RABBIT HUTCH 『ダイスキ!』のメッセージ
2020年7月5日(日)、RABBIT HUTCH に三浦みうが加入したことは前の記事で述べた。その際、「予想された加入」ということにも言及した。
しかしまさか新曲も披露するとは、個人的には予想してなかった。昨今のコロナの件で、大勢があつまってスピードをもって何かを作るということは難しいのではないかと感じていたからだ。ライブの2週間くらい前からメンバーから重大発表があるとアナウンスがあり、私は三浦みうの加入、もしくは 3rd ワンマンの発表のどちらかだろうと予想していた。
MVを観ていただければわかるだろうが、間違いないクオリティである。曲も衣装も振り付けも、どれをとっても華やかで、カワイイが高高度に位置しており、ラビ8史上最高点を叩き出している。そんな新曲を投下してきたことに大変驚き、同時に心を奪われたのだった。
とは言えこの曲には、実はラビ8のファンへのメッセージが込められているということを説明する必要がある。ラビ8をよく知らない、また最近知った人からすれば、乙女の初恋を歌ったキュートなガールズポップにしか聴こえないと思うからだ。
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2nd ワンマンライブ『RABBIT ∞ SHIAWASE LIVE』のアンコールで三浦みう加入と同時に発表された新曲、『ダイスキ!』。その直前、会場で流れたムービーでは、天野里音がかわいらしいアメリカンダイナーの座席でうつむきがちに座っていた。
そのまわりに集まる後藤ひなた、服部桜子、清田杏里の3人。天野の様子を気に留めることなく3人はキャッキャと談笑しているが、そのうち天野の表情に気づく。「恋でもしたの?!どんなひと?!」などとせまられた天野は「いつも会いにきてくれて、応援してくれて、期待してくれて」と告白する。そのうち他の3人も誰のことなのか気づく。
「もしかして、飼育係さん?!」
RABBIT HUTCH のファンのことを『飼育係さん』と呼ぶのだが、天野はファンの人たちへ恋心を抱いていた、というオチだった。そして後藤、服部、清田がうなずきながら続く。「飼育係さん、だーいすき!」と。しかしそこにもう一人「わたしも、だーいすき!」と現れた。言わずもがな、三浦みうである。彼女の後ろ姿で映像は終わる。
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さてこの「飼育係さん、だーいすき!」というセリフは、ラビ8のライブでは毎度おなじみ、自己紹介のあとに全員で言うキメ台詞である。単純明快だがストレートな言葉に、初めてライブに訪れたファンはその可愛らしさに腰を抜かし、慣れたファンは「オレモー!」と続ける。つまりタイトルである「ダイスキ!」とはこのことなのである。
また、Cメロにある「いつだってそばにいて」「たくさんの優しさで」「幸せにしてくれる」「キミがダイスキ」という歌詞は、ラビ8結成1周年で飼育係さんに感謝を述べた楽曲『Thank you!』を彷彿とさせるものがある。『Thank you!』と同様、自分たちに向けられた楽曲であることは、ファンはすぐに察知したことだろう。
また『Thank you!』は1st ワンマンライブの最後に涙ながらに歌った曲。そして2nd ワンマンライブでのこの新曲『ダイスキ!』の発表。私にはこの2曲が姉妹のように感じられて仕方ないのだ。3月以降、コロナの影響で出演予定だった様々なイベントが中止になり、2ndワンマンも東京公演は中止。ネット上のイベントでなんとか繋いでやっと迎えた名古屋公演。そこで彼女たちが伝えたいメッセージは一言では言い尽くせなかっただろう。それは待ちわびていたファンも同じで、その気持ちを熱いライブで受け取ったファンはさぞ胸が詰まったはずだ。
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アイドルにはそれぞれの物語があり、もちろんラビ8にも物語がある。その物語の第1章は、1st ワンマンをもって終わったのかも知れない。しかし2nd ワンマンからは第2章の始まりとなったと思う。
傍から観ているだけではわからないことも多い。だから飛び込んでみよう。今からでも遅くない。RABBIT HUTCH から目を離してはいけない。さもないと、彼女たちは、簡単にウサギ小屋から飛び出してしまう。