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新規事業を考えるとき、顧客に『どう評価されたいか』ベースで考えると変な方向性に進まずに済むよ、という話

新規事業を考える際に結構悩むのが『何をテーマにしたら良いか?』という点。

多くの人が『企業理念(ビジョン)』や『企業の目指す姿(ミッション)』を起点に考えると思うのですが、あらためて見てみた自社の企業理念には『社会に与えたい影響』しか定められておらず、それベースの企画を立てると『無償の愛の提供』、つまりは売上立ちませんね、という事態に陥りがち。 

営利企業の行う事業ですから、社会の役に立つのは大前提としても、サービス提供持続のためにも財やサービス提供(give)の見返りに対価(take)が必要。だからこそ、ちゃんと対価が貰えるサービスを間違えずに創る必要があります。

一方で、理念とは社会に与える良い影響のみを記載している事が多く、理念だけを事業の前提にしてしまうと、giveしかない、対価が得られないサービスになりがちなんですわね。

じゃあ、それを避けるにはどうしたらいいか、何を起点に事業を考えると良いのかといえば、一案としては『顧客からどのような評価を受けたいのか』を起点に考えるのが良いと思っています。

例でメルカリの例を上げてみます。

メルカリは"あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる"ことを理念として掲げ、地球資源の循環を目指しています。これだけを取り出すと、メルカリはNPOのような理想を掲げており、このまま行けば解決手段は『無償の愛の提供』になってしまいますよね。

無償の愛の提供を回避し、営利サービスとして持続させるため、メルカリはサービスミッションを"新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る"と企業理念とは別に定義しており、誰もが商品を売買できるマーケットプレイスを提供することを掲げ、実際にそれに準じたサービスを提供し、対価として利用料を徴収しています。

実際に顧客からは「メルカリは便利なオンラインフリーマーケットである」「利便の対価として利用料を支払うもの」と認知されており、提供価値と対価が適切につり合っていると言えるでしょう。

ここから何が言えるかというと、

  1. お客様にとってメルカリは不要物の売買のマーケットであり、サービスミッションはお客様の評価と一致している

  2. お客様は便利だからメルカリを使うだけで、多くのお客様にとってメルカリの理念は意識されていない

ということで、やはりお客様から得たい評価を前提にサービス構築すると、適切なサービスを創れる、ということが言えそうです。

もう少し考えてみると、顧客目線に立てば、企業やサービスに対する評価は企業側の理念なんて関係なく、必ず『サービスの利用価値』になります。その利用価値が『会社の見られ方=ブランド』になるわけです。

逆に考えれば、事業創発の起点を『顧客目線での評価』、例えばメルカリなら『便利な個人売買マーケット』という評価を得たい!という点を起点に考えれば、『会社の理念』を満たしつつ『無償の愛の提供』を回避することができそうですよね。

起業の場合はこの考え方で良くて、既存の会社で新規事業を考える場合は、『既存のビジネスの中で得られている評価』も大事になります。

既存のビジネスが既にある場合は、既存のイメージ、ブランドに上手くハマるビジネスを考えていかないと、なかなか上手く行かないものなんですわね。

以上のように、新規事業を起こす場合に事業の企画方針(何をしていくのか)はとても難しい問題で、ついつい会社の都合(理念)でテーマを決めがちですが、一歩踏みとどまり『顧客目線=お客様から自社、及び自社のサービスはどう評価されたいか』という点も合わせて事業を考えると、大きく道を踏み外すことは少なくなると思いますよ、という話でした。

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どっこいしょうじ@note
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