AIが生成したアートを『好き』になれるか
あなたはAIを使って何かしらの作業をしていますか?
こちらのニュースはAI"が"描いた肖像画が2億で売れたというもの。
僕が普段やってるStable Diffusion"で"イラスト生成するような話ではなく、
AIを搭載した人型ロボットが『描いた』らしい。
これにより、AI搭載ロボットが描いた絵がアートとして価値が認められた
かのようなニュースでした。
AIを用いて生成したイラストや写真(のようなもの)についてはいろいろと賛否ありますね。
AIで描いた
AIが描いた
本人からすれば意味が違うけど、受けてからすれば
AIがになっちゃうのかな。
それを言い出したら、「直筆かデジタルツールか」もずっといろいろ言われてきました。
ITやAIが仕事を奪う
そんな側面も感じてしまうようなニュースです。
キリがない
あなたはAIが描いたイラストを好きになれるか
について少し考察してみたい。
観点がいくつかあると思います。
①アートとして(芸術的価値)
②素材として(ツール的価値)
③ものづくりとして(こだわりの価値観)
③だけ価値"観"なのがミソですわね。
僕は以前、副業のために
いわゆる絵師さんに発注してイラストを描いていただいていました。
冒頭のニュースは芸術の話だから
買う側からすれば①のケース
しかし、アーティスト側からすれば③の価値観のバイアスが掛かると思います。
『ヒトのイマジナリーではなく、ヒトが手を動かしていないものをアートと言えるのか』(代弁)
それもわからなくもない。
AIもITも半ば自動にみあるものが『ズルい』って見えちゃうんだろう。
けどそこはアーティスト本人が頑張るところでAIがは否定されるところではない気もする。
AIが描いたものをアートと呼ぶな!
ではなく、
AIよりもヒトが描くものの方がよりアートで素晴らしいものだと証明して欲しい。
ヒトはヒトが好きだからきっと大丈夫なのです。
②の素材も似たようなこと。
さらに絵師さんや、イラストレーターさんはお仕事にも直結する。
イラストや写真のようなものが出力される生成AIの発達は凄まじい。
作曲も作詞も振り付けも可能になった。
あらゆるデジタルな創作物がAIで可能になるのは目に見えている。
それでもあなたに頼みたい
そう思ってもらえるかが仕事でしょう。
ちなみに、
Stable Diffusionなどでnoteのアイキャッチ画像を作り出して1年くらいになりますが
実はあんまり上手くいかない。
AIの勉強もしてるし、いろいろ試してるけど
なかなか言うことを聞かない。
それはいろんな設定や調整やプラグインを駆使してようやくできる『匠』の技術が必要で、
それなりのスキルが必要。
なら、手書きと生成AIを操る『人のスキル』レベルにどんな違いがあるんだろう。
僕が生成AIでイラストを『描く』のに足りないものは道具としてのStable Diffusionのスキルと
そもそもイラストを描くという知識がないと言うことだ。
なるほど。
書きながら腹落ちして来た。
イラストがわかってない僕が
『なんとなくこんな感じのやつ』
みたいなプロンプトを投げかけたところで
AIはそれを一生懸命に察して『なんとなく』を出してくるわけだ。
あいまいな指示を出す上司と、
頑張った若手のアウトプットを見て
『思ってたんと違う』
という悪質なやり取り。
地獄かな。
しかし、AIは挫けない。
しかも何千枚も提案してくる。
その中には『近いもの』が出てくる。
その近いものに手を加えて及第点にしていく。
それでも、自分の手で描くよりも数億倍良い。
というだけ
③のものづくりとしての話になってしまった。
ものづくりとしての話をもう少し深掘りしてみます。
いつ
誰が
どこで
何で
何を
どのように
いくらで
5W2Hで考える。
これってイラストというアウトプットをどのようにゲットするかというプロセスの話になるね。
When
いつでもそして短時間で数千枚の提案が出てくる
Who
自分でできる時代に
How
生成AIやアプリやツールで
What
自分好みのイラストを
(ただし現時点ではそれなり品質だろう)
Where
自宅で、スマホならどこでも
How much
選ばなければタダで始められる
んー、これって『内製化』だな。
DX化って言える現象なのかもしれない。
ものづくりという観点では、
生成AIはプログラミングに関しても仕事を奪ってるようにみえる(でしょ?)
けどそれは違いました。
プログラミングがわかる人がAIを使わないと良いものは出てこない。
つまり手間を省いて出力が速くなっただけで
素人がやって上手くいく世界はもう少し先なのだ
(けど、ほんの少し先なだけ)
工場生産の住宅パーツがでたときに大工さんはどう思っただろう。
3Dプリンターで自動車がプリントアウトされるのを見た時の僕の衝撃。
PowerAppでノーコードでアプリ作れるようになったときのプログラマの憂鬱。
カップラーメンを食べる人をみたラーメン屋さんは何を思うのか。
冷凍食品で夕飯を済ませたときの罪悪感(ある?)
そうやって時代は変わっていく。
ヒントは『一蘭監修のカップ麺』にあると思う。
これまで永くカップ麺化を拒んできたように見えてた一蘭が急にカップ麺化した。
コロナ禍が影響してるのかな。
製造はエースコック株式会社。
お店まで行かなくても『一蘭』と名のつくカップ麺を食べたい方には良いんじゃないかな。
これを一蘭の勝ちと見るか負けと見るか、
僕は勝ちだと思う。
一蘭はカップ麺の『学習データ』になったんだ。
これはONE PIECEのアプリで作れる『ワンピース風の自画像』
自分の写真をもとに尾田先生チックなイラストが生成されるサービスです。
尾田先生はAIの『学習データ』になったんだ。
現在はまだまだ描いてもらった感じはないけど、
集英社がサービスとして耐えうると判断したクオリティは出せているということ。
尾田先生は1mmも手を動かさずに稼ぐことができるなったわけですね。
ビジネスとしては勝ちでしょうよ。
その上で、『餅は餅屋だ』とは思っている。
僕は絵師さんが描くイラストが大好きです。
とくに、
顔がわかる知り合いの絵師さんの絵が好きで、
生産者フィルターがかかってるのかもしれない。
イラストが素敵と思うのと同時に、
こんなイラスト描けるなんて素敵な人だな
と思うんですよね。
だからみなさんが描くイラストを素敵だと思っています。
AIや他人が何をしていようと、
自分がどんな手段でどんなコストをかけて
お客様にアウトプットを届けるかというだけ。
改めて問う。
あなたはAIが描いたイラストを好きになれそうですか?
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