さあ、大学受験を始める!でも何から始めればいい?ゼロから有名国公立大学に合格できる数学の教材とスケジュール
「進学校や塾・予備校に通っているけど、数学の全体像が分からない」
「初めての大学受験で、数学はいつ何をすれば間に合うのか知りたい」
「どの教材を使えばいいのか分からない」
こんな悩みや不安はありませんか?
その不安はとても重要で、まさに「自分に合った計画」を準備してそれに合わせて勉強することができないと、国公立大学やMARCH以上の難関大学に合格することはできません。知性と戦略と圧倒的努力が必要です。偏差値を10以上あげて合格することは10人に1人しか達成できない難しいことですが、手順を踏めば不可能ではありません。
高2または高3の受験生、もしくはその保護者に向けてお伝えします。
有名国公立大学…旧帝国大学や東京外国語大学、筑波大学、東京農工大学、横浜国立大学、大阪公立大学、東京都立大学
数学はいつから、どの教材を使えばいいのか
大学受験数学の勉強法は幾多の議論や主張が巻き起こっています。
「教科書絶対主義」「青チャート不要論」など、成功者が自身の体験を元にした様々な要不要論・成功法が主張されています。
ただ私からするとその受験生の受験勉強の「始点」と「終点」によって、その受験生にとっての正解は千差万別です。
大学受験に成功した指導者が「もし仮に自分と同じ条件だったら」青チャートが良い、悪いなどの判断を下すことができるのですが、受験勉強を始めるタイミングでの数学の学力や、志望校合格のために必要な数学の形式や配点によって適した勉強法や教材、スケジュールは全く異なります。
受験生によって事情は全く違うので、誰にでも当てはまる普遍の勉強法や参考書コースは存在しません。自身にあった状況を細かく整理して教材やスケジュールを決める必要があるのです。
「どんな場合であっても唯一の正解はこれである」と押し付けがちな先生や指導者には注意が必要です。大学受験の指導者は「俺について来い」タイプは適していないのですが、こうした背景があります。
勉強法の書籍やWebメディアの記事でも、勉強を始めるタイミングを場合分けして説明しているものは少ないので、改めて詳細にお伝えしていきます。
あなたが受験勉強を始めるタイミングの数学の実力の測り方:始点
まず、あなたが本格的に受験勉強を始めるタイミングでの数学の実力について、状況を整理しましょう。
塾や予備校などに通って数学の授業を取ってきて、まあまあ自信がある
自信はないものの、そこそこの進学校で定期テストも平均以上程度は維持してきた
数学は定期テストの前に復習するだけで自習で勉強したことはほぼ無い
高校で数学の授業は受けたことはなく中学レベルの二次関数なども怪しい
始点に関して、あなたはどこに当てはまるでしょうか。
あなたの志望校:終点
次に、数学の最終的な目標について状況を整理します。どのような志望校で数学を使用するのか。
旧帝大レベル・早慶の個別試験で数学を使用する(合格最低点である65%程度を得点したい)
旧帝大以外の国公立・MARCHの個別試験で数学を使用する(合格最低点である65%程度を得点したい)
上記以外の大学で数学を使用する(合格最低点である65%を得点したい)
共通テストで80%以上の得点が目標
共通テストで70%程度が目標
終点に関して、あなたの目標がどれが近いですか?
始点と終点によってあなたが取るべきパターンは異なる
主なものでも上記で紹介したように始点の4パターンと終点の5パターン、合計20パターン存在し、それぞれのパターンによって使うべき参考書や教材、スケジュールも全く異なります。
もっと細かく言えば、受験勉強を本格的に始めたタイミングから入試日まで何ヶ月あるのか、他の教科の得意不得意や志望校での配点によっても変わってくるので、実際には何千パターンもあるわけです。
志望校や今のレベルに関わらず、数学は何を学ぶ科目なのかを理解する
ここから志望校ごとの参考書をご紹介していくことになりますが、具体的な参考書には関係なく、どの参考書でも共通して「数学では何を学ぶべきなのか」について知っておいてください。
数学を勉強していく上では以下の3つの力を育てていく必要があります。
○ 基礎知識(公式や計算の決まりを覚えているか)
○ 解法の定着(典型的な解法を覚えているか)
○ 計算力(計算スピードとケアレスミス)
では、具体的にやるべきことをお伝えしていきますね。
今の成績と志望校によってやるべきことを整理する方法
まずは終点から
数学をどうやって勉強するかを考える上で、まずはゴールにフォーカスして、ゴールを達成する直前の状態を目標にします。
旧帝大レベル・早慶の個別試験で数学を使用する(合格最低点である65%を得点したい)
旧帝大レベルを目標にする場合、直前の理想のゴールは8月に1対1対応の数学 - 東京出版か、数学のプラチカ - 河合出版を始めて30-40%程度は解ける状態になっていること、また9月から志望校の過去問を始めて40%程度は得点できる状態になっていることです。
入試レベルの難易度の高い参考書はこの2つ冊が有名ですので、旧帝大レベルや早慶を目指す場合にはほぼ全員このどちらかの参考書を使うことをおすすめします。
1対1対応やプラチカなど難しい参考書を始めるための条件
この段階の目標を達成するための直前の段階の目標として、有名な青チャートを例に上げるとコンパス3までの例題を80-90%程度自力で解けるようになっていることです。
では、青チャートのコンパス3までの例題を80-90%程度自力で解けるようになるためには、どうすれば良いのでしょうか。
青チャートはIAIIBでコンパス3までが(400題程度)あります。週に12時間ほど数学に時間を使えるとすると週に50題ほど進むことができます。
1周目は全ての問題を解いて、2周目以降は間違えた問題を中心に、3周かけて全体が解けるようになるとすると青チャートIAIIBの全体が解けるようになるためには1000題ほど解く必要があります。
では青チャートを始めるために求められる条件はあるのでしょうか。
先ほどご紹介した「あなたが受験勉強を始めるタイミングの数学の実力の測り方:始点」を改めて見てみましょう
高校でも塾などに通って数学の授業を取ってきた場合
そこそこの進学校で定期テストも平均以上は維持してきた場合
数学は定期テストの前に復習するだけで自習で勉強したことはほぼない場合
授業でもほぼ受けたことはなく中学レベルの二次関数なども怪しい場合
高校でも塾などに通って数学の授業を取ってきた場合
そこそこの進学校で定期テストも平均以上は維持してきた場合
上記2つの場合は本格的に受験勉強を始めるタイミングで青チャートから始めても大丈夫かもしれません。もし判断できない場合には旧センター試験の過去問を2年分解いて採点してみてください。大問ごとに採点してみて、半分程度得点できている分野は基礎の基礎は一応身についている状態ですので、青チャートを始めても大丈夫でしょう。
逆に各大問の(1)から怪しい問題がある分野に関しては青チャートから始めるのは危険です。青チャートは標準レベルの問題や解法は網羅的で使い勝手が良い一方で、基礎の基礎レベルの解説や使い方の説明は省略されています。
旧センター試験の(1)でも怪しい分野は青チャートから始めるのは危険ですので、もっと基礎レベルの参考書から始めることをおすすめします。
青チャートを始める前の教材・参考書
青チャートを始める基準をご紹介しました。
では、青チャートを始められるレベルの力を自習で身につけるためにはどうすればいいのか、ご紹介します。
教科書傍用問題集
4ステップ、4プロセス、クリアーなど学校で配られた教科書傍用問題集でも基礎から力をつけることができます。
学校で一度触れた問題もあるでしょうし、基礎的な問題はひと通り載っており構成も簡潔なのでぜひ使いたいところですが、解説がシンプルであまり詳しくないので、全くゼロから使うというよりはすでに学校で使ったことがあるものとして復習用に使うのが向いているでしょう。教科書傍用問題集を使う場合にはB問題まで全ての問題を何周もして定着させれば旧センター試験で50-60点を取れるようになっているはずです。
マセマシリーズ
「初めから始める」シリーズ、「初めから解ける」シリーズなど、全く独学のレベルから標準的なレベルまで解説が充実している参考書です。市販の数学の参考書では最も総合力が高いシリーズです。マセマシリーズで進める場合には「元気に伸びる」シリーズまで定着させていれば旧センター試験で50-60%は得点できるようになっているでしょう。
仮に本当のゼロから旧帝大・早慶を目指すなら2年以上かかる
ここまでの話をまとめると、もし仮に中学卒業程度のレベルから旧帝大・早慶に合格するためには、マセマの「初めから始める」シリーズ、「初めから解ける」シリーズ、「元気が出る」シリーズ、「元気に伸びる」シリーズ、青チャートコンパス3まで、1対1対応の数学を進めていけば良いわけです。
ただ、これらを全ての問題数を合計すると約1700題もあります。定着させるためには2-3周する必要がありますので実際に解く問題集は4000-5000題となります。もし仮に本当に中学卒業程度のレベルから旧帝大・早慶に合格するためには、毎日数学を1.5~2時間勉強したとして2-2.5年ほど必要です。
ただ、多くの受験生は学校の授業などを受けていたり、使っている教材が違っていたりして省略できるところがありますので、状況に合わせて柔軟に変えていくことになります。
旧帝大レベル以下の国公立・MARCHの個別試験で数学を使用する(合格最低点である65%を得点したい)
ここまで、ゼロから旧帝大レベルに合格するまでの進め方をご紹介してきました。次にゴールが旧帝大・早慶ほど難しくない場合をお伝えしていきます。
旧帝大レベル…旧帝国大学や東京外国語大学、筑波大学、東京農工大学、横浜国立大学、大阪公立大学、東京都立大学など
旧帝大レベルでは1対1対応の数学や数学のプラチカを8月には始めたいとご紹介しましたが、旧帝大レベルよりも難易度が低い場合には、合格最低点である65%を取るためにはこれら2冊の参考書は必要ありません。(もちろんできるならやったほうがいいです)
例えば、青チャートの例題のコンパス3まで、黄色チャートの全ての問題、基礎問題精講、これらいずれかのレベルの問題がスラスラと解けるようであれば、あとは過去問を6年分ほど解いて解法の抜け漏れを埋め続ければ個別試験でも合格最低点の65%は得点できるようになるでしょう。
10月から過去問を始めて最低40%程度得点できる力がついていれば、良いペースに載っていると言えます。
ちなみに黄色チャートはほぼ入門レベルから地方国公立大学までカバーできる参考書です。学校の数学の授業を少し覚えているようであれば、黄色チャートで勉強のし始めから個別試験対策までカバーできるかもしれません。
共通テストで80%以上を目指す場合
旧帝大レベルが志望校の場合には、共通テストの数学では80%程度の得点を目指すことになるでしょう。
共通テストで80%以上を目指す場合には、上記の旧帝大や早慶のための演習に加えて共通テスト形式に慣れる必要があります。共通テストの過去問数年分と、各出版社から出版されている共通テスト実戦形式の問題を解いて解説を読み、共通テスト独特の誘導に慣れてください。また共通テストは時間が厳しい試験でもあるので、80%以上を安定して狙うためには各大問で求められていることを早く見抜く必要があります。その視点でも演習を積み重ねて時間感覚を養ってください。最低でも6回分、可能であれば15回分は解いて復習を行なってください。
共通テストで70%程度を目指す場合
旧帝大レベルではない国公立大学を目指す場合には共通テストは70-75%の得点を目指すことになるはずです。
共通テストで70%程度を目指す場合にはここまでご紹介してきた青チャートのコンパス3までを8割解ける状態にした上で共通テスト形式の問題演習を行います。
黄色チャートの場合には全範囲解けるようになってから共通テストの過去問に移行してください。
まとめ
ここまで、はじめての大学受験で数学を使う場合に、いつ、何から始めればいいのかをご紹介してきました。本文の中でもお伝えしたように終点と始点によってやるべきことは千差万別ですので、もしご自分のやるべきことが分からないければ私のXかInstagramまでご連絡ください。
他にも大学受験で志望校に合格するための自分のスケジュールや計画の立て方もご紹介しています。
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