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今 RABBIT HUTCH を推さずして、いつ推すのか

「会えるアイドル」という言葉が出回って久しいが、実はアイドルに『出会う』のは難しい。

というのも、アイドルリサーチのためのアンテナの張り方には個人差があるからだ。その人の好み、熱意や考え方、置かれている環境、資金面、運。さまざまな要素の『深み』によってアイドルの出会い方は変わってゆく。

また、たとえ全方位にアンテナを張っていて、とあるアイドルが目に映っていてもその魅力に気づかないこともある。あとになって、そのアイドルへの思いが湧き上がったとしても、その気付きがなかった期間は、残念ながら『推す』という概念から言えば『無効期間』になってしまうのだ。

『気になる期間』というものもありそうだ。目にした時からなんか頭について離れない。ネットで名前をみかければ目が行ってしまう。でもとくに行動には起こさない、悶々とする日々である。

ここでの行動とは、現場に行ってそのアイドルと『出会う』ことを指す。今のご時世、SHOWROOMなどのライブ配信アプリで、面白いコメント投稿や課金などをして、名前を覚えてもらう努力をすることもそう言えるのかもしれない。

また長くアイドルファンをしていれば、どうしてもっと○○に早く出会わなかったんだ、と後悔することも少なくないだろう。そのうちそれは自分のアンテナの張り方に問題があったと気づいていく。リサーチの仕方を修正し、ひとグループひとグループ吟味し「これは!」と刺さるその時を待つ。しかしそれでも後悔はついてまわる。やがて見境なく青田買いをするようになっていく......ジ・エンド。

といった冗談交じりの前置きで終わるつもりはないが、それくらい「これは!」と思うアイドルに出会うのは難しい。がんばってアンテナを張っても自分の今の心にフィットしなければ成立しないからだ。

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2020年7月5日(日)、名古屋のライブハウス『CLUB SARU』にて、RABBIT HUTCH の 2nd ワンマンライブ『RABBIT ∞ SHIAWASE LIVE』が催された(∞はアンリミテッドと読む)。このライブの終盤、DIANNAプロジェクトの練習生であった『三浦みう』の RABBIT HUTCH への加入が発表された。このひとつの出来事が『今 RABBIT HUTCH を推さずして、いつ推すのか』と、私がここで読者に問いかけたい所以である。

そもそも『RABBIT HUTCH』とは何かというと、名古屋のモデル事務所『SISTERMANAGEMENT』が設立したアイドルプロジェクト『DIANNAプロジェクト』中のグループである。2017年11月『可愛いと幸せがつまったうさぎ小屋』をテーマに、天野里音、後藤ひなた、服部桜子の3人で結成され、2019年、清田杏里が加入して4人に、そして昨日、三浦みうが加入して5人で活動している。この記事を書いている日時現在12.2歳の、まだキッズアイドルの部類に入るアイドルグループである。

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ちなみに私が個人的にDIANNAプロジェクトに「これは!」と感じたのは実は更にもっと前。後藤ひなたと服部桜子が練習生だったころ、同じくDIANNAプロジェクトのアイドルグループ『MERUCHU』のサポートメンバーとしてリリースした『SHIROKUMA NIGHT』のジャケ写を見てからだった。楽曲も含め、このクリエイティブに衝撃を受けない者はいないと確信している。

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リリース情報が出てからすぐ、渋谷Gladに MERUCHU が来るというので現地に足を運んでライブを鑑賞。しかし特典会には参加しなかったので『出会い』はなかったのかも知れない。そしてその後は『気になる期間』や『無効期間』を経ることとなる。

後藤ひなたと服部桜子はその後、天野里音と RABBIT HUTCH の前身にあたる『あまのひにゃさく』という練習生ユニットを組むこととなる。そのころから RABBIT HUTCH の 5th single『Thank you!』リリースごろまで、私は『無効期間』や『相当気になる期間』を過ごしていた。正確にはその間に1度か2度、RABBIT HUTCH 目当てで現場(品川J-Squareの当日券といえばわかろうか笑)に行っているのだが、まあ無効期間としよう。

その頃から推している人にとっては RABBIT HUTCH は3人であり、またもっと言えば『あまのひにゃさく』なのである。この3人がコアメンバーだということは揺るぎない事実であろう。

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さて話を戻そう。そんな RABBIT HUTCH、通称ラビ8(ラビハチ) に加入した三浦みう。正直これは予想された加入だった。なぜならダンスは練習生のレベルをゆうに超えていたし、容姿も逸材と言って間違いない。DIANNAプロジェクトの4つあるグループ(RABBIT HUTCH, MERUCHU, meow, はむ!STAR)に加入するならラビ8がうってつけだったからだ。

それだけではない。DIANNAプロジェクト練習生となった3月からはコロナウィルスの影響で、新人にとってはレッスンにもキャラクターをアピールする機会にも恵まれなかったが、どうにかSNSを駆使し、Twitter ではダンス動画を投稿、『CHEERZ』では毎朝ボイス付きの更新をしてファンを小躍りさせ、ものすごい存在感を示していた。CHEERZのボイスでの表現力の高さも小学生とは思えないクオリティだし、声もかわいらしい。ファンが競い合って課金しCHEERを投下するという、傍から見ていてもハラハラするような渦を作っていた。

また『三浦みう』という名前もセンセーショナルだ。

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この子の登場とラビ8への加入という出来事は、モーニング娘。に後藤真希が入った時の衝撃に似ている気がする。つまりグループの可能性を一段階上にブーストするようなものである。

ラビ8の楽曲やステージングは、ももいろクローバーを彷彿とさせる躍動感に満ちている。もともとラビ8のパフォーマンス性の高さは後藤ひなたを筆頭にキッズアイドルの中でも群を抜いており、最年少で後藤とともに歩んできたバレエの下地を持つ音感のいい服部桜子、その2人に必死についてきた天野里音も最近では王者の風格が出てきており、身体の可動領域が広くパワフルである。そこに元 Jumping Kiss でDIANNAプロジェクト練習生のころからラビ8加入を目標としてがんばってきた清田杏里が加入して、今年1月26日、渋谷DESEOmini を130人の観客で超満員にした 1st ワンマンライブを成功させた。

続いて東京と名古屋で開催される 2nd ワンマンも発表されたが、残念ながらコロナの件で6月に予定されていた東京公演は中止。名古屋の開催はどうにか死守した形だ。おそらく当初の予定では東京公演で加入の発表だったのだろうと思う。

と、成長甚だしいラビ8であることは誰の目から見ても明らかであり、ここに満を持して三浦みうが加入することにより「役者が揃った」のであって、これからが正念場である。私はこれまで1年以上、ラビ8を追ってきたが、それだけ三浦みうの加入はエポックメイキングな出来事だったのである。メンバーカラーも赤。多くのアイドルグループで赤は重役を担うのである。

東京公演が開催できなかったことでいわゆる「見つかり」からは一時遠ざかったかも知れない。しかし幸か不幸か、ファンにとっては先行者優位を取れる状態でもある。今からできるアクションプランとして、ラビ8のYouTubeチャンネルを登録して観ることをおすすめする。そしてこの記事の前置きでも書いたような後悔をしたくなければ、今からラビ8を深く知り始めるべきである。

ラビ8は確実に蠢いている。今 RABBIT HUTCH を推さずして、いつ推すのか、よく考えよう。