RABBIT HUTCH・服部桜子のボーカルが仕上がってきてる件
2021年10月11日に発売される RABBIT HUTCH の新曲『笑って』。
私はこの YouTube の MV を仕事中ずっと流しており、もう何回再生したか分かりません。美しい音楽、美しい映像に、五人五様の少女美がキラキラと光る傑作だと思います。
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さて、そうして何回も観るうち、あることに気づくのです。それは服部桜子の歌声の仕上がり具合です。
この『笑って』は、今までの RABBIT HUTCH の楽曲とは違い、コーラスやアンサンブルは最小限にとどめており、ほとんどがメンバーの部分部分の独唱で歌いつなぐ形となっており、メンバーひとりひとりの歌声が楽しめるのも特徴となっています。それはメンバーもどこかで言及していたかと思います。
導入部分でこの曲の大切な『願い』をストレートに伝える天野里音の甘い歌声がリスナーの耳をしっかり捉え、続いて後藤ひなた、服部桜子の力強い確かなボーカルが完璧に聴く者の心をホールドします。大部分がこの3人、つまり RABBIT HUTCH としてキャリアが長く中核的存在である3人が曲を引っ張っていきますが、アクセントとして三浦みうや清田杏里のソロパートも続き、RABBIT HUTCH の総力戦のような様相を楽しめます。
1サビが終わり、2分40秒あたりからの、2サビに入ると思わせてからのしっとりとした雰囲気のエピソードの挿入にフェイントをくらいつつ、ここでボーカルが天野 → 三浦 → 清田 → 後藤 → 服部と続きますが、この順番はとても意図的で、それぞれの声質を考慮した的確なサウンドディレクションを感じます。つまり甘い声から辛い声へのグラデーションを描いていると思うのです。
ここで注目したいのが、そのグラデーションの最後に配置された服部桜子のボーカルです。ちょうど3分00秒部分のパートを聴いていただければ、きっとその歌声の持ち主に目を瞠(みは)ることでしょう。
他の4人の音域より和音構成音の2つ上(ほぼオクターブ上)に移動したメロディーに、ほんのりハスキーな彼女の歌声がサラッと乗りますが、まさかこれが12歳の小学生の声とは一聴しただけではにわかに信じがたいものとなっています。また天才キッズにありがちな変に大人びいた歌い方ではなく、あくまで等身大の少女の、しかし確かなキャリアを感じさせる誠実な品質であり、まるで聴く者の脳幹を貫くかのような仕上がりとなっています。
服部桜子は、RABBIT HUTCH では最年少でありながら、実はDIANNAプロジェクトでは一番長いキャリアを持っています。この新曲『笑って』では「成長」をテーマに展開していて、今までの可愛らしい楽曲とは一線を画するものであり、RABBIT HUTCH の新たな一面を見せることに成功していますが、彼女のボーカリストとしての変化を楽しめる楽曲でもあると思いますので、これまでの楽曲と聴き比べてみてはいかがでしょうか。