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希望の見つけ方(53):トンネラー

どんな苦難の中でも
人生を投げ出すこともなく
 
もう、どうでもいいや、と
拗ねることもなく
 
するりと
トンネルを抜け出る人たちがいる
 
どうやって?
 
彼らの共通点はユーモアの力だった
 
トンネラー(tunneler)という言葉があります。トンネルをくぐり抜けてきた人、という意味合いです。想像を絶する苦難に満ちた生き方をした人たちがいます。それは貧困であったり、虐待であったり、差別であったり。ドラッグや犯罪に走ってもおかしくない。ところがトンネルから抜け出たかのように、その後、いい仕事、いい人生を送っている人達のことをトンネラーといいます。
 
パーシー・スペンサーという人がいました。(1894-1970)アメリカのメイン州生まれ。彼の父親は、製材所に勤めていました。ある日、パーシーがまだ幼い頃、回転ノコギリが突然砕ける、という大事故が起きました。破片が四方八方に飛び散り、その一つに直撃されたマーシーの父親は即死。突然襲った不幸を背負いきれなかった母親は その後まもなく家を出て再び戻ることはなかったといいます。
 
その後、叔父夫婦に引き取られたのですが、しかしその叔父もパーシーが七歳のときに亡くなってしまいました。教育は 小学校五年生の年まで受けただけ。生きるために労働に励む日々が続きました。さて、その後がすごいところ。彼は独学で電気技術のすべてを学んだのです。そして現代の私たちもその恩恵を預かっている電子レンジを発明した人として歴史に残っています
 
悲惨な境遇をまるで、するりとトンネルをくぐってきたかのような人は確かにいます。その差はいったい何なのでしょうか?「トンネラーの法則」(注)の著者であり心理学者のロム・ブラフマン(注)によると、トンネラーの共通点に「苦難を和らげるユーモアの力」があるといいます。フフっと微笑んで前に進む力のことです。パーシーもいつも笑顔を忘れない人でした。
 
ユーモアと言えば、林家まる子さんというタレントから直接聞いた話があります。昭和の爆笑王と言われた先代林家三平の夫婦ゲンカ。ある日、女遊びのことでおかみさんと大いにもめたそうです、怒り狂ったおかみさんは、なんと生卵をいくつもダンナに向かって投げつけました。とうぜん三平師匠は顔から服から汚れてしまう。彼はべたべたしたものを拭いながらひと言「きみが悪い!」。夫婦喧嘩の修羅場ですら、気味が悪いと、卵の黄身をかけたしゃれを言えるってすごい。爆笑王はトンネラーでもありました(笑)。
 
 
◎「カイゼンひとくち英語」
Always remember to have a sense of humor.
どんなときもユーモアを忘れないでね。
 
(注)参照「トンネラーの法則」、阪急コミュニケーションズ刊。
 

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