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【結社誌を読む】「陸」1月号より

ご縁があって送っていただいている「陸」誌。
感銘句をひたすら綴りたいと思います。
当初の予定より大変遅れました。ごめんなさい。

白犀は死火山のよう辛夷咲く    中村和弘
心臓に紛れてゐたり冬の鹿     大石雄鬼
嵌め込みの如き湖秋高し      淺沼眞規子
雁渡る天女の欠けし来迎図     大類つとむ
麻酔室にゴーヤーをもぐ気配かな  瀬間陽子
芒原漕げば忘れていた素顔     佐藤禎子
ボストンの花フェノロサの毀釈仏  今田述
小鳥来るやたらに手摺多き家    堀尚子
秋の虹吐いてやさしい荒野かな   佐々木貴子
読みさしの「歎異抄」に挟む虫の声 阿保子星
塵取りに泥禍の重さ虫すだく    吉川孝子
草間彌生の忘れて行つた蜻蛉の目  古川章雨
絵葉書の一輪ゆらす秋気かな    土岐詳恵
しゆろの葉に土星かかりて十三夜  佐々木達治
菩提寺や一気呵成の彼岸花     別所弘子
ジョナゴールド螺旋に剥きて戦中派 高橋仁
尼寺や風の音する芙蓉の実     藤倉頼江
白内障のモネの記憶は水澄めり   小橋めぐみ
大道具係名月も置く村芝居     瀬間ろ敏
積読の正しく傾ぐ夜半の冬     つつゐ怜
  
名月や最古の盃は木の葉にて    小長光吟子
逃避行からこぼれる手足貝割菜   三宅桃子
十薬の葉葉焼き爛れ狂夏去る    長谷川隆

「陸」1月号より

「陸」編集部よりご恵送いただきました。
 ありがとうございました!

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探花
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