ドバイの光と闇
ドバイと言えば、バブリーでお金持ちで、キラキラした街を思い浮かべるかと思いきや…ドバイ在住の日本人から聞いた話にわたしは驚愕しました。
ドバイに住んで1年が経ちますが、ここまで闇が深いとは思いもしませんでした。
(これからお伝えすることは、体験+あくまでも聞いた話ですので、必ずしも本当とは限りません。ご承知おきください。)
ヨーロッパの駐在員の苦悩
「駐在」っていい響き!
高級ホテルに滞在し、お手伝いさんやドライバーも雇い…まさに幸せで成功した人の生活の理想像。
と思っているのは日本人だけかもしれません。
ヨーロッパからドバイに来る駐在員はもちろん、それはそれはいい暮らしをしています。ところが、「苦痛で仕方ない」とのこと。
その原因は、愛する家族と離れ離れになってしまうから。
ヨーロッパだけではないかもしれません。海外の人の家族への愛は、日本人からすると引くぐらい大きいのです。毎日の電話は欠かさず、クリスマスや元日などは家族で過ごすのが当たり前。遠い地に行くなんて、彼らにとっては苦痛でしかないそうです。
だからこそ、家族への愛の喪失を埋める分、とてつもない額のお手当ももらっているんでしょうね。
いやぁ、自立してなんぼといわれる日本の家族はドライに思われるのも納得です。
タクシー運転手が違反したら
観光地ということもあり、タクシーが多く走っているドバイ。
気さくに話しかけてくれる運転手もいれば、道に詳しくなく愛想の悪い人も。
そして、東南アジアやインドから来た運転手が多いことに気付きました。子会社に雇われているとは言えど、その待遇は悲惨たるもの。
その一例をご紹介します。
・一時停止や信号無視の違反が見つかったら、基本的に罰金ですが、会社餅ではなく、運転手本人の財布からの支払い。
・交通事故での示談金なども自腹。
出稼ぎできている人がほとんどなので、こんな予想外の出費があれば、故郷の家族どころか自分の生活も危うくなってしまうのです。
恐ろしや。
過酷極まりない工事作業員
街中が建設ラッシュなため、常にどこかで工事が行われています。
工事現場には、昼間40度以上にもなる暑い中、せっせと働く作業員たちがわんさかいるのです。
その光景を見るたびに、心が痛くなるのですが、この人たちも出稼ぎに来て、故郷のために働いているのです。
1ルームの部屋を10人ほどでシェアして生活し、ビニール袋に入れたカレーとナンを持ってクーラーも壊れているようなおんぼろバスで集団出勤。
日かげもなければ水道もないようなところで1日中働き、給料が入ると半分以上も地元へ送金。
それしか生きていく道はないと言われればそこまでですが、生まれた場所によってこんなにも生活の基準が違うことにショックを受けるばかりです。
さらにショックだったのは、その人たちがドバイに来た経緯。
ドバイの建設会社や不動産が、村までやってきて、村の働ける男たちをごっそり招待。
パスポート代や渡航費は借金として無理やり負わされたままドバイへ入国。働きながら地元よりはよい給料をもらい、借金を返済しながら家族へ送金。その借金は一生働いても返せないほどだそうなので、故郷へ帰ることはないといいます。(涙)
街の発展には欠かせない建設業ですが、その裏には悲しい悲しい事実も隠されているのです。
当たり前のように、家族と連絡がとれたり、食べたいと思ったものを食べたり、休憩したいと思ったら休める環境に生まれた私たち。
このような悲しき物語を聞くと、それぞれ感じる幸せは違うんだよな、と心に言い聞かせることしかできず心苦しいものです。
ドバイ以外にも、格差社会はありますが、日本もまた、格差が開いていると感じています。自分ではどうしようもできない人がいる一方、社会を変え得る人もいるはずです。私にできることは何か…。
まずは、現実や事実を知り、伝えること。
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