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エベレスト街道旅行記15日目(2022/05/02) ゾンラ→チョラパス→タングナ→ゴーキョ

天気はかなりいい感じ。ただめちゃくちゃ寒いです。昨日に引き続きスキー場にいるのような感じ。浄水フィルターが凍ってしまいました。

ジンジャーティーで体を温めます。昨日みたいな目には会いたくないので、できるだけ他のパーティと同じような時間、6時ぐらいに出発します。

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晴れたら綺麗なゾンラです。昨日の行動中はマジで何も見えなかった。アマダブラムとチョラツェが見えました。特にチョラツェは足元から立ち上がってるのでもはや壁です。

雪は昨日のうちも少し降ったようで、東京で降ったな、って日ぐらいです。地面がわかる感じなので日本の豪雪とは全然違いますね。

ただのスニーカーできてるラケシュは、靴下を俺から借りて、それにビニール袋巻いて靴をはいてました。さらにアイゼンないので紐を靴に巻いてた

自分も日本から持ってきたアイゼンを途中で装備しました。

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最初の1時間は歩きやすい緩やかな登りが続く。かなり距離を稼げるので、これはいけるのでは、とルンルン気分に。

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しばらく歩くと、写真の真ん中の岩の横を歩く道になります。膝ぐらいの高さの段差が連続する地点に。ここで息を整えて挑戦します。

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どうにかこうにか上がると、必死で上がると緩やかな道がずっと続きますが、前半で消耗気味なのと、自分にとって魔の5000mエリアに到達したせいか、マジで足が進まなくなります。

5000mを超えると何やっても体が動かなくなります、数歩進んでは息を整えて、って感じ。写真を撮ったり唾を飲み込むための一瞬の呼吸の変化で息を整える必要が出てきます。波紋の呼吸のマスクつけられてるみたいです。

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やがて道は氷河の中へ進んでいきます。氷河に雪が積もってて絶景なのですが、あんまり写真を撮る余裕がありません。

昨日出会った日本語喋れるネパール人にも励まされ、一緒に遭難したギリシャ人とも一緒に進みます。

ラケシュに再三荷物持ってあげようか?って言われたのでお願いしたけど、きついのは多分荷物の重さじゃなくて酸素の薄さなんだよなぁ、とも思いつつお言葉に甘える。もちろんパフォーマンスは上がらないので、息を切らせてさらに進みます。案件が炎上してるときに似てます、この感覚。

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氷河を渡りきると少し開けたところに出て、その脇にある岩のロープを伝いながら登ります。雪がついてて歩きにくいですが、日本アルプスの鎖場のようなしんどさはないです。

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そしてチョラパスの頂点へ。後ろも前もひたすら絶景ですが、息が切れすぎてすぐには動けないです。しばらく座り込んで呼吸を整えます。これが5000m超えの世界よ。

落ち着いたら記念写真やあたりの絶景を撮ってゆっくりします。行動食として持ってきたスニッカーズを食べたりしました。エベレスト街道は長距離補給がない箇所はないので、行動食がなくてもどこかで食えるのですがこのルートは別。

あとシャワーズ夫婦にも会いました。昨日の吹雪の中を自分たちだけで来たのか・・・無事でよかった。

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そしてゴーキョ側のタングナへ降りていきます。こっちはこっちでかなりヤバい。スキー場の上級斜面以上の斜度が長く続き、そこに張られたロープを伝いながら半ば滑り落ちるように降りていきます。アイゼンないと死にます。ラケシュはほぼ落下しながら降りていきました。また逆から来た人もすごく登りが続くので大変そうです。

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無限かと思うレベルで続く急斜面を降りると、丘陵地帯に入るのですが、それも長い。村も見えないので、巨大な山々に囲まれたどこまでも続く荒野になってます。

途中でラケシュからクッキーをもらいましたが、自分の袋の上だけ空けて、砕いて水を入れてポリッジみたいにしてました。うまいのかそれ?

この丘陵地帯がなかなか曲者で、アップダウンが結構あり、標高も5000m越えなので息が辛いです。道は大したことないんですが。

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いくつもの峠を登り切ると、タングナまでのひたすらダウンが続きます。てかこれタングナ側から来るのは難しすぎないか?

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デスストみたいな荒野の景色が続きます。ポーターもまれに通るのでマジでそうです。

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そして、ゾンラを出てから7時間くらいでタングナに到着。雪山ダンジョンをクリアした感がすごいです。久々の人里だ!!

チョラパスのしんどさは過程もさることながら、7時間の間休憩や補給ができないというところもあります。

もともとの予定だと、タングナにステイ予定だったんですが、何もないところだし、まだ時間は14時ぐらいで余裕があり、ゴーキョまで2時間ぐらいで行けるので移動することにしました。

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タングナで食ったダルバートは久しぶりに具材が多かったです。

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そしてゴーキョに向けて出発。なんか化石でも取れそうな景色ですが、ここは左を氷河が流れていて、それによって山が抉り取られたような場所になっています。

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ここを登りきると氷河の縁にでます。ゴーキョはこの先の氷河の対岸。つまり氷河を渡河するのです。しかもこの氷河、ゴシュンバ氷河というネパール最大の氷河で幅1kmはあります。ここを最短ルートで、斜めに抜け切ります。氷河の淵はかなり切り立っているので、まず降りるに半分崖みたいなところを滑りながら降ります。ラケシュは靴脱いでました。自分はトレッキングシューズとストックがあるのでスムーズに行けました。

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氷河は人間スケールでいうとものすごいアップダウンがあるので、小さい山が連続する場所を歩きます。氷の上に乗った砂や岩の上を歩きます。しかも氷河は流れているので、常に元の形にあらず。昨日の道は今日あるかわからないです。時々岩や氷の崩れる音が聞こえます。楽なのは、この辺は標高が5000m以下なので、自分としては息が上がらずにすみます。
高度順応の問題か、標高が5000mを超えると登りの息苦しさが出てくるんですよね。幸いにも重たい症状はなく、軽い頭痛が時々ある程度で済んでます。

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ところどころ、氷河の溶けた跡の池があったりします。

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1時間半くらい歩いて、氷河の反対側の淵に到着しました。ここも切り立った壁になっています。普通の感覚で言えば、ここを越えるのは山登りになるでしょう。
動き出そうとすると上から声がします。どうやら落石があって危ないらしい。確かに自分がいるエリアの周辺に白んだ場所があります。

早く行こうとしたら、ラケシュが荷物が重いからゆっくり行こうと。いや持たせてるのは申し訳ないけどデンジャラスゾーンは早く脱出したいし。頑張れガイド!!

幸いにも自分たちがいたところではないですが、デンジャラスゾーンを抜けた直後、ゴロゴロと落石が・・・

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200mぐらいありそうなこの縁を登り、頂点に登り少し進むと眼下に見えて来たのがゴーキョ。下に目的地の村が見えるとテンション上がりますよね。
というかロブチェ→ゴーキョ間の道のりは街道ではないのです。村から村へ移動する時に通るダンジョンだったのです。それがチョラパスゴジュンバ氷河

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到着した時のロブチェは霧に包まれていました。湖も深い青でとても綺麗です。ロブチェの印象にも似ている地の果て感があります。

湖が凍ってるかも、って昨日言われたので綺麗でラッキー!と思いましたがこの時期は凍ってはないらしい。えっ昨日の情報は・・・?

バッテリーがもうないので、充電してもらえる宿を探してもらったら割と綺麗でした。ここに限らずゴーキョは新しい宿が多いっぽくて絶賛建設中のもありました。リゾート感を押し出しているのかも。ここに来るまでの行程がリゾートとは程遠いですが・・・

鏡があったので久々に見たら、見事までの逆パンダになってました。これどうしよう・・・

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ダルバートが滋味深い癒し系の味でタルカリをお代わりしてしまいました。部屋も綺麗で、妙に暖かいです。構造が影響してるみたいで、ダイニングが一階、その上に部屋があります。煙突の放射熱を使ってるみたいです。他のロッジはダイニングが別になってたりするので、部屋が寒くて・・・どの宿もこの構造にすればいいのにと思いました。防火が大変かな?

飯食い終わったあと、ding bellするか?って言われて、は?と思ったらカシャプシュのことをding bellというらしい、それ英語でもそうなのかな?聞いたことないが・・・そして酒を飲み始めるラケシュ。

翌日はゴーキョリというゴーキョの裏にある丘に登ります。と言っても800mぐらい上るんですがw ここもエベレストが綺麗に見える人気の展望地です。

なので登るために早寝してたら、ラケシュが来て、足が痛いので明日ゴーキョリには行けないと。自分は行きたいので1人で行くよと伝えました。その後ゴーキョリが大したことない、カラパタールと同じような景色だよ、ってひたすら言われたのイラッとして寝ましたw
まぁ今日はハードだったしな・・・とはいえ酒飲んで言い訳するのはなしよw

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