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ジョージア旅行記 6日目(2019/07/18) ズグディディ→メスティア→ウシュグリ→メスティア

激寒と激暑が交互にやってくる夜行列車は、午前6時ごろ、ジョージアの西側にあるズグディディという街に到着しました。

一応ターミナル駅なのに駅前は瓦礫の山だし、駅の乗り場もよくわからないような駅。

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さらにここから、コーカサス山脈の間の村、世界遺産になっているメスティアを訪ねます。そしてもうひとつの目的地は、メスティアよりさらに2時間ほど車で行ったウシュグリという村。

ウシュグリはマジで悪路を走行しないとたどり着けない秘境中の秘境。標高2100mにあるヨーロッパで一番高いところにある村、と言われています。いろいろ都合が合わなくて行けなかった、という話もちらほら。

今回の旅で間違いなく一番遠く、一番大変で、でも一番見てみたい、最終目的地です。

ウシュグリに行くにも、まずはメスティアに向かわないといけません。
メスティアはズグディディからマルシュに乗って3時間ほど。
ズグディディはマジで何もない街なので、ここに来る目的はほぼメスティア訪問。大量のマルシュが待っており、交渉成立した客からどんどんメスティアに向かっていきます。

ちょっとここではかけないようなトラブルがあり、出発のタイミングを逃してしまい、出ようとした時はすでにほとんどのマルシュが旅立ったあと。どうにか残りのマルシュ、というより白タク?をゲットしました。

で、そののっぴきならない事情によりトイレに行きたかったのですが、案内されたのは、

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ドライバーの家。


「ここ俺んちだからトイレとか済ましていけよ」


というノリ。

出遅れたのもあって若干逸る気持ちもあったのですが、コーヒーとかフルーツとかを勧められたり。まぁお言葉に甘えて。

というか同乗の人たちは多分家族か友人だったっぽく、途中でいろんなお店に寄ったりして買い物してました。もしかして、メスティアの近くまで行くからついでに旅行者乗っけてこうぜ的なノリだったりした?

よく見たら乗った車以外にフルサイズのマルシュも家にあったので、普段はマルシュの運転手なのかも。

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家の前はいかにもロシアの郊外と行った感じ。こういう景色が見れるのも逆にめっけものかなと思いました。

若干逸る気持ちもあったので、いつ出ますか?みたいに聞いたりしたんですが、まぁ行くからそう焦んなや、というのんびり感。

そして車はのんびりペースで山を登る。ここから3時間ぐらいマジで山道を爆走します。日本だったら3時間も走ったら山越えちゃう。

なんか道の途中にある家で人がありがとうみたいな感じで降りていったので、マジで友達だったのかもしれん。あと電話に出て突然Uターンとかはじめたりした。早く着きたいのに・・・。まぁしょうがないですね。

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つづら折りの道の途中にあるレストハウスで休憩。前日から髪を洗ってなかったのもあってベトベトだったのと、歯を磨きたかったのでここの脇にある水道で頭を洗って口もゆすぐ。

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レストハウスからの風景はこれ。この時点ですでに絶景です。緑が美しい。やっぱアルプスよりも素朴なこの雰囲気がコーカサスの魅力ですね。

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ダヴィド・ガレジにいった時ほどではないけれど、ちょっとした悪路も走行しつつ、メスティアに到着。メスティアはもっと素朴な村かと思ってたんですが、意外と発展してました。すごく綺麗な街並み。オシャレなカフェとかもあったり、山登りの起点になるようなところです。

さて、この日はもし行けたらさらにここから2時間ぐらいかかるウシュグリに行こう、と思っていたのですが、時間はすでに12時近く。公式のバスとかは行ったあとだったのでこの日はメスティア見学で終わらせようかなぁと思ってたのですが、ちょうど客引きにあい、

「ウシュグリまで往復で40ラリでどう?2時間滞在で。」

と。普通に車をチャーターすると200ラリぐらいかかるらしいのでお得。でも僕ら以外にも2人乗せて5人になってたので運転手側からだと特に変わらないのか。

もう行けるとこまで行ってしまおう、とその車に乗り込む。意外とサクッと行けたぞ、秘境のウシュグリ村

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またもや車は日本車。もう危ないところはだいたい日本車。日本車に対するジョージアの信頼度が伺える。

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車はウシュグリに向けて山道に入っていきます。さらに標高が高くなっていくので眺めも抜群。道は意外と舗装されていてそこまで秘境って感じでもありません。

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でも並走して牛が歩いてたりします。というか通せんぼされてます。

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ちょっと高いところまできて、眼下にメスティアが見えるところまで。メスティアの中心街は結構発展して綺麗でしたが、こうやってみると山にへばりつく小さな村ですね。

スヴァネティ地方には復讐の塔という塔を立てる風習があるらしく、村の中に立つ目立つ塔はそれです。一説によると家族が辱めを受けた時に復讐をする「血の掟」なるものが存在し、その時に身内に危害が及ばないように立てこもるための塔なのだとか。ザ・村社会って感じですね。

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ウシュグリにいく途中も小さな村は散見されます。これは塔の形も良くわかります。塔がある家に泊まることもできるのだとか。

片道2時間は長く感じられますが、辺りの景色がすごすぎるので眺めているだけでも飽きません。

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気がつくと道はかなりヤバい感じに。全くすれ違うことができないレベルです。車もめっちゃ揺れる。でも景色は絶景。

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このヤバい道を抜けると一気に開けたところに。ついにウシュグリ村も見えてきました。歩いている人も何人かいますが、3泊ぐらいかけて歩いてやってくるトレッカーもいるのだとか。それはそれで風情があっていいですね。

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道の脇には放牧されている牛の大群が。もうそこら中に牛がいます。

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そしてウシュグリに到着。なんか思ったよりパラソルとかあったり新しい建物があったりして発展してる。絶賛建築中のロッジなんかもあったり。メスティアもそうでしたが、秘境というより山の奥深くにあるリゾートって感じでした。

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村の中はこんな感じ。とりあえず右手にある建物でご飯を食べます。

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何かの肉を焼いたやつ。あまり詳細を覚えていない。

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分け入っても分け入っても青い山の中で食べる飯は最高です。天気も晴れ。ちょっと奥の山に雲はかかっちゃってますが。

ウシュグリ村滞在は2、3時間ほどだったので、とりあえず散策することに。奥に向かうと小高い丘に教会があるので、そこに歩いていきます。
村自体は教会に向かって少し山になっているので、ひたすら登っていきます。

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石垣を積んだ家と新しい家が混在していて面白いです。本当にヨーロッパの田舎に来たって感じ。気分はRPGで新しい村に着いた時のそれ

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そこらへんに馬がいたりします。馬並みってそういうことなんですね。

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ウシュグリにも復讐の塔がいっぱい立っています。近くで見ると迫力満点。これを立てるのも相当大変だったんじゃないかと。こんな辺境の地で昔どのように建てられていたのかは気になります。

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途中に三匹の子豚が寝てるぐらいナチュラルに動物がいます。てかそこらじゅう馬糞だらけで、土と見分けがつかないのでうっかりすると踏みます。

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丘の教会はずっと見えてるのですが遠い。こういう眺望のいい場所だと目的地が見えてるのになかなかたどり着けないっていうのがありますね。

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多分これは現地の人ではなく乗馬体験だと思います。もうチャリみたいな感覚でみんな馬に乗ってます

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徒歩20分ぐらいで教会に到着して、教会から村を見てみる。ずっと見えてるのに歩く遠いっていう感覚はこれだけの見晴らしの良さだからですね。足元に見えているのはお墓のようです。

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教会にも塔がありますが残念ながら立入禁止。

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教会の裏手はハイキングコースにつながっていて、ここから更に村の奥地に行けるみたいです。そこまでの時間はないので行かなかったですが、テントとかを持って奥に行く欧州のトレッカーもいるらしいです。しかしものすごい絶景。

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谷の奥に見えるのはシュハラ山。ウシュグリに泊まってシュハラ山を歩く人もいるらしいです。どんだけ奥地に行くんだ。あとこの馬、位置どりが完璧すぎる。

このまま時間もないので下に見える橋の近くまで行って戻ってくることに。

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谷底から見える景色は雄大の一言。よくみると奥に向かうトレッカーの姿が。

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実は冬になるとウシュグリでスキーもできるらしく、簡単なリフトもあります。がここに来る時に通過した谷とか冬はどうやって渡るんだろう・・・

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できることなら無限に見ていたい景色。ついにここまで来たぞ!!!

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その後は村に戻り、村を散策。

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こんなちょっとした扉ですら絵になる。

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トラックの姿が可愛い。

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実はこんな村ですが映画館もあるんです。多分公民館の児童向け映画レベルだろうけど。スヴァネティ地方でロケをした映画をやってました。

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犬と牛がナチュラルに混在する、童話の世界。

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村の両脇に目をやると山がすぐそばまで迫っていて、本当に緑に囲まれている感じ。最高です。

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で村の小高い丘の上に立つ塔まで戻ってきました。下に見えるのも村。ほとんど廃墟のようだったので、多分もともとここら辺に住んでた人たちが山のさらに上に引っ越してるんじゃないかなぁとなんとなく。

ここで記念写真を取ろうとしたら日本人のおじさんに遭遇。世界中を巡ってきた人とのこと。ウシュグリに泊まると言っていました。時間に余裕があればここに泊まってゆっくりするのもいいですね。
そのおじさんオススメの山が観れる国は、ネパールだとのこと。そりゃそうだよなぁ。

そんなこんなで時間になったので、車に乗り込んでウシュグリを後に。

そしたら行きも通ったあの断崖絶壁エリアで大渋滞にはまる。というか全く動いてない。

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ビクともしないので車を降りてみてみると、

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洗い越しになってるところでマルシュがつっかえてました。

これは詰んだか???


と思ったら人海戦術でどうにか車を押し出して突破。案外どうにかなるものですね。

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せっかくなので待ってる間写真撮ったりもしてましたが、ここも綺麗な渓谷ですね。高山植物も咲き乱れてます。

そんなこんなで無事メスティアに帰還。宿に向かいます。

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適当に予約したらめっちゃ雰囲気いいところだった。

で、とりあえず受付っぽいおばさんに声をかけたら、

「あなたのこと聞いてないけど・・・もしかしてインターネットで取った人??ちょっと待って!!

とその場にいたおじいさんと喧嘩を始める。

どうやら予約の行き違いで俺の部屋がなかった模様。Y夫婦の宿に泊まるという選択肢も浮上しつつ、最終的に部屋を確保してくれました。

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ひとりには広すぎるツインなんですけどね。
てかめっちゃ綺麗。宿綺麗。もっと絶望的なところを想像してた。辺境の村だし。

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前日も風呂に入ってないので、綺麗なシャワールーム見て感動して写真を撮ってしまった。よく見たら鏡に俺映ってるし。

あと本当は2泊する予定だったのですが急遽1泊にしたり、朝食早めてくれたり本当に助かりました。

ちなみにいまさらですが、今回の宿は全部Booking.comで取ってます。結構土壇場キャンセルや振替が可能なところも多いので助かりました。

で、ちょっとゆっくりした後、みんなで晩御飯を食べに広場の近くの飲食店へ。

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これはチャチャという蒸留酒です。ワインが飲めないのでジョージアっぽい酒を、となるとこれになります。葡萄で作った蒸留酒で、グレープウォッカともいうそうです。味は葡萄味のするウォッカです(まんま)
多分ロシア人とかと飲んだら一気させられるのですがチビチビと飲んでました。

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これは茄子とニンニクの炒め物です。結構ジョージアでは茄子を使う料理も多い印象です。

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ヴィシソワーズ的な芋のスープ。量が多いのでみんなでわけわけ。パンにつけたりして食べたりしました。

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スペアリブと玉ねぎを炒めたやつ。だんだんジョージア感無くなってきてますが、

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締めはヒンカリで!!!

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あとはジョージアのお菓子です。
これはチュルチヘラと言って、クルミを葡萄果汁で作った糖衣で固めてるやつです。飴の一種だそうです。味は多分想像の通り。素朴です。

ここで飯を食っていたら急に豪雨が。山の天気は変わりやすいですからね。

そしたら雷の轟音とともに、


停電


まぁインフラも整ってなさそうですからね・・・。

しゃーねーなと思っていたら轟音とともに動き出す店の発電機

多分しょっちゅう停電するんでしょうね。しかし発電機がうるさすぎて会話もままならないレベル。かわいそうなのは発電機の前に座っているグループ。ひたすら辛そうな顔をしてました。

しばらくすると電気が復旧して、発電機も停止しました。


で、そのまま食事をしていると、また雷の音

落ちる照明

何が起きるか察して、歪む発電機の前の人の顔

そして凄まじい轟音

復旧する電気


最終的に店を出た時はメスティアが全部真っ暗になっていました。

帰りがけに商店に寄ったのですが、

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照明がろうそく

暗すぎて何も見えねぇ。キャッシュレス?美味しいのそれ??

買い物をしている間に電気は復旧して、店員も客もほっとしてました。

電気すら不安定な田舎にきたんだなということを実感しながら、知らない天井を眺めて就寝しました。

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翌日はメスティアのハイキングコースを巡る旅、そしてメスティアから帰路につき、終盤に差し掛かってきます。

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