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エベレスト街道旅行記20日目(2022/05/07) カトマンズ観光(スワヤンブナート、ダルバール広場、夢の庭、パシュパティナート)

今まで寝てる時ひたすら寒くて、布団を何重にも重ねて寝袋にくるまっていたのに、カトマンズは短パンでもむしろ暑くて新鮮です。

服を数着しか持ってきてないので、山で着ていた服をランドリーサービスに出しました。

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朝食は久しぶりのホテルバイキングです。日本でも最近はあまり見ません。テンション上がって食いすぎました。山で痩せた分が戻りそうな気がしました。

カトマンズでは時間もたっぷりあるので、ゆるゆるとカトマンズ近郊の観光名所を巡ることにしました。
多拠点を転々とするRPGから単拠点タイプのRPGへの変更ですね。
ネパールは土曜が休日、金曜が半ドンだそうで、土曜は休日なので空いてない施設とかもちらほら。とりあえずは今日は徒歩で行ける範囲のカトマンズ観光をしようと思います。

ただお出かけするのに短パンしかなかった(長ズボンはクリーニング出してた)ので、トレッキング中履いてたタイツを履こうかなと思ってトレッキングで使ってた袋を開けたらえらい匂いがしました。ちょっと暑いけど夜に使っていたヒートテックを使用することにしました。

スワヤンブナートまでは宿から歩いて40分くらいです。40分ってそこそこ距離あるのですが、もう慣れてしまったので、「すぐそこ」的感覚です。
ちなみにカトマンズには鉄道が走っていません。なので主な移動手段がバスやタクシーなのですが、正直バス近郊移動にはハードルが高いし、タクシーは交渉がめんどいです。なので多少の距離であればあれば歩いたほうがいい、と踏みました。

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ただし、これもかなりヤバいところがあって、まずカトマンズは恐ろしい量のバイクや車が走っています。機能している信号なんてものはカトマンズにはなく、みんな隙を見て車をガンガン割り込ませてきます。そして市街地でも道がかなり悪いです。雨が降れば溝は水浸しになり、たくさんの路駐の車が道を塞ぎます。隅っこでは犬が寝ています。それらを巧みに避けながら歩く必要があるのです。
歩きスマホなんてできたもんじゃありません。一度歩き始めたらある意味エベレスト街道よりも怖い世界です。

そして何よりも怖いのが、幹線道路の横断。そもそも幹線道路なのでしょうか。片道1.5車線くらいの道路にはバイクや車がひっきりなしに来ます。ここを横断するにはどうすればいいのでしょうか。
まずは隙を見ることです。なぜか車やバイクが来なくなるタイミングがあるので、そこで焦らず歩みを進めます。人が歩いているところに突っ込んでくる車はさすがにいません。そして真ん中の車線まで移動します。同じことを反対側でもします。めちゃくちゃ怖いですが、これがカトマンズの日常です。
あとはどうしても無理なら待っていると必ず同じ方向に行こうとする誰かがいる、もしくは渡ろうとしている誰かを探して後ろについていくことです。あと気がつかないけど横断歩道があるところもあります。誰も見ちゃいませんが。

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しばらく歩くとなんか三条辺りを思わせる、京都みたいな街並みがありました。京都に失礼だと思ったあなた、カトマンズに失礼です。少なくとも歴史は同じぐらいありますからね。

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そこからは少し高台に登っていくので、街が綺麗に見えます。カトマンズの家はカラフルです。

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そうこうしているとスワヤンブナートに到着しました。

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スワヤンブナートはモンキーテンプルと言われるほど猿が多いです。確かにすごい数。モノを食べると奪われるらしいので注意です。
このスワヤンブナートはネパールを代表するストゥーパです。丘の高台に作られたスワヤンブナートからはカトマンズが一望でき、清水寺に近い趣があります。
この丘の高台にどんどん登っていきます。

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そしたら、途中で声をかけられました。オフィスみたいなところで入場料を支払わないといけないらしい。でもほとんどの人はスルーされてます。なぜ俺だけ・・・。地球の歩き方にも入場料については書かれていたのでいいのですが釈然としない気持ちも。

どこからきたの?って聞かれて日本、っていうと「コンニチハー」と言われる。まぁこれ気を引くための常套手段ですがね・・・。

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ゲートから少し上がったところが頂上になっていて、大きなストゥーバが。

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ストゥーバを取り囲むようにマニ車があって、それを回しながらお参りしています。ストゥーバ以外にも寺院や小さな博物館とかもあります。とにかくお参りする人ですごいです。

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観光客以外にも地元の人がめちゃくちゃ来ている印象です。寺院の中では読経をしていて、ちょっと日本ぽかったです。

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少し降りたところにも広場があり、車で来た人はこちらから登ってくるようです。

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この丘周辺を散歩していたら、足元に何かがちらつくと思ったら、蛇!!
猿だけでなく蛇もいました。

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遠くにゴンパも見えます。何かの遺跡みたいでかっこいいです。

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ストゥーバ周辺からはカトマンズが一望できてとてもいいです。カラフルな建物がいいですね。

スワヤンブナートをあとにして、また再びほぼ命がけでホテルに戻り一服したあと、続いてダルバール広場へ。ダルバール広場はタメル地区にあり、ホテルから歩いて10分ぐらいですぐ着きます。バイクがガンガン通る細い路地を通過して、ですが。

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ルクラでもそうでしたが、選挙活動をやっていました。ちょうどこの週末が選挙らしいです。
ちなみにネパールは共産党が強く、鎌と槌の共産党シンボルが至るところにありました。あと、識字率を鑑みて、投票時には入れたい政党に「鉤十字」のような形のハンコを押すそうです。
そのため町の至る所に「鎌と槌」と「鉤十字」がならぶという、歴史を考えるとなんともいえない光景が広がっていました。

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ダルバール広場はネパール人はふつうにはいれるのですが、観光客は1000ルピー支払わないといけません。気づかずにゲートをくぐったらしく、また声をかけられました。エベレスト街道ではさんざんネパール人扱いされたくせに、こういうときは適切に外国人だと判断して声をかけてきます

中に入ると、とにかく謎の笛とか首飾りをうる物売りでいっぱいです。歩いてるだけでハローハロー、マイフレンド、ニーハオ、コンニチハー声をかけられます。かなり鬱陶しいです。あと自称ガイドもいっぱいついてきます。1人でゆっくり見たいので全部追い返します。

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ここの一番の目玉は、クマリの住むクマリの館です。

クマリとは生きた女神のことで、初潮前の少女が選ばれ、この館で姿を隠して暮らすそうです。特にカトマンズのクマリが重要なのは、王に向かって託宣をする、ということです。クマリは然るべきお布施を支払うか、お祭りのタイミングでしかみることができません。
自分が言ったタイミングでは、この「お布施」をした人がいたらしく、合掌して待っている人がいました。これは出てきそう、ということでしばし待つ。
なんかおっさんが出てきたけど、これはお付きの人っっぽい。合掌してる人となんか話してるのでもうすぐ出てくるってことか。
そしてクマリ登場。写真を撮ることはできません。イメージしていたクマリよりなんか堂々としていました。そりゃこういう生活をしていたらそうなるよな。
ちなみにクマリは初潮後は任を解かれて普通の人として暮らすそうですが、なんか元子役的なしんどさがありそうですね。お忍びで海外旅行をしてクビになったクマリもいるそうです。

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ダルバール広場の他のコンテンツはあまりなく。もともとここはハヌマン・ドカという宮殿だったのですが、そこは博物館になっていました。無料で入れると思ったらお金を払う必要があるらしい。

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あとは色々な像が祀られていました。地域住民の信仰の場、という意味も強そうです。

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でかい顔の像も。

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あとお祭りみたいなのをやっていて、結構な面積がとられていました。寺院とかのんびりみたかったのになー。ほぼクマリ見物料みたいな感じでした。まぁそれでいいっちゃいいんですが・・・。

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ちょうど昼時になってきたので飯へ。ムクティナートタカリキッチンという店に行きました。ホテルの真前だったんですが、激うま。
パパドがパリパリしてうまく、パパドがうまい店はうまい、という法則が自分の中でできあがりました。

エベレスト街道の時より全然距離は歩いてないんですが、気温のせいか気疲れするせいか、なんかすごい眠い・・・。ので仮眠をとって午後の部へ。

次に向かうのはネパールを代表するヒンドゥー寺院、パシュパティナートです。普通はタクシーとかで行く場所なんですが、ケチって徒歩です。といっても1時間ぐらいなので、まぁ徒歩圏内ですね(感覚が麻痺った)

パシュパティナートに向かう道の途中、タメル地区の入り口あたりにいきたかったところがあったのでついでに寄りました。その名もガーデンオブドリームズ、夢の庭。

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旧邸宅を改装して作られた庭園らしく、ちょっとおしゃれな雰囲気。
地球の歩き方では入場無料ってなってたんですが、400ルピー取られました。しかも払ってすぐとのところでもう一度チケットを見せないといけないのをスルーして怒られた。すぐ隣で買ってるやん。見ろや。

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中に入ると、割と人がいっぱいいてそこらじゅうで写真を撮っています。ここはインスタ映えスポットか???
ネパール人というよりインド人観光客っぽいのが多い気がしました。
確かに庭自体は綺麗だけど、あまりにもみんな写真撮りすぎでちょっとゲンナリ。

歩き回っていると、声をかけられました。
ここで再びシャワーズ夫婦に!!ゴーキョ・リでさよならをいったのはなんだったのでしょう。フワッと再会を果たしました。

そんなこんなで満足したので、パシュパティナート行きを再開します。

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大通りを2つぐらい抜け(これ自体がめっちゃしんどい) 、しばらく歩くとタメル地区の喧騒を抜け、ローカルなカトマンズの雰囲気になります。それはそれで旅行者をお呼びでない、住宅街に紛れこんでしまった気まずさを感じるのですが。

もうパシュパティナートに着くかなーと思ったら3車線ぐらいの大通り。しかも渡る人いねーwww大雨の後の濁流の川を渡るような心持ちで横断しました。

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そこから先は車通りが一気に少なくなり、門前町的な雰囲気を醸し出し始めました。ここがパシュパティナート。

ここでもお約束の観光客課金です。1000ルピー払って中に入ります。

パシュパティナートはカトマンズを流れるバクマディ川のほとりに作られているのですが、バクマディ川はガンジス川につながっています。ここではガンジス川よろしくヒンドゥー教徒の火葬をしたり、沐浴をしたりしている、いわばプチガンジス川のような場所です。

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パシュパティナートにはサドゥーという修験者がいるのですが、その人の写真を撮ると撮影料を強請られます。なのでサドゥーのイラストの写真です。

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川のほとりには台座があり、そこで火葬をしています。つまり人の死体を燃やしている場所です。

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ここにくると人生観変わる、みたいな意見もありますが、インドに行ったら人生変わるよ、みたいなものだと思います。もう心があまり動かない年になってしまいました。

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しばし川を眺めたあとに、近くにあった丘に登ります。丘の上にも寺院があります。晴れていると山々が見えるらしいですが、あいにくの天気で何も見えませんでした。

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スワヤンブナートもそうでしたが、とにかく猿が多い。

寺院を超えて階段を降りると、そこは外。もう一度入るかどうか迷いながら入口の方に戻ろうとしたら、急に大雨。外にとてもじゃないが居られないレベルに。

とりあえず手近なお土産屋で雨宿りをします。しかし一向に雨が止む気配がなく。お土産屋の軒も狭く、一緒に雨宿りをしていた外国人グループは更なる屋根を求めてヒンドゥー教徒しか入れないエリアに突っ込んでいきました(門番も雨宿りしてていない)

ちょうどそこにタクシーが通りかかり、もう帰るかと思い飛び乗りましたが、足元を見られて1000ルピーをふっかけられました。普通はタメル地区までは高くて400ルピーです。雨だからって足元を見られている感じです。500ルピーまで下がりましたが、交渉決裂し雨宿りを継続。

しばらく雨宿りをしていたら雨が小降りになったので、もう一度パシュパティナートへ行ってみました。
ちょうどそこでは火葬前の儀式をしていました。先ほどまでは火葬の風景しか見れなかったので。葬儀の出席者が故人の体を川の水で洗い清めています。
参列者もみんな私服だし、洗ってるすぐ横を普通に人が通っていいくし、葬儀が特別なものというより日常の光景のような感じでした、こういうところに死生観の違いを感じました。なんとなくその写真は撮る気にならなかったのでないです。

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その儀式も終わり、故人は火葬台のある場所に竹で組んだ担架のようなもので運ばれていきました。

さて、まだ雨はまばらなのですが、これからまたひどくなることも考え、戻ることに。
ちょうどタクシーがきましたが、少し積んででもタメルに帰ることにし、交渉の末450ルピーで。地区の入口で下ろしてもらいました。

タメルを歩きながら、いろんな店を見ながら帰ります。値札付きの店がやはり安心感があります。明朗会計でないとつらい、というか確実にふっかけてきてますからね。値段が交渉で決まっていく文化は関東人としてはやはり苦手ですね。

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ふと目に入った肉屋の、豚の写真の上で解体されている豚がパシュパティナートよりよっぽど心にきました。豚さん・・・。

さて、ホテルに帰ってきて、夜どこに行こうかなと思って色々調べていたら、徒歩3分ぐらいのところにトリベニという評判がよく安い地元系の店がありました。タクシー分の出費もあるし今日は安く済ませたいので、そこに行ってみることに。
行ったら誰もいない・・・。とりあえず声をかけると子供が出てて、空いてるか聞くと、いたら空いてると、でも30分ぐらい待ってと言われました。まぁ時間はどうでもいいので店内で待ちます。
30分後、バイクの音がしたと思ったらパパっぽい人が現れました。もしかして待たされたのは店主待ち?

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パパが現れると、すぐに出てきたダルバート。これで300ルピーは安い。でも元々はもっと安かったらしい。

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飲み物も60ルピーです。ただ瓶が劣化しすぎて中身が少し不安です。味はなんともなかったですが。

パパは後から現れたママっぽいのと話してるし、それをBGMにダルバートを食べました。家の近所の家賃を払ってない味がする店を思いだしました。

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