訳でもないのにだ。恐らく僕には…が足りないのである。周りも社長に同調する。普段それほど同調されていないように感じるが、ここは流石にといったところか。それとも社長並みに本気で怒っているのだろうか。一応本気なんだと信じたい。
話題が変わって今度は口を極めて自民党を非難する。加えて、小選挙区制度に対する具体的な対抗措置を披露する。これを本気でやってくれさえすれば自民党に痛烈なお灸を据えられるのだが。これには周り一同沈黙。
その内にメダルが貯まったので、YouTubeとは一時おさらば。片手間にしては十分に有意義な時間であった。アイテムもゲット出来たし。街から出てフィールドに繰り出すと、実に効率良くモンスターを仲間に出来る。もうちょっと歯応えがあってもいいくらいだ。
物語も進める。唯一の子供の頃からの友人であり仲間であったヘンリーが外れ、人間では主人公がたった一人となる。ドラゴンクエスト歴代シリーズと比べても屈指の風変わり期間である。人は居なくなってモンスターだらけのプレイタイムが到来したのだ。プレイヤーと主人公過去を繋ぐ唯一の存在、ゲレゲレが仲間に入った。愛の力とは言っているが要はしばき倒して仲間に加えたのとは違い、ゲレゲレは過去虐められていたところから救って仲間に加わったモンスター。普段なら速攻馬車行きなのであるが、今回は多少ともスタメンで使おうかしらん。
ルラフェンの街に到着した。ここは、移動魔法「ルーラ」を覚えるだけの、物語的意味の薄い場所。機能的中継地である。酒場に寄って情報収集していたら、たまたまそれが夜だった為か神父が呑んだくれていた。
「神さまはとっくの昔にいなくなっちゃったんです!うっうっ………。」
ニーチェ本日2回目である。堀井雄二は明らかに意識してdq5を作ったのだろうと思った。dq5は、嘗て空に浮遊していた神の住む城が墜落、海の底に沈んで、結果モンスターが蔓延るようになってしまった現在を描いているのである。神父はちゃんと物語核心を語っているのであって進行上にとっても有用な情報なのであった。
光と闇、人とモンスター、物語と機能(システム)、信じる信じない、宗教と無宗教、勇気と臆病、ゲマインシャフトとゲゼルシャフト、ドイツ(日本)と西洋。昨日はゲームをやりながらではあったが、仮に奇跡的な復活があるとしたら外せないであろう思想的モチーフを朧げ感じた次第だ。