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「手作り&プロ」の理由

店主さんや仲間も参加型にしている理由

 僕たちチームDIOが、店主さんも手作りで工事に参加してもらうのは、理由がいくつかあります。

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 一つ目は、プロだけで作るデザインは、やっぱりビシッと仕上げるので「引き締まった空気感」の店内になるのですが、逆に「ゆるい空気感」の表現が苦手です。

 ふんわりとした表現は、店主さんの手作りには絶対に勝てません。店主さんが自分で塗装したテーブルなどがインテリアに加わると、それがとても暖かい(和やかな感じの)お店の雰囲気にデザインできます。
 (※それはプロがデザインする暖かみとはちょっと違う、なんかホンワカした体温のある暖かさ(温かさ)のある表現になります。)

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 ※しかし、全部手作りにするとゆるくなりすぎるので、おさえるべきところはプロがきちんと設計することでバランスを調整しています。
 ロゴマークや看板のデザインなどは、プロのデザイナーがトータルでバランスが整うようにサポート調整してまして、施工もプロの看板屋さんに施工してもらっています。

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 ※厨房の調理器具のレイアウトや搬入のスケジュール調整など、専門業者とのやりとりも、業界用語も多くわかりにくいので、そのやりとりはプロ同士でで行っています。

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二つ目の理由は、来店を促すキッカケを増やす狙いもあります。

 店主さんが手作りをしているプロセスを、工事の途中からSNSで伝えることで、お店がオープンした後に「あの手作りのテーブルを見てみないな〜」」「手作りのお店ってどう完成したのか見てみたいな〜」など、建築への興味からの動機で、来店するお客さんも少なくありません。

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 店主さんの仲間がお手伝いに来ることもよくあります。そこからの口コミで、お店を知ってもらうことが少しでも広がればと思っています。

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 三つ目は、お店の宣伝のスタートを早めたいという意味もあります。オープン後に広報をスタートするよりは、オープン前(約2ヶ月前)からジワジワとお店のことをお伝えすることで、オープン後の集客の初速を上げるお手伝いができたらと思っています。

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 お店のファンを増やすことを考えた時に、実はオープン前のタイミングが、ゴールデンタイムです。いつも調理をしている人が、慣れない工事に、汗をかいて一生懸命に工事をしている姿は、共感を集めるキッカケになります。

 意外な表情の写真が撮れたりするので、お店の商品というより、店主さん本人のファンが増えるような気がしてます。

大型店舗やフランチャイズ店舗との差別化

 「ストーリー型建築」は、大規模のお店や、効率的に出店を展開するようなお店には全く向いていないと思います。しかし、僕らが応援したい、自分で何かをやってみたい人、自分らしく一歩踏み出したいと思う人(=発起人さんと呼んでいます)のお店は、スモールビジネス、ローカルビジネスが多いので、どうやって大型店や、フランチャイズ展開のお店と差別化したら良いのかを考えてきました。

 大型店やフランチャイズ系のお店と、価格や広告で勝負しても勝ち目はないと感じています。逆に、大型店やフランチャイズにはない「あの人を応援しよう!」というような「人の良さ」に共感して来店してもらったり、「あのお店に行くと元気になるよね〜」というような「想い」に共感してもらうようなお店の設計を考えています。


コロナ時代の店舗設計とは?

 コロナでお店に行くことがへり、「通販」や「お取り寄せ」も増えました。でも、お取り寄せが便利になったからといって、「全てお取り寄せで済んでしまうか・・・?」といえば、やっぱりそうではなくて、誰かとおしゃべりしたり、出会いがあったり、人と人とがつながる場所だったり、「久しぶり〜。元気だった〜?」「お〜〜。最近どう?」と声をかけてもらえるお店って、とても大事な場所になると思っています。

 お取り寄せ通販では感じられない「顔見知りとの雑談」や「なんとなくゆるいつながり」があること、「ふらっと寄ってみてたら素敵!」という偶発性、「今日は家に帰る前に一息入れてから帰ろう」という息抜き。そんな効率的ではない人間らしいことが求められてきているように思います。

 大手フランチャイズ店舗のマニュアル通りの「いらっしゃいませー」の挨拶よりも、小さなお店の顔見知りの店主との「久しぶり〜。元気だった?」という声がけの方が、これから時代に求められることだと思っています。

 大企業やフランチャイズと差別化するには、そこに共感がありファンが集まるか?、商品も大事だけどコミュニティのような空気感のある店か?、そこがポイントのように思います。

 コロナで飲食業の店づくりも変化してきたと思います。いかに店主さんの人柄の良さを伝えて、人につくファンを増やし、ファンとファンも顔見知りになって、そこにコミュニティを育てるかが大事になってきたように思います。

 「ストーリー型建築」は、ここ育てるための手段と思っています。


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