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本当の幸せって何?-橘玲

「本当の幸せは金じゃ買えないんだよ!ダチさえいればいいんだよ!卍」という人もいれば、「財力こそ全て。金があれば人勢の問題の大半が解決する」と唱える人もいます。

どっちが正解なんでしょうか?

はたまた、違う答えがあるのでしょうか?

「幸せ」という言葉を切り取っても人によって幸せの形も違うし、人生の優先順位も違うので、答えも違って当然です
そんな永遠のテーマに対して体系的に捉えている著書がこちらになります。


橘玲さんによる『幸福の「資本」論』は「幸福とは何か」について考察した本です。著者は幸福を経済的な観点から分析し、人生の幸福を得るために必要な「資本」を3つの要素に分類しています。
この本は、経済や資産を中心に、幸福のための現実的なアプローチを示しており、現代に生きる私たちがどう資本を活用して幸福な人生を築くかを考えさせてくれます。

それでは参りましょう!



1. 幸福には3つの「資本」が必要


まず幸福を得るための「資本」を「金融資本」「人的資本」「社会資本」の3つに分け、それぞれがどのように幸福に影響を与えるかを説明しています。

金融資本はお金や資産のことを指し、生活の基盤となります。これは自由や安心感を得るために重要な要素ですが、お金だけでは本当の幸福には届きません。
人的資本はスキルや知識、健康といった、自分が身につけてきた力です。人的資本があれば仕事やキャリアにおいて価値を発揮し、社会でのポジションや充実感を得ることができます。
社会資本は人間関係や信頼といった、他者とのつながりを指します。家族や友人、職場の同僚とのつながりが幸福感に大きく影響し、孤独感や不安感を和らげてくれるものです。

幸福の「資本」論①


「金は力なり!」の金融資本
「仕事でバリバリ成長するぜ!」の人的資本
「地元の友達最高だぜ~!」の社会資本

これらの資本は単体で機能するものではなく、相互に影響し合いながら幸福感を支えると著者は述べています。

2. 自分に適した資本のバランスを見つける


幸福に至る道は人それぞれ異なるため、金融資本・人的資本・社会資本のうち、どれを重視すべきかを自分自身で理解し、バランスを取ることが大切です。

各資本の必要性は個人の性格や生活環境、人生の段階によって異なるとしています。たとえば、起業家タイプの人は金融資本と人的資本に注力しやすく、安定志向の人は社会資本や金融資本を大切にする傾向があるでしょう。このように、自分にとって何が重要かを見極め、必要な資本にリソースを集中させることで、効率的に幸福を追求することができます。

幸福の「資本」論②

お金や仕事を重要視する考えの人は「金:仕事:友達 = 4 : 4 : 2」のようなバランスになるかもしれませんし、友達がいれば特に他は求めないという思想であれば「金:仕事:友達 = 1 : 1 : 8」のようなバランスになるかもしれません。
要するに自分の思考と照らし合わせて、重きに置いている価値観に従って資本を形成していく必要があるということを橘先生は提唱されています。
何が正しいか、ではなく「何が自分にフィットするか」の感覚を大事にしてください。

あなたの適した資本バランスは、皆と同じなわけはない!
逆に世間一般と自分が異なることもあるので、自分なりの政界の割合を考えよう!

3. 人生の幸福を長期的に見据えた資本の活用

幸福を一時的な感情で捉えるのではなく、長期的な視点で見据えるために、各資本を計画的に活用することの重要性を説いています。

幸福の持続にはタイミングを見き分けることが不可欠です。
例えば若い頃は人的資本(スキルや知識の習得)に投資し、中年以降は金融資本(株式投資や不動産投資など)の安定を図ることで、経済的にも精神的にも余裕のある生活が可能になります。
また社会資本である人間関係を築くための努力も怠らず、人生のどの段階でも幸福感を感じられるよう、全体のバランスを考慮して各資本を育てることが重要です。

【注意】「全ての資本を手に入れたい!」と考える若人へ!

もしもすべての資本を手中に収めて豊かな生活を送りたい!と考えている人、特に若い人には聞いていただきたいです。

私なりのこの本のポイントとしては「全ての資本を手にするには、各資本に適したタイミングがあるということ」をご理解しなくてはいけません。

幸福の「資本論」

例えば、人的資本を獲得するために適したタイミングは青年期(大体20-30代)になります。
理由としてはいわば自分の仕事やスキルの向上をしていくためにはある程度の時間を要します。子育てをしながらプログラミングの勉強をしよう、と考えるママさんがいたとしても100%自分の時間をプログラミングへとコミットできることはありません。もしプログラミングやその他のスキル獲得のために時間の集中投下をしてくためには、妊娠以前、もしくは結婚前にしておくのが今後の時間リソースなどを考えたときは適しています。

また若いうちから金融資本を手に入れようとすることは素晴らしいですが、株式投資や投資信託への積み立てが自分へ好影響を与えてくれるのは晩年が多いのが事実です。
株式の鉄則として金が金を集めます。初期投資が1万円でスタートする人と1000万円を投下できる人とでは、リスクの大きさもリターンの大きさも違います。

具体例を出すと1万円の人が3万円を得ようすると、信用取引(リスク大)を用いて銘柄の選定を綿密に行いやっとの思いで3万円を獲得できるかと思います。簡単に言えば1万円→3万円なので「リスク300%」といったところです。
逆に1000万円の資本家が3万円を得ようとするとかなりイージーになります。1000万円を10銘柄に振って(1銘柄100万円)、その中でぴよっと上がった銘柄をすぐ利確をするだけでいいのです。1000万円→1003万円なので「リスク0.3%」です。
税金や分散投資に関して細かい話を抜きにして、3万円の人と1000万円の人とでは同じ金額を得るプロセスに関してもリスクも難易度も資本が多ければ多いほど簡単になるのが事実です。

どきちこ!

では若人よ!
この中で貯金や投資を含めて、現在1000万円持っている人はいますか!?

20代で1,000万円持っている人は全体の2.9%前後だそうです。
というか1000万円は投資を始めるのには適した金額なのでしょうか??

むしろ投資の初期投資は多ければ多いほど有利になります。であれば青年期は投資や不動産でなく人的資本を育むことに注力をし、投資に回す余裕が出てきた際に金融資産の育成の、
「人的資本(20-30代)→ 金融資産(50-60代)」
の育成プランを心に持っているだけでも人生は有利に進みます。

投資は資本がでかいものが勝つんだよ!

終わりに

おい!!
社会資本(家族・友達)について触れないのかよ!?

と、お思いの方もいるかと思いますので少し話しますね。

アンドリュー・カーネギーはご存じですか?
鉄鋼業で巨万の富を築き、その財産を教育や文化振興などの社会貢献に投じた19世紀アメリカの実業家であり慈善家です。彼のビジネスに関する言葉はどれも金言ばかりですが、何より”友”についても言及しているのが意外な点です。

「マスターマインド」という言葉で表現し、簡単に言えば同じ志を持つ切磋琢磨できる友人を持て!ということです。

私は仕事柄、様々な経営者と接してきておりますが友達のいない金持ちほどむなしいものはありません。同様に友達を自慢相手と勘違いしている人もいます。

人間関係とは利害関係を抜きにして、心から笑い合える存在のことです。
いくらお金を持っている経営者でもここは一朝一夕では創り上げることはことは出来ません。信頼関係や共に乗り越えてきた経験などから生まれてくるものでしょう。

ここを忘れないよう、人的資本や金融資本を育てて、芽吹かせていきましょう!

Best Friend


終わり!

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