evian問題を知る
いきなり問題です。
お茶の香味の決定要因として影響が大きい順はどれでしょう?
固定要因:水・茶葉・茶器
変動要因:淹れ方
答えは、水>茶葉・淹れ方>茶器です。
茶葉や淹れ方以上に、水の要因がお茶の香味に影響を与えるのです。
お茶の99%は水です。水にお茶の香味を乗せて飲んでいるようなものです。
水の成分は、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムの4大ミネラルと、ケイ素(シリカ)等です。
ミネラルの量によって、軟水・中硬水・硬水に分けられるのはご存知だと思いますが、ケイ素(シリカ)も、お茶の味に大きく影響するようです。
さて、どの水でどのお茶を淹れれば、美味しく感じるのでしょうか?
水とお茶の相性があるようです。
緑茶のような淡いお茶は軟水が、
軽発酵烏龍茶は軟水と中硬水が相性がいいようです。
紅茶は味わいが濃いのでどんな水でも、
ほうじ茶も香りが乗ればいいのでどんな水でも合うようです。
ただ、中〜重発酵烏龍茶や重焙煎烏龍茶だけは、硬度の低い水では上手く味わいや香味を引き出せないようです。
今回は、中〜重発酵烏龍茶、重焙煎烏龍茶の武夷岩茶の老叢水仙をいろんな水で淹れて飲み比べてみました。
用意したのは、軟水のミネラルウォータ・軟水の水道水(沸騰させてカルキ臭を飛ばしてある)・硬度を調整して作った最適と思われる水(中硬水)・代表的な硬水のevianの4種類の水です。
1煎目を淹れてみて、明らかに水色が濃く味わいが苦い水がありました。evianです。何故そうなるのかは分からないのですが、evianは味わいも水色も強くでてしまうようで、お茶業界ではevian問題というようです。
軟水のミネラルウォータは、味わいが薄くボヤけた印象でした。
水道水と硬度を調節している水は、味わいも香味もハッキリとして美味しいお茶にはいりました。
自分は、水道水の方が美味しく感じました。
2煎目3煎目と淹れましたが、水道水と硬度を調節している水どちらも美味しくはいりました。
ただ、煎を重ねていくと水道水の方は味わいや香味が弱くなってしまいました。初めは水道水自体の美味しさもあり美味しく感じていたのですが、煎を重ねるにつれてお茶の香味が乗らなくなってきたのです。
硬度を調節している水は、6煎目でも美味しくはいりました。
別々の水で淹れて飲み比べる事で、適切な水を選ぶことが、お茶の味わいや香味を引き出すのには大切な事を体験できました。
水以外でも、淹れ方で、茶葉の量・お湯の量・温度・抽出時間など、いろんな要因があります。
自分が飲んで心地いい美味しいと思えるお茶を淹れられりように、探求していきたいです。