新規事業失敗のコツ その3 撤退条件とその評価指標を作らない
7年間も取り組んできた新規事業創出活動がついに失敗に終わりました。
振り返れば、失敗するべくして失敗たことが明らかであるため、失敗に至ったポイントをまとめていこうとおもいます。
失敗のコツその2記事はこちらから
失敗のコツその3は『撤退条件を定めず、撤退判断基準も定めない』ことです。
新規事業なんてものは成功するのは極稀であり、取り組みすべてが成功するなんてことはありえません。ただ、事業の目的が投資の回収にあったとした場合、その時点で回収の目処がなかったとしても、投資責任者が失敗だとみとめず「いつかは回収できる」と言い続けてしまう、その上で投資が継続できてしまう状態があったとしたら、それは永遠に継続できてしまい、客観的に失敗じゃね?と思われたとしても、永遠に失敗という評価ができなくなるのです。
また、上記の例の場合は期限や目標など評価指標もありませんから、それこそ責任者があきらめない限りは永遠に継続可能となってしまうのです。
この場合、無為に時間とお金を浪費するだけになってしまうのです。
どっこいちゃんの担当していた事業がまさにそれで、企画当初から事業失敗の条件が定義できておらず、当然撤退指標なんてものは存在しませんでした。また、事業責任者は絶対に自分の過ちを認めず、事業が失敗であることを最後まで認めません。また中途半端に金のある環境であったことも災いし、事業は延々と答えのない迷路をさまよい続けました。
結局、客観的に見れば企画当初から失敗(事業不成立)することが見えていたにも関わらず、失敗と評価することができない状況が7年も継続、ようやく役員の鶴のひとこえで中止となりましたが、結果的には数億円の損失と役に立たないガラクタだけを残しました。
お金だけであれば、例え1億の損を出したとしても2億儲ければいいだけの話ですが、失われた時間はどれだけお金を積もうとも二度と戻ってきません。どっこいちゃんの7年は、もう二度と戻ってこないんですわ。
7年と言えば、小学校入学した子が中1になる歳月ですから、企画着手時からすれば事業環境も大きく変わります。ここまで延命を続けてもいいことなどひとつも無いんですわ。
この『事業投資は時間投資である』ことを、理解できていないひとは案外世の中にたくさんいる気がしています。世の中の事業企画者、起業家たちは、お金以上に貴重な『時間』という資源を扱う責任を持っていることを、もっと理解してほしいと思いますわ。
まとめ
事業失敗のコツその3は撤退を意識せず、撤退条件も定めないままに事業企画をすること
事業は投資が続く限り、そして責任者が失敗をみとめない限り、失敗にはならないもの
無駄な事業延命はお金以上に貴重な『時間』の浪費となりうる
事業責任者はお金以上に貴重な時間を管理する責任者であると理解すべし