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エッセイ『2000年代物書き盛衰記〜 ゼロ年代真っ最中に小説家商業デビューした私だがなぜか干されてしまって怪しい評論家もどきライター兼講師に?』 ⒈ 「ライター稼業」編  その1 「12年前のライター業」

エッセイ『2000年代物書き盛衰記〜 ゼロ年代真っ最中に小説家商業デビューした私だがなぜか干されてしまって怪しい評論家もどきライター兼講師に?』 
⒈ 「ライター稼業」編  
その1 「12年前のライター業」


 あるきっかけで、自分が昔やっていたライター業が、現在はすっかり待遇が変わってしまっていることを知った。今もし自分がライターであったら、とても生計が成り立たないレベルの報酬と仕事内容であるようだ。
 そこで、時代の1つの証言として、12年前のライター業の実例を書きとめておこう。

《2008年〜2010年 ライター業の仕事先とのあれこれ》

 筆者は、2008年からライター業を始め、2011年ごろには講師業と作家の方にほぼ移行した。だから、ライター業をやった期間は3年弱だ。
 それでも、あの当時のライター業の実態と、現在、耳にするライターの仕事とがずいぶんかけ離れてしまったように見える。
 今現在、ライター業でやっている人々に、何らかの参考になれば、と思い、記録しておく。


⒈ 携帯(ガラケー)サイトの記事ライティング


受注元:中小広告会社
(西新宿のビルにオフィス有り)
業務:携帯サイトレビューのライター
期間:2008年2月〜3月(毎月ごとの契約更新)
※1ヶ月で受注元会社の案件が消滅し、終了

ギャラの合計:99,000円
(1記事ごとのギャラ計算)

この案件は、とあるツテで紹介してもらった仕事だが、やり始めてみると、なかなか調子よく書いては送り、書いては送りして、ギャラもきちんと振り込まれていた。これなら当分続けられるぞ、と思っていたのだが、突然、年度替りのタイミングで、案件そのものが発注元の中で見直されて、なくなってしまった。
当時はまだガラケーで、ガラケーサイトのあの小さな画面にうまくおさまる文字数というのがけっこう難しかった。同じように、ケイタイ小説にも挑戦していたのだが、ケイタイ小説のレイアウトの練習としても、なかなか役立つ案件ではあった。


⒉ 占いサイトの記事ライティング


受注元:業界では有名な占いコンテンツ配信会社
(JRの車内映像などでよく流れていた)
(オフィスは恵比寿駅前のビルにあった)
業務:占いコンテンツのライティング
期間:2008年6月〜ほぼ2年間(契約内容がその間に数回、変更された)
ギャラ:1字1円で約20000ワード/1記事
※業務の詳細
記事の対象は中高年。
某検索サイトでアップされる占いコンテンツ記事が中心。
契約書は最初に交わして、その後、数回変更。
受注元会社の制作管理、財務管理と直接面談した。
コンテンツの編集業務は別グループが担当とのこと。

 この占いサイト案件で、世間にあふれている占いサイトが実はライターさんの手になる文章だということをまざまざと見聞した。自分がいざ、書こうとすると、占いの文章というのは難しくて、結構な頻度で直しが入ったりした。
 何しろ、このサイトの占い文は、本職の占い師がヒント的に断片を書いたものを、きちんとした占い文章に書いていかなければならない。いかにも占い師のような文章にするのが、とても手間のかかる仕事だった。報酬も、1文字1円、原稿用紙1枚分書いてもたったの400円にしかならない。とにかく量をこなさないとお話にならない仕事で、こういうのがライター業なのだなあ、とこの仕事の厳しさを実感した。
 この案件、途中で担当が何度も変わり、仕事のテイストが変化していって、2年のうちにずいぶんと待遇も悪くなっていった。この業界自体が変化していく最中だったのかもしれない。


⒊ 書籍(実用書)のゴースト・ライティング

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